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28ーケティング費として約0.5%〜1%が徴収される。Proformaに加盟すると一年目の平均売上は180,000ドルなので、年収は約55,000ドル。この時点で大手印刷企業の給与と同等になる。2年目の平均売上は440,000ドルで、年収は134,640ドルとなる。医療保険など福利厚生を差し引いたとしても魅力的といえる。このように、安い開業費、魅力的な報酬制度、充実したサポート体制などが評判をよび、いま多くの大手印刷企業の営業担当者がProformaに転身し、加盟者の65%が転身組だ。Proformaの当面の目標は、フランチャイズ加盟者を1,000に増やすことと、売上10億ドルにすることである。顧客との関係構築を支援するクイックプリントフランチャイズは、地域と店舗来客数を事業戦略の中核としている。参加加盟店は、約30マイルの商圏の中で、いかに店舗に来客してもらうかが、事業の成功の鍵となる。一方ディストロビュータフランチャイズのProformaは、売り先の地域を限定せず、顧客とのリレーションシップ構築を戦略の中核としている。新規加盟者は、オハイオ州にある本部のProformaUniversityで約一週間ProSTARTのトレーニングを受け、Proformaの企業理念、方針、リレーションシップ営業の重要性について学ぶ。参加加盟者は約15〜20社の取引先を持ち、取引先担当者50人前後と如何に緊密な関係になれるかが事業の成功の鍵となる。顧客の開拓方法や営業スタイルは加盟者に任せていて特に制約はない。彼らの多くが印刷業者の営業やディストロビュータの経験を既に持つ熟練営業である。Proformaはブランディングや新規顧客開拓などマーケティング活動を行い、加盟者のリレーションシップの向上のために後方支援することに専心する。加盟者から徴収した0.5〜1%のマーケティング費用の合計は約1,000万ドルに及び、厳しい市場環境のなか豊富なマーケティング費用を有する印刷関連ディストロビュータはない。Proformaの魅力のひとつは、リピート性の高いビジネスで、ある程度顧客ベースが出来上がってしまうと、それをまわしていくだけで加盟者の商売が成り立つ。ProformaのGreg氏はソーシャルメディアによるビジネスについて「ネットが普及し、FacebookやLinkedInなどのグループに参加して、受注を獲得することを提唱する人がいるが、私は懐疑的だ。受注を獲得させるには、やはりフェースツーフェースが欠かせない。パソコンの前でFacebookで対話している印刷営業担当者が最近増えていると聞くが、それは営業ゴッコにすぎない。そんなことは夜の自分の時間にやれば良い。日が出ているうちは、実際お客様を訪問して、リレーションシップを構築するのが当たり前のことなのではないか」と言う。中心は本部ではないProformaは加盟者の自主性を最も大切にする。その一つの象徴が加盟者の社名だ。Proformaという名は入るが、「ProformaForms&SuppliesLimited」、「ProformaCreativePrecision」、「ProformaSpectrumPrintGraphics」などあえて統一させない。多くの場合、昔から営んできた社名にProformaを付け加えるだけ。それぞれ独立した地域に密着した事業だが、全体としては大きな勢力であることをアピールしている。Proformaが一般のフランチャイズと決定的に違う点は14人で構成されるOAC(OwnersAdvisoryCouncil:事業主諮問委員会)が設けられていることである。OACは年次大会で全米各地の加盟者から選出され、フランチャイズ本部の経営幹部と協議しながら、Proformaの経営方針を決めている。Proformaは加盟者だけでなく印刷製造会社の支援も行っており、約300社のPLP(PreferredLimitedPartners:厳選された優先パートナー)と取引している。Proformaは業界2位のInnerworkingsのように見積もり合わせで最安値の印刷製造会社に発注するのではなく、厳しい審査で、価格、サービス、品質、製品開発力など総合的な判断で、パートナーシップを組む方針を取っている。