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9Topics平成27年1月22日に新春懇親会に先立って新春講演会を行なった。新春講演会では、慶応義塾大学商学部准教授で同ビジネススクール兼任教授の梅津光弘氏による講演「コンブライアンスを越えて」が行われた。冒頭、玉田健治業務委員長は、「コンプライアンスはわれわれ企業人にとって興味ある大事なテーマでもある。大いに勉強したい」と述べ、梅津氏の略歴を紹介。講師の梅津准教授は自己紹介で、「私の祖父は銀座の泰聖ビル(昭和4年に建設)という、いまでも出光さんの大きな屋上看板が掛っている、歌舞伎座の隣にあるところで、戦後は廃業を致しましたが、戦前印刷業を営んでおり、今回お招きいただいたときも、何かご縁を感じております」と述べ、企業倫理・コンプライアンス経営の制度化について話された。「責任明確化のためのCSR担当役員の任命、担当部署の設置、現場の声を吸い上げる相談窓口の開設など」の必要性を語った。さらに、「各企業がルールを定めるだけでなく、業界団体をあげて企業倫理の徹底を図る」ことも必要であると述べた。また、日本企業の問題点については、「コンプライアンスを越える自発性」「コミュニケーションの欠如」などを挙げ、化粧品メーカーが進めるコードリーダー制、電力会社のカスケード方式などの事例を紹介した。そして、「ケースメソッド(事例研究)によるディスカッションなどの取り組みにより、コンプライアンスを高めるだけでなく、コミュニケーションの活性化にもつながる。企業倫理の構築は、時代と社会の要請であり、企業経営の価値転換と意識改革が必要である。また、グローバルに適用する企業は、Integrity(誠実さ)のある組織であり、日本人の誠実さが世界で競争力になりうる」と述ベた。主要著書『仕事に役立つ経営学』(共著)日本経済新聞社2014年『企業評価+企業倫理』(共著)慶應義塾大学出版会2006年『ビジネスの倫理学』丸善2002年平成27年新春講演会「コンプライアンスを越えて」を開催日本フォーム印刷工業連合会主催講師:慶応義塾大学商学部准教授梅津光弘氏新春講演会の風景