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3新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。昨年も日本印刷産業連合会の運営に対し格別のご理解、ご協力を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。2011年という年は、東日本大震災という極めて大きな災害の発生、そして、それに起因した原発事故が、東北地方のみならず、日本全国に大きな痛みを与えました。さらに、原発事故はエネルギー問題に派生し、人々の生活や産業界のさまざまな活動にも大きな影響を与えました。復興は、まだ緒についたばかりではありますが、私たち一人ひとり、そして産業界としても一つになって、困難に立ち向かって復興を着実なものにしなくてはならないと思います。嬉しいニュースとしては、「なでしこジャパン」の女子サッカー・ワールドカップの優勝があります。そして、わが印刷産業界におきましては、10月に技能五輪で伊東真規子選手が一昨年の菊池憲明選手に引き続き2大会連続の金メダルを獲得しました。印刷産業に携わる人々に元気と勇気を与えてくれたのではないかと思います。日本印刷産業連合会として、印刷産業ビジョン『SMATRIX2020』を昨年発表しました。現状の印刷産業が直面する問題点や課題を整理し、今後10年の間に印刷産業が進むべき方向性を示すことができました。このビジョンが示しているように、今後は印刷会社同士の競争だけでなく、これまでは他分野と思われた会社との競争もあたりまえのものとなります。これらを克服していくためには、各社の独自性を高め、それぞれの強みを発揮して顧客にプラスアルファの価値を提供していくことがなにより大切な取り組みとなります。これに伴う人材の育成や新規分野への参画、新しい事業の推進などが成長のためには必須のものとなっていくでしょう。また、経済・社会全てにわたって国際化の波が及んでおり、私たち自身の成長の方向性としてグローバル市場を見る必要性も高まってきているようにも思います。印刷産業の顧客の裾野は極めて広いわけで、今こそ、印刷産業は顧客のパートナーとして一体となって、その課題を解決していくような関係づくりが重要であると考えています。先ほど述べた印刷産業ビジョン『SMATRIX2020』の中には沢山のヒントが詰まっています。付加価値を高める為の創意工夫・高機能化やアウトソーシング等ビジネスモデルを再検討していきましょう。日本印刷産業連合会としても、会員各社の更なる発展のために資するさまざまな情報発信や情報共有などの活動を進めてまいります。引き続き、連合会への一層のご理解とご支援を御願い申し上げます。結びに、皆様方のご繁栄とご健勝を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。社団法人日本印刷産業連合会会長猿渡智年頭所感