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15「デジタル印刷設備を稼働させるための技術セミナー」を開催技術委員会主催弊団体では毎年「フォーム印刷業界の現状と課題に関する調査報告書」を発行しており、昨年度発行した同報告書では、回答企業の約1/2が産業用カラ―プリンタ機を導入しているが、所有している約1/3の企業から「デジタル印刷設備を持っているが上手く活用できない」との回答であった。そこで、技術委員会では、7月23日、日本印刷会館2階会議室において、約90名が参加されて、(株)ポーラ・メソッド、ピツニーボウズジャパン(株)、(株)モリサワの3社から、「デジタル印刷設備を稼働させるための技術セミナー」をテーマに、デジタルのハードを動かすソフトウェアの重要性について講演を頂いた。このセミナーを主催した技術委員会の林陽一委員長は、冒頭の挨拶で「従来はデジタル印刷のハード部分に関するセミナーが多かったが、実際にデジタル機を導入してみると、なかなか思うように稼働しないという声も聞いている。このため、今日はデジタルのハードを動かすソフトウェアの重要性を講師の方に教えていただく。デジタル機の導入を検討している企業の方も参考にしていただきたい」と呼びかけた。デジタルプリントの最大の利用方法はバリアブルプリントであり、小ロット生産やオンデマンド生産以上に、印刷物の個別化・パーソナル化が重要な市場として求められている。そこで、(株)モリサワの酒井大倫氏からは「MVPで始める簡単バリアブルプリント」をテーマに講演いただいた。同社が開発した可変印刷ソフト「MVF」は産業用オンデマンドプリントの機能をフルに発揮できると紹介。「ナンバーリングや宛名、バーコードなどの可変情報を印刷できるのはもちろん、フォトショップを利用し、画像データの上にバリアブルイメージを挿入できる」などの機能も説明した。(株)ポーラ・メソッドは、GMC社の高速処理が可能な高性能バリアブル組版アプリケーション「GMC…Inspire」の販売とサービスを手掛けているが、同社の岩上政裕氏からは、整理番号やバーコード印字を付与し、PDFプリントをサポートする「PDF…port」について紹介した。最後には封入封緘機の販売でも知られているピツニーボウズジャパン(株)から、同社が販売及びサポートをしているEmtexソフトウェアについて黒山浩明氏が紹介した。Emtexは様々な形式で保存されたデータを編集し、様々な形式変換ができ、印刷物、郵送物、電子帳票のプリント業務等に対して工程全体の一元管理(ADF:Automated…Document…Factory)を可能としている。会場では自社のデジタル機をさらに活用することを目指し、多くの会員が熱心にメモをとる姿が見受けられ、セミナー終了後も講師に多くの質問がなされていた。