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16マーインタフェースとなるPageflex(W2P)から、基幹システムのMISまで包括的に連携して、印刷企業のあるべき姿をアピールしていた。このような包括的システムは、EFI、Hiflex、Kodak、Oce、HP、Xeroxなどからも提唱されていた。どのシステムを導入するかの判断は、どのような設備をもっているのか、プロセスのどの部分を自動化したいかなど包括的な視点が必要だ。今、印刷業界で問題になっているのが、これらのシステムの多くが大手印刷業者向けに開発されていることである。中小の印刷業者やディストリビュータは、大手ほどの大掛かりなシステムを必要としていないし、社内のプロセスを包括的には把握し、システムを導入するためのITスキルも持っていない。印刷企業がパッケージソフトを購入すると、プロセスに合わないため、カスタム化が発生したり、メンテナンスができなかったりして、多くの場合、高い買い物になってしまう。ソフトありきで、本来改善させるべきプロセスの方を変更せざるをえないこともある。今回のGraphExpoではSaaSを提供するソフトベンダーが増えた。SaaSは売り切りではなく印刷企業のニーズにあった様々なレベルの機能を提供するために、中小の印刷業者やディストリビュータにとって導入しやすい。SaaSを検討する際のポイントは、高度な機能、接続性、汎用性というよりも、どのくらい印刷企業各社のプロセスにマッチしているかが重要だという。SaaSは、一度導入するとプロバイダに依存することになるので、サービスが長期的かつ安定的に提供されるかを見極める必要がある。印刷業界のIT化のもうひとつのテーマはマルチメディアである。印刷と他のメディアを合わせたソリューションを至る所で展示されていた。XMpieなどマルチメディアマーケッティングからウェブサービスまで幅広い機能を提供するベンダーから、ウェブサイトを構築するための簡単なソフトまでその幅は広い。今年の会場で一番目立ったマルチメディア関連技といえば、QRコードであった。(QRコードは、米国で2011年の夏あたりから話題になりはじめて、印刷業界だけではなくマーケターの間でも話題になっている。)ボーダーレス化する印刷GraphExpoで確認されたもう一つの大きな流れは業界のボーダーレス化である。デジタルプリントの浸透により、特に印刷とメーリングの境がなくなってきている。印刷業者が積極的にメーリング設備を導入しなければ、仕事をメールハウスに奪われてしまうだHeidelbergのPrintnect展示場はQRコードだらけ