■第5回:「快適な生活を支える床材」
事務所や家庭で不可欠な床。 いつも踏みつけられあまり注目されませんが、安全面や衛生面、防音性など快適な生活を作り出すさまざまな機能が必要とされています。
事務所や家庭において、床の存在は人間の生活の中で重要な役割を担っています。
床材に求められる機能をざっとあげてみると、感触性、滑りにくさ、耐摩耗性、平滑性、耐歩行音性、遮音性、意匠性、汚染性、清掃性、耐荷重性、衝撃吸収性などがあります。
道路のタイルなどは別として、事務所や家庭の床では、床材として、クッションフロア、塩化ビニール床材、カーペット、タイル、Pタイル、絨毯、フローリング、畳などがあります。
特にクッションフロアでは印刷技術を充分に利用して作られています。
クッションフロアとは、その名のとおりクッション性のある床材です。 発泡された塩化ビニールのシート床材で、表面に凹凸があり、滑りにくくなっています。 また、発泡した部分がマットレスのスポンジのような連続気泡ではなく、個々に独立しているため、遮音性、衝撃吸収性などにも優れています。
このクッション塩化ビニール床材は、長尺クッションフロアとも呼ばれ、尺角 (30.3 cm角) タイルのようにつなぎ目がないことが特徴で、耐水性もあることなどから、キッチンや脱衣場などの床に多く使用されています。
このカーペットはほとんどが無地もので、印刷されたものは余り見かけませんが、技術的には可能で、直接印刷する方法や絵柄を転写する方法があります。 ただし、歩行による摩耗や、汚れやすい場所での使用ということもあり、高級マンションやホテルの廊下などに一部利用例がある程度です。
最近は、歩道用タイルにその町の特徴やシンボルなどの絵柄が入っているものをよく見かけるようになりました。 これは、絵柄を高温で磁性タイルに焼き付けたものが多いようですが、なかにはプラスチック性のものも見受けられます。
フローリングとは、欧米から入った様式の呼称で、木ざね加工した一枚単層及び集成材の無垢ものと、表面に短板を張った複合の積層ものがあります。 また表面は塗装したものと無塗装のものがあります。 よく使用されるものには、単層フローリング、複合フローリングボード (合板フロアー)、特殊加工複合フローリングなどがあります。 最近ではメラミン床としてハードボードにラミネートしたものも出ています。
絨毯については、毛足の短い絨毯に着色する印刷技術があります。 柄付けは品物が高値品なため直接に印刷することはあまりせず、転写方式で印刷されています。 これは、絨毯の素材に染色する染料で印刷インキを作り、転写紙に印刷され、絨毯を前処理したのち転写を行い、その後染色します。 シルクスクリーンにより直接印刷する方法もあります。

(C) Copyright The Japan Federation of Printing Industries < info@jfpi.or.jp >