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13パラダイムシフトの時代、リスクをとらないことが最大のリスクと言われている。従来の沿線上にない印刷ビジネスを越えた未踏の地に進出した方が、最終的に良い結果をもたらすのかもしれない。印刷産業にとって難しい時代を迎えてしまった。米国郵便事業のモデルは成り立つのか12月5日に米郵便事業が、配送センター250箇所と郵便局2,000箇所を閉鎖し、28,000人の従業員を解雇することを発表した。これにより、年間30億ドルのコスト削減を目指す。加えて、土曜日配達を止めることも検討中。米国の第一種郵便物は郵便事業の売り上げの57%、利益の45%とを占めるが、その配達量は、ここ5年間25%減少している。また、小包とバルクメールは、リーマンショック後に若干回復基調にあるが、その穴埋めにはなっていない。打撃が予想されるBMとDM現在、米国の郵便事業がビジネスとして成り立っていくのか大きな議論になっており、郵便事業を利用しているDPSやDM業界では危機感を募らせている。米郵便事業は、発送センターを250箇所閉鎖することにより、残ったセンターの稼働率を上げていく計画。しかし、ローカル地域内の翌日配達が犠牲になり、2日以上の配達期間を要することになる。第一種郵便の63%は、企業から郵送する請求書と通知書、そして受領した個人が支払う小切手の郵送で占められる。配達期間が1〜3日から2〜4日になると、企業からの通知書が電子配信に変更されることを確実に加速させる。支払いの小切手の到着の遅れにより代金回収が遅くなり、キャッシュフローが低下する。また、請求書の到着が遅くなれば、支払いにまつわる問題などの対応で、カスタマーサービスコストが上がってしまう。さらに、確定申告の時期や四半期毎の通知物郵送などのピーク時には、さらなる遅れが予想され、企業にとって郵便サービスは不便なものとなる。さらに、導入検討を行なっている土曜日配達が廃止されれば、最悪の場合水曜日に発送した請求書が月曜日に到着することになる。土曜日配達停止はBMだけではなくDMにも悪影響を及ぼす。DMは金曜日と土曜日配達を目指して配送され、DMを受け取った消費者が週末の買物に利用している。しかし、土曜日配達がなくなるとDMが月曜日に届いてしまうことになる。これは、レスポンス率の低下に直結し、DMはソーシャルメディアやメールなど、他のメディアに移行する切っ掛けになってしまう。去年は、印刷業界、郵便関連事業、マーケティング企業など1,000の非営利団体や、フォーチュン500企業から構成されるAffordableMailAllianceが郵便料金の値上げを断固反対したが、郵便料金値上げよりサービス低下の方が、悪影響を及ぼしてしまうことがわかってきたため、逆に値上げを提案する会員もではじめている。ただ、郵便料金を値上げする出典:MediaIDEA全世界電子リーダー端末(2010〜2021年)単位:100万台