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11国際委員会(土屋昇委員長)は3月27日、(公社)日本印刷技術協会、(株)印刷出版研究所と共催して、欧州印刷事情視察報告セミナーを日本印刷会館で開催し、140名が参加した。デジタル印刷・加工の専門展である“HunkelerInnovationdays2015”や、現地の印刷事情について、「欧州印刷事情視察ツアー」に参加した代表者による報告が行われた。初めにケイズカンパニーの飯塚孝雄マネージャーが、2月にスイスで開催された“Innovationdays2015”の概要を報告。今回は80社以上が出展し、4日間の入場事前登録者数は5700人、延べ来場者数は1万1200人。日本からも100人以上が参加したとの報告があった。出展機器については日本印刷技術協会の相馬謙一氏が紹介した。特に1200dpiのデジタル印刷機に注目し、インキ滴が小さいため、より少ないインキ量で高濃度、高光沢を実現。水分量も少ないためサイジング剤が減り、オフセットとの兼用紙実現に近づくなどのメリットを挙げた。一方で、現在主流である600dpiに比べてデータ処理に4倍の負荷がかかることから、RIP処理にパワーを要することや、高画質なカラー印刷が前提となるためカラーマネジメントなどの知見が必須になると指摘した。また、300m/分とオフ輪に近い高速化を実現したコダックの「Prosper1000+Press」や、薄紙に対応したザイコンの「Xeikon9800」と、最新折り機を使った能書折りでは有版と変わらない仕事ができると紹介。他にも、今回が初出展となったゼロックスの「Rialto900」や、富士フイルムの「JetPress540W」、Hunkeler社製のBOD(BookOnDemand)製本機や新聞製作機など、多様なソリューションを紹介した。同氏は10項目のトピックスを挙げ説明された。トピックス1:産業用インキジェットを主要メーカーの殆どが実機を展示。トピックス2:注目点は高解像度の1200dpi。RICOHProVC60000と大日本スクリーンTruepressJet520HDの実機を展示。トピックス3:高速300m/分はオフ輪速度に接近。コンティニアス方式のKodakProsper1000Plusを稼働展示。トピックス4:レーザーミシンでセキュリティーパン「欧州印刷事情視察報告会」を開催JAGAT・印刷出版研究所共催Topics視察報告会会場全景RICOHProVC60000ケイズカンパニー飯塚孝雄氏日本印刷技術協会相馬謙一氏