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8トピックス印刷功労賞瀬戸良教氏日本フォーム印刷工業連合会副会長関東フォーム印刷工業会会長株式会社昇寿堂代表取締役社長(推薦理由)平成14年に日本フォーム印刷工業連合会の常任理事に選任されるとともに、要職である技術委員長を担当するなど積極的に団体事業運営に貢献する。また、平成20年には団体の中核となる関東フォーム印刷工業会の会長および連合会の副会長に就任。永年にわたり常に団体活動の中核を担い要職を歴任することにより、フォーム印刷業界の振興発展に大きく寄与した。印刷功労賞を受賞して思うこと2013年9月の印刷の日の式典において日本印刷産業連合会から印刷功労賞を受賞いたしましたことは、私にとって大変名誉あるできごとであり、ご推薦いただいた櫻井会長始めフォーム工連理事会の皆様に篤く御礼申しあげます。今回の受賞を機会に私自身の半生を思い起こしてみますと、1965年に入社以来、社会人としての48年間をビジネスフォーム印刷に関わって参りましたが、遡って昭和27年に日本におけるビジネスフォーム印刷機の誕生を目にし、その発展期から現在に至るまでを考えると、60年以上もビジネスフォーム印刷を身近にして過してきたことになります。終戦後わずか6〜7年で尺貫法やミリの時代にインチというコンピュータ設計の基準単位に取り組んだ先人の試行錯誤の挑戦は、今の時代では想像できない苦闘の連続であったに違いありますまい。初期においては1〜2色の平圧機で巻き取り仕上げから手作業による折りたたみ加工へ、更に自動折り機構が開発され、凸版輪転機へと続き更にオフセット印刷機への進展があり、IBM800の出現とそれに続くデジタル印刷全盛の現在に至る業界の動向は皆さんご承知のとおりです。わずか60年余りの間にこれほど業態が大きく変ったビジネスフォームは、他の印刷業界にはないのではないでしょうか。その流れの中で私自身何ができたかを思うと忸怩たるものがありますが、今回の受賞を糧として業界の発展に少しでもお役に立てればと思いを新たにしております。今ビジネスフォーム業界は印刷業を基盤とした情報処理産業に変貌して来ています。デジタル情報は瞬時にして地球上を駆けめぐり、その量も10年前には想像もつかないものだったと思われます。それによって、情報の漏洩や故意による情報操作など、デジタルの危険性も社会問題になってきていますし、私たち業界もセキュリティ対策には細心の注意と大きな設備投資が求められています。一方私たちが永年使ってきた「紙」による情報は、必要最小限の情報のみを記録することで、情報の拡散や漏洩といった危険性はデジタル情報より遙かに低いはずです。ビジネスフォーム印刷の衰退が現実のものとなった現在、「紙」の利点を生かした商品の開発は、業界の生き残りのためにも欠かせないツールだと思います。そして、各社が技術を相互利用できるようになれば、フォーム業界の未来も開けてくるのではないでしょうか。平成25年9月株式会社昇寿堂瀬戸良教