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13ネスに対し極めて破壊的であり、印刷の未来ははっきりしている。市場は落ち込み続け、労働者を道ばたに追いやり、経営者を退出させるだろう。ニューメディアの登場によって明らかになった印刷の価値印刷はかつて唯一のコミュニケーションメディアで、対抗するメディアがほとんどなかったので印刷の価値が誰にも分からなかった。TVやラジオは高価で利用が難しく、コミュニケーションの選択肢が狭いという状況から、印刷産業は需要を享受していた。すべての製品に説明が必要だったから、製品にパンフレットが付いていた。製品情報誌によって顧客はより良い製品を選択する事ができた。営業担当者も情報パンフレットにより自信を持って商品を売り込めた。ビジネスにとって情報の欠如は致命的である。これはメディアの種類や「印刷の価値」ではなく「情報の価値」である。この「情報の価値」を、「印刷の価値」と考えてしまうことが、誤りの結論である。印刷産業の低迷の真の理由は、ユーザーが以前より「印刷の価値」を良く知っており、競合する選択肢ができたからである。費用対効果の視点で考えると、印刷メディアの効果測定方法は殆ど進歩していないが、電子メディアの効果測定は素晴しく改善されている。ウェブページは何回アクセスされたか、バナー広告は何回クリックされたか等、グーグル分析でウェブサイトのアクセス数を無料ですぐに見られる。一方、チラシやパンフレットなどの印刷物の効果測定は用意されていなく、印刷会社が回答できることは「パンフレットが切れたので追加して下さい」ぐらいのことである。そこで、ユーザーはウェブサイトに資金を投入している。それは、ページビューの数や、アクセス時間など、その効果が測定できるからである。印刷には即時性がなく、事前に用意している場合のみ対応できる。新しいメディアは即時性があり、効果測定やコスト面でも新しいデジタルメディアが優っている。作業プロセスが早く、情報のフィードバックが早いほど、情報は環境により良く適応される。また、DMが失敗した時、郵送代、印刷代、など多くの損失コストがかかる。しかし、デジタルメディアの場合は準備のコストだけである。失敗に対するトータルコストもメディアの価値の一部である。印刷業界からしばしば聞く提案は、印刷メディアはPRキャンペーンに有効なのだから「より多くの人に印刷の力を理解してもらいなさい」というものである。2010年のメディアカンファレンスに際して、5つの主要な雑誌は「印刷の力」をプロモートするキャンペーンを行うと発表した。最初の広告特集はマイケル・フェルプス(水泳選手)の写真と「インターネットはサーフィンするが、雑誌は泳ぐ」というキャッチフレーズを入れたPRだ。しかしこのインターネットの見方は90年代の認識である。今や誰がインターネットをサーフィンするだろうか。昔は検索エンジン(グーグル等)がなかったので特定サイトになかなか行けなかった。しかし、ウェブブラウザにはブックマークがあり、ソーシャルメディアの友人からのポインターもあり、グーグル検索も時間はほとんど掛からない。「インターネットはサーフィンするが、雑誌は泳ぐ」と問い掛ける提唱者は「ウェブはTVに次ぐ信頼度の高いニュースの場所だ」というレポートを見逃している。また、ソーシャルメディアのユーザーの57%が35歳以上だという情報も、フェイスブックは4億人以上が使っていて61%がミドル世代以上であることも見逃している。このキャンペーンは誰に向けられており、費用