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18てマーケッティングの全領域を提供しなければならない。そうでなければ、ただの印刷企業に戻ってしまう。マーケティングサービスは印刷の文化の一部ではないので、印刷組織とは切り離して、独自の投資とマネジメントで、独自の経営指標を持った独立したビジネスとして立ち上げるべきである。マーケティングサービスへの変革は、リスク分散の手段として経営に組み入れてはならない。これは誰よりも経営者にとって難しいことである。マーケティングサービスは印刷会社にとって新しい文化であるので、印刷製品を納品すると請求できる仕事から、多くのサービスで構成され完了までに長期間を有する仕事に移ることである。これはビジネスの文化や進捗速度が根本的に異なるので、スタッフの配置も勤務体系も、この違いに反映させなければならない。それは独立した経営形態であるべきである。印刷に即時性や適切性を付加させる要素はデジタル印刷への変革である。マスコミュニケーション向けのDMやチラシ印刷などは、コミュニケーションチャネルとして存続しているが、「小ロット印刷」、「差し替え印刷」、「部分印刷」等は、印刷メディアを大きく飛躍させる切っ掛けとなるアプリケーションである。これもまた革命的ではない。より早く、適切に意思や感情を伝えようとするニーズの変化であり、トレンドであり、傾向の発展である。そして、より新しい技術が現れている。QRコードやAR(仮想現実)は印刷メディアと電子メディアの間の溝を橋渡しすることができ、印刷を双方向性のメディアに変革している。これは鋭利な刃物であり、変化に際し他の誰よりも優位に立てる武器のように思う。過去10年でわれわれは多くのものを失った。印刷企業団体はメディアのトレンドに目を背けることで失敗させる一因となっている。全てのグラフィックコミュニケーション企業に、顧客サービスとして、あらゆるチャネルを統合したメディアマネジメントを提供する、真のリーダーシップを持った献身的なメディアを超えた協会が必要だと私は思う。注:ジョセフ・W・ウェブ博士、リチャード・M・ロマーノ氏の著書「DisruptingtheFuture」の部分要約トピックス「IGAS2011から学ぶ」を開催技術委員会主催セミナー11月1日、日本印刷会館にて技術委員会(丹羽喜一委員長)主催のセミナー「IGAS2011から学ぶ」を開催した。基調講演とパネルディスカッションで、IGAS出展における技術動向とフォーム業界の将来展望について展開した。基調講演ではブライター・レイター代表の山下潤一郎氏が米国業界レポートの「DisruptingtheFuture」を引用しながら、印刷業界の延長線上には未来はなく、厳しい経営環境の下で売上・利益を伸ばすためには、『印刷業界の常識』にとらわれない取り組みが重要。マーケティング力の向上は、印刷会社の未来に必要不可欠であり、印刷会社が成功するためには「我々は顧客企業のコミュニケーションロジスティックスのハブ」を目指すべきと提言した。また、パネルディスカッションでは技術委員が中心となって組織したIGASレポーター4名がパネラーとして発表したIGAS2011レポートを基に、講師の山下氏も加わり「IGAS2011から学ぶ」べきことと、今後のフォーム業界の将来展