■第7回:「誰でもできるガラスへの絵付け」
窓ガラスの飛散を防止したり、新しい居住空間を演出することができるガラス用フィルム。 フィルムを貼るための接着剤の塗布にも印刷技術が利用されています。
また、飛散したガラスの破片の中を素足で逃げねばならず、その後の救助活動にも支障が出たという報告もなされています。 それ以後、枕もとにスリッパやスニーカーを備えておく家庭も多いのではないでしょうか。
ところで、スリッパやスニーカーを用意するよりも、ガラスが飛散しないようにする方が先決ではないかとも考えられます。
最近のビルの窓ガラスはカーテンウォールという工法によって、建物が破壊しなければ窓ガラスは破損しないようになっています。 ガラスの中に金網を入れたり (網入りガラス)、プラスチックフィルムがガラスとガラスの間にサンドイッチされていて、ガラスが飛散しないようになっています。 ただ、このようなガラスは非常に高価なので、一般家庭で使用されることはまだ希なようです。
これは、厚さ100ミクロン位のポリエステルフィルムの裏面に、ガラスと相性のよい接着剤が塗布されたもので、当然、ガラスに貼るものですから、透明性に優れているものが使用されています。 また、ガラスは常に太陽の光に当たっているので、耐候性の良いものが要求されます。
このフィルムは街のホームセンターなどでも販売されており、素人の私たちでも貼ることができます。 ただし、気泡が残らないように注意して貼らなければなりません。 そのためには、まずガラスの貼る面をきれいに洗浄したのち、フィルムに充分水を湿らせておいて、中央から周辺に水を追い出すようにして貼っていけば、気泡は綺麗にとれます。 小さな気泡は若干残りますが、1週間くらいすぎるとフィルムに吸収されて消えてしまいます。 ぜひ一度、日曜大工をかねて、地震対策の一環として試してみてはいかがでしょうか。
ところで、このフィルムへの接着剤の塗布は、印刷技術のうちコーティングという技術が使われています。 印刷技術は絵柄を印刷するだけでなく、基材の表面に均一に樹脂を塗布 (コーティング) する技術を持っています。 この場合、居間などのガラス面に貼る関係上、均一な透明性が必要であり、接着剤の塗布には高度な技術力が要求されます。
絵柄によっては全く違った雰囲気を醸し出し、たとえば、和風調のデザインのものを畳の部屋の間仕切りガラスに使うことにより、日本調の空間を演出することができます。 このフィルムは、半硬化透明塩化ビニール樹脂フィルムの裏面に絵柄を印刷し、その反対側にエンボス加工を施しています。 絵柄側には粘着剤をコーティングし、この面をガラスに接着させるようになっています。
ガラス戸に化粧シートを貼るだけで新しい居住空間を演出することができます。
なお、この化粧シートはグラビア印刷を用いているため、従来のエッチング方式やシルクスクリーン印刷に比べて、より高度の意匠性とともに生産性が高いため、安価であり、しかもガラス飛散防止にも役立つという特徴を有しています。
この曇りを予防するものが防曇フィルムで、従来は界面活性剤や吸湿性樹脂をフィルムにコーティングして使われていました。 しかし、持続性が悪く、防曇の効果がすぐになくなったり、表面の硬度が弱く、傷つきやすいなどの欠点があり、あまり普及しませんでした。
最近は、樹脂及びコーティング処理技術にも改良が加わり、持続性に優れ、これまでの欠点が改良された防曇フィルムが出てきています。 窓ガラスをはじめ鏡、自動車の窓、電子レンジの窓、計器盤、冷凍ケース、温室、農業用ビニールハウスなどの結露防止に、明るい見通しが出てきました。

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