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9フリークーリング環境フェスティバル「自分経営」〜問題は「タコつぼ」ではなく「タコ」だった〜講師早稲田大学大学院教授友成真一氏平成23年度第2回講演会講師友成真一教授8月25日、東京都文京区の椿山荘で「自分経営」をタイトルに第2回講演会を開催した。早稲田大学大学院教授の友成真一氏を講師に迎え、同氏がとなえる「タコ理論」から他人の世界を受け入れることで自分の世界が広がる発想転換について、会員以外の参加者も合わせて120人が参加し聴講した。そこで講演から発想転換のポイントを紹介する。世の中の概念は「ミクロ」と「マクロ」世の中の概念は「ミクロ」と「マクロ」の2つ。「マクロ」は理論化、一般化というより大きな世界のこと、「ミクロ」とはより小さな世界でひとりの幸せのこと。幸せの概念は「ミクロ」、人それぞれ違うし、時間とともに変わる。3月11日以降、世の中は圧倒的に「マクロ」に向かっている。今の世の中が抱える問題とは、「ミクロ」のベクトルを考えなくなっていること。復興構想会議の復興構想7原則を見ても、“国民全体との連携と分かち合い”というような大きな視点からの構想ばかりが掲げられている。それでは、大切な人が目の前で津波に流されてしまった人や、財産を失ってしまった人、被災した人と人とのミクロな連帯はどうなるのだろう。「タコ理論」とは〈タコつぼ〉と〈素ダコ〉の視点で物事を分析する考え方、人間の存在を個人と組織に分けている。〈タコつぼ〉とは目に見えるもの。人は誰でも国家や企業、制度といった組織的な〈タコつぽ〉や、学歴、職歴、肩書、資格といった個人的な〈タコつぼ〉の中にいる。この方向の思考の先には分断、差別、衝突が見える。一方、〈タコつぼ〉から抜け出した姿が〈素ダコ〉、幸せや心、悟りという小さい個人的な視点、つまり、自分自身の本質的存在をいう〈素ダコ〉を極めれば連帯となる。