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17は、個人が数万円の投資で楽しめるものになった。アクセサリーやフィギュアなど品質にこだわりも持たない(試作品レベル)ならば十分だろう。一方、紫外線硬化樹脂・エポキシを用いた最新の光造形タイプなどは、一億円に届く高性能な設備も開発され、高精細でかつ機能性としても申し分がない完成品レベルの「ものづくり」が可能になった。医療分野での3次元造形技術の利活用では、人口の骨や義足をつくるほか、海外では歯の矯正中でも食事や歯を磨くときに手軽に外せ、利点の多いマウスピースの制作に利用され、近年は日本でも取り入れられはじめてきた。医療分野の製品をはじめとして、現代の「ものづくり」の多くはカスタムメイド(MassCustomManufacturing)が必要となってくる。そこに、日本が「ものづくり」で存在感を発揮するための道があり、5年以内には「デジタル印刷大学」を創設致したいと述べるとともに、最後に次のように呼びかけた。「技術が皆の手に渡れば、次は感性・デザインセンスの時代。これからの「ものづくり」は、個人や中小企棄でも勝負かできる時代になってくる。高付加価値なカスタマイズ品を、どのようにユーザーが望むものに仕上げるか。日本のおもてなし力には、顧客の要望を気持ちよく満たす力があるはずだ。私はまだまだ「ものづくり」への挑戦を続けていく。皆さんもぜひ、私と共に挑戦をして欲しい」セミナー会場でも紹介したが、今回ご講演頂いた山口修一氏の著書「インクジェット時代がきた!」のあとがきで、『入社から11年目の1994年に世界初の写真画質プリンターの開発に成功した際、だがそのとき、私は気づいてしまった。インクジェット技術はプリンターだけで終わる技術ではないということに』と書いている。「インクジェット時代がきた!液晶テレビも骨も作れる驚異の技術」著者:山口修一、山路達也光文社新書ISBN978-4-334-03684-3特別セミナーの風景