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23によって損失を被る人々である。情報を愚痴の裏付けに使っても、こうした変化の先取りはできない。神経科学を利用したダイレクトメールの役割の理解「手に取ることができる物理的な広告の方が、内的感情とつながる脳の反応をより多く作り出す。これは、印刷広告の「内面化」がより大きいことを示唆している」【試験対象の素材・活動】英国のロイヤルメール社は、物理的な媒体とオンライン媒体のコミュニケーションの効果に違いがあるかどうかを理解したいと考えた。世界的な広告調査会社であるミルワード・ブラウン社は、バンゴール大学の実験消費者心理センターと共同で、ダイレクトメールなど物理的なマーケティング資料と画面に表示されたデジタル広告資料を、脳がどのように処理するか比較する調査を実施した。手法:広告を処理する際に脳がどのように反応するかをより良く理解するために、磁気共鳴画像(MRI)スキャンを使用して脳の活動を直接調べた。20人の被験者は、市場に発表済みの広告と、それと同じ分量の「ごた混ぜにされた」画像の両方を見せられた。「ごた混ぜにされた」資料が用いられたのは、物理的な資料は1つ以上の感覚を刺激するという事実を考慮し、これを制御するためである。資料は、画面と印刷されたカードで被験者に示された。被験者が資料を見ている間、脳のスキャンが行われた。これは、マーケティングメッセージの処理が提示された媒体によってどのように影響されるかを評価するためである。【実験結果】手に触れることができる資料は、脳により深い痕跡を残す。?注:これは、単に物理的な資料が視覚と触覚の両方を刺激するためだけではない。これを説明するために、「ごた混ぜにされた」資料を見た時の脳の信号が差し引かれた。?カードに印刷された広告では、視覚と空間情報の統合に関連する脳の領域内でより多くの活動が引き起こされた。つまり、「物理的な資料は脳にとってより『現実』であることがうかがわれる。それは意味と場所を持つのである。空間記憶の回路網と連動することから、それはより強く記憶と結びついている。」物理的な資料は、より多くの感情的処理を伴う。これは、記憶とブランド連想にとって重要である?物理的な広告を提示された際、感情的に強力な刺激と記憶の処理に関与する脳の部分でより多くの処理が行なわれる。これは、物理的な広告を提示することで、感情的により鮮明な記憶が作られる可能性があることを示唆している。?身体の活動は小脳の活動を増加させる。これは、空間と感情の処理(並びに運動活性)を伴い、感情的処理の増強をさらに裏付けていると思われる。物理的な資料は内的感情と関連する脳の反応を増加させたことから、広告の「内面化」がより大きいことが伺われる?感情的な活動に関係する脳の部分は、画面上の資料よりも物理的な広告によってより大きく活性化された。?脳の「デフォルト・ネットワーク」は、ダイレクトメールを見た時の方が活発化すると考えられる。この脳の回路網における活動は、外部刺激に対する人の内的感情の集中を高めることに関係している。この研究から、被験者は情報を自身の思考や感情に関連付けていたことが示唆される。【結論】「本調査は、バーチャルな広告よりも手に取ることができる物理的な広告の方が、より多くの感情の処理につながることを強く示唆している。物理的な媒体が提供する『現実』の体験は、より記憶の一部になり易い。また、より多くの感情を生み出し、より肯定的なブランド連想の形成に役立つと見られる。現実の体験も内面化されることから、物理的な資料はより個人的な影響を持ち、動機付けにも役立つと見られる」と結論している。ヨーロッパにおける人口統計および広告の動向―印刷物に対するそれらの影響研究調査レポート「TheFutureofPrintIV(印