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15「どんぐりの家」上映会8月31日の夕方より、日本映画「どんぐりの家」のモンゴル翻訳版の上映会が新モンゴル高校のホールにて行なわれた。この映画は多重障がい者の問題を取り扱った作品で、耳が聞こえない上に知能障害がある人たちと、その親が困難を乗り越えて自立していく話である。新モンゴル高校の日本語学習のためのサマースクールで教材として取り上げられ、感銘を受けた新モンゴル高校の留学生達が、この映画の製作者の中橋真紀人氏の許可を得てモンゴル語の字幕をつけるプロジェクトを立ち上げ、苦労して完成させた。上映会には障がい者を含めた多くの人たちが訪れ、感動の拍手を贈っていた。中橋氏もこの日の上映会のために駆けつけていた。モンゴル国内の障がい者を取り巻く環境は非常に悪く、町を歩いているだけでも道路が穴だらけで車イスが通れない、車が多すぎて渡れないなど問題は多いそうだ。映画は今後モンゴル各地で上映される予定であり、この映画をきっかけにモンゴルの障がい者が少しでも住みやすくなることを願わずにはいられなかった。宿泊・観光モンゴルでは3泊したが、その1日目はテレルジ国立公園のゲルに宿泊した。ゲルは遊牧民が使用する伝統的な移動式住居である。ゲルの中はわりと快適で、簡易式のベッドの寝心地もなかなかだった。我々が泊まったのは観光客向けのキャンプだったが、それでも十分に遊牧民気分を味わうことができた。観光は多くはなかったが、スフバートル広場、ザイサンの丘、ガンダン寺、自然史博物館などを見学し、モンゴルの複雑な歴史や文化を学ぶことができた。宿泊や観光では、新モンゴル高校の先生や日本に留学している卒業生たちが交代で通訳やガイドをしてくれた。我々が東北から来たことを考慮して、秋田大学や福島大学など東北への留学生が多かったため、モンゴルだけでなく東北の地元の話題でも盛り上がり、とても楽しかった。別れの時には、日本での再会を約束した。今回の旅を振り返ってモンゴルは現在発展途上の国である。未だに貧困にあえぐ人もおり、国の状況も安定してはいないが、国を発展させようというエネルギーが強くあり、日本の高度経済成長期とつながるものがあると感じた。特に新モンゴル高校の卒業生たちは希望にあふれ、それぞれの目標は違ってもモンゴルのために働くという共通の夢を持ち、それに向かって真剣に勉強していると感じた。我々7人はそれぞれ強く刺激を受け、これからの日本や自らの会社の将来のために、どのような目標を持ちどんな勉強をして何をすべきかと考えさせられた。とても有意義な旅であったと思う。印刷工場内の見学ADMON印刷会社