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14トピックス一旦あなたを親友と思ったら、親身になって助けてくれる。個人と個人の付き合いを大切にすればビジネスも順調に進むことになる。最後に講師の安藤チャンめぐみ氏が、テレビ朝日の報道ステーションのスタッフと一緒に取材された、日中友好の使者である山崎宏さんを紹介された。「山崎さんは日中戦争で中国へ赴きましたが、翌年には軍隊から脱走しました。そして、亡くなるまで日本へ帰らず、ずっと中国山東省済南市に住み続けました。山崎さんは戦後、漢方医の資格を独学で習得して、最初は病院で働いていましたが、現地で診療所を開設し、60年以上に渡って奉仕活動として現地市民に対して、無料診療を行ってきました。中国人女性と結婚しましたが、自分の子供がいなかったのですが、養子として娘さんが一人います。住居はごく普通の5階建てのアパートの3階に住んでいて、診療所は隣のアパートの1階にありました。診療所はごく簡素な一部屋です。しかし、朝から診察開始時間前に、もう患者さんが溢れていてびっくりしました。大きな病院に行かずに、こんな狭い小さな診療所に来るのは、山崎さんがいるからです。私は親たちにインタビューをしました。みんなは山崎さんに見てもらうと子供の病気がすぐ治ると言っていました。大きな病院に行っても治らなかったのが、ここに来て山崎さんが出した漢方薬を飲むとすぐ治るというのです。その中には20キロ離れたところからわざわざ来ている人もいました。一番多い病気は咳や、下痢、熱という小児科の病気です。親たちは山崎さんがとても優しくて、ここに来ると安心感があって、山崎さんのことが大好きだと話してくれました。100歳まで元気で診察できる秘訣はなんですかと聞いたら、山崎さんは中国語で「全心全意為人民服務」と言いました。その意味は「誠心誠意人民に奉仕する」ということです。山崎さんはご自分の行動でこの言葉通りに実践し、一生を中国人の為に尽くしました」と日本ではあまり取り上げられることがない山崎宏さんを紹介されました。そして、安藤チャンめぐみ氏は、講演を終わるにあたり次のように締めくくった。「私が来日してからもう20年経ちました。私の心の中では、日本も私の祖国のような存在で、日本を愛しています。それは、私が長年、日本で暮らしていて、日本の社会、そして、多くの日本の人々を知るようになったからです。日本に旅行に来た中国人は、帰国後はみんなが日本のファンになっています。自分の目で日本の社会を見て、体験し、日本の方々と触れ合って、それで本当の日本を知ることができたからです。日本に来たことのある私の友人は全員、日本が大好きだ、と言っています。今、日中関係はあまり良くない状況です。しかし、もっと多くの日本の方々が中国へ行って、中国の人々と肌で付き合っていただきたいと思います。そうすれば、きっと中国人は付き合いやすく感じ、親近感を感じるようになると思います。両国民の交流が本当の友好の輪を広げてくれる架け橋だと思います。私はこれからも、日本で中国のことを伝えていきたいと思うと同時に、中国に行って、いつかは日本のことを中国人に伝えたいと思っています。自分が感じた日本、体験した日本を中国人に伝え、分かち合うことを願っています。」(本講演の詳細は日本フォーム印刷工業連合会ホームページに掲載中)