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11デジタルプリントは印刷業界を救えるかIndigoが1993年にフルカラーデジタルプレスを発表したが、印刷業界はデジタルプリントを懐疑的に見ていた。デジタルプリントのアプリケーションは何か、オフセットなど従来印刷の脅威になるのかなどが議論され、結論は先送りされていった。そして現在、従来のアナログ印刷がデジタルメディアの猛撃を受け、印刷業界はデジタルプリントを脅威としてではなく、むしろ助け舟として期待しているように見える。しかし、本当にアナログ印刷がデジタルプリントに変わっていくのか疑問が拭い切れない。そこで、ITStrategyは「どのアプリケーションが、どの時点で、アナログ印刷からデジタルプリントに持続的に変わっていくか」を2010年に調査した。8ヶ月にわたり、印刷に携わる業者、専門家、顧客など900人に対してメールによるアンケートやインタビューを実施。対象となったアプリケーションは、書国際委員会■北米印刷事情レポート(2012年1月〜3月)籍、カタログ、DM、ラベル、販促資料、新聞、パッケージなど12項目に渡っている。2009年の北米においての全印刷物の比率を見ると、印刷されている全てのドキュメント数は、約1兆4670億ページである。しかし、産業デジタルプリントの比率はまだ1.5%にすぎない。しかし、ITStrategyの調査のこのグラフを見る時、注意しなくてはならない事は、成長率を示しているだけで、品種毎の数量が判らないことである。カートンの成長率が年間61%も成長しているのは、2009年時点のカートン製品のデジタルプリントの数量が小さいからである。一方、DMについて見ると4%と低成長なのは、すでにDM製品についてはデジタル化が進んでいて、分母が極めて大きいからである。Infotrendの調査は2010年と2015年を取上げて、A4サイズのインプレッション数を比較して予測している。産業用デジタルプリンは2014年までの年間成長率は11.5%。2014年には約330億ページのドキュメントがデジタルプリントで生産される。品種別成長率の内訳は左記のグラフの通りである。2000年度の印刷物比率95.5%出典:ITtrategy北米産業デジタルプリント品種別累積年間成長率(2009?2014年)出典:ITtrategy