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30本書は「印刷」の現状の姿を、可能なかぎりデータに基づいて分析し把握することで、日本の印刷産業の将来像を描き出して行こうとしている。序文では「パワープリントとは?…脳科学者が印刷を考える」と題して、脳科学者で東京大学の酒井邦嘉教授とのインタビューを掲載している。同教授は結びのことばとして「電子化によって均質なものが大量に出回る時代だからこそ、たとえ部数を限ったとしても、最大限に質や希少性を優先させた本作りが意義を持つと考えます」と述べている。印刷産業の置かれている位置が大きく変化していることを感じることばである。本書の構成は7章で構成されており、印刷産業がこれまでに培ってきた技術力やサービス力について考察しながら、印刷メディアの多様な付加価値を提示し、情報コミュニケーション社会における印刷産業の可能性について検証している。@…Global…Scope…海外の印刷プロモーション活動A…印刷メデイアのサステナビリティーB…印刷メディアの価値提言C…印刷の力…−印刷メディアの効果測定から−D…クロスメディア時代における印刷E…Best…PrintingF……SMATRIX2020再考…RE-PRINTING:再発見・再日本印刷産業連合会■「PowerPrint2013―印刷メディアの源流」を刊行定義・再構成最終章には今後に向けた戦略として@差別化・差異化への挑戦、A課題解決力の強化、B継続的な新商品・新事業の開発、Cネットビジネスの取り込み、Dコラボレーション、E立ち位置の明確化を挙げている。そして、「印刷産業は従来の概念をもう一度見直し、市場やビジネス環境の再発見、事業の再定義、再構成が求められる」と本書は結んでいる。…刊行日:…平成25年9月…/…B5判/……総ページ数:196ページ…会員・賛助会員2,000円、…一般4,000円ておらず、半年もたたない中で10%以上の値上げは、得意先への理解を得ることは極めて難しい。また、そうした環境下で印刷用紙を再度値上げすることは、電子媒体への転換を加速し、印刷需要減退に拍車をかける危険があり、さらに今回の値上げは、印刷需要の減退につながり、印刷企業の経営は重い連鎖から脱却できずに、倒産や廃業の経営危機に見舞われる企業が増大することが予測されます。以上の観点から今回の値上げ発表については、日本印刷産業連合会として容認できる状況にないとして、反対を表明しました。