■ページ本文テキスト■

29PLPにとっての最も大きなメリットは、印刷業界を取り巻く厳しい環境の中、年々拡大するProformaの加盟者と取引することによって、自分たちの事業も自然に拡大していけること。また、売掛金管理や代金回収をProformaに任せることにより、代金回収などリスクを軽減できることにある。サポートに専心するProformaの本部はITシステムにより、包括的に参加加盟者の業務をサポートしている。日常業務を包括的に管理するためのダッシュボードであるProOfficeは、見積もり管理、受発注管理、債権管理、コンテンツマネージメント、などを提供している。また、ProSMARTは、Proformaの営業支援するシステムで、見込み客を顧客化するためのツールである。Proformaはこのシステムを使えば受注確立は60%になると言う。Ecommerceはお客様の間接資材を受発注するため窓口となるシステム。発注権限や部署ごとの費用振り替えなど顧客のワークフロープロセスの中に組み込むことが可能である。更に、ProOMSは参加加盟者に関する情報を包括的に把握するシステム。経営資源の配分など戦略策定等参加加盟者による小さな事業主の集合体が大きな力になるための強力な武器となる。Proformaは、信用力、代金回収、キャッシュフローなど参加加盟者の財政面を支援するシステムにより資金面やリスクに対するサポートが行われる。このように、IT技術、財務支援、競争力のある豊富な取扱商品数、ナショナルアカウント対応など、手厚いサポート体制を求めて、口コミや紹介などで独立系ディストロビュータや元大手印刷営業担当者がProformaへの加盟を希望してくる。Proforma社のまとめ今までは大手印刷業者は顧客にかわって大きな資本を投入して印刷設備を導入し、大量生産された印刷製品を提供してきた。更に、プロセスを「垂直・水平統合」することにより固定資産の回転率を上げ、ますます競争力をつけてきた。大手顧客も大きな生産規模、品質、サービス、信用力などの保証を求めて、印刷業者と取引することを望んだ。一方、ProformaはITを屈指しながら、バリューチェーンをモジュラー化し、参加加盟者や印刷製造会社など、独自の業務に専心しながら、ユーザーを満足させるために、全体を最適化するために力を注いでいる。弱小の人たちも、力をあわせれば大きな勢力になる生態系のカタリシス(触媒作用)の役割をはたしていると言える。Proformaはそれを実現するためのファシリテータ(調整役)を担っている。ディストロビュータ1位のWorkflowと2位のInnerworkingsでは、供給過剰など印刷業界の歪んだ状況を利用して拡大したビジネスモデルであり、Workflowのモデルはすでに限界にきており、Innerworkingsのモデルもしばらく好調を続けるであろうが需給バランスが調整された時に限界がくる。しかし、Proformaのモデルは今後の印刷業界のあるべき姿を予感させる未来型ビジネスモデルである。VistaPrintとProformaのビジネスモデルは異なるが、その根底に流れている法則は共通と言える。AmericanPrinter誌の廃刊が意味するもの128年間継続して発行されていた印刷業界を代表する主力雑誌が9月号をもって幕を閉じた。同誌の出版社であるPreton社は、長い間辛抱強く雑誌を好転させようと努力したが、その兆しが見えてこなかったため、廃刊に踏み切った。「AmericanPrinterは、もはや当社の出版戦略に合わなくなってしまった」と説明する。これは、2010年の4月に廃刊した印刷業界のバイブルといわれていた、GraphicArtsMonthlyにつづいて2誌目。GAMが廃刊されたときには、次はAmericanPrinterではないかと噂された。同誌はINLANDPRINTERとして1883年に創刊。戦後、印刷業界は未曾有の好景気を迎え、リソグラフィ印刷が主流となったため、雑誌はTheInlandandAmericanPrinterandLithographerと長い雑誌名になるが、1982年にAmericanPrinterとして短く9月号を最後に、幕を閉じたAmericanPrinter誌。スマートフォンをカバーにし、先進性を強調しようとしているところが、逆に痛々しい。AmericanPrinter9月号