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2新年明けましておめでとうございます。年頭に当たり、日本フォーム印刷工業連合会の会員の皆様方に、日ごろのご協力、ご支援に対して心から感謝し、厚くお礼申し上げるとともに、本年が希望に満ちた実り多い年となりますよう、心からお祈り申し上げます。国連の人口統計によると、2011年10月31日に世界人口が70億人に到達したと発表されました。アメリカ国税調査局では70億人の到達が2012年3月12日とされています。さらに2050年には90億人、2100年には100億人を超えると予想されています。いったい地球はどれくらいの人口が養えるのでしょうか。アメリカのシンクタンクの試算によると、全人類がもし「アメリカ的な生活」を享受するとすれば養えるのは27.5億人で、すでに2.5倍にもなっています。「イタリア人的な生活」をすれば55億人、「インド的な生活」をすれば110億の人間が養えるそうです。別の調査ですが「日本人的生活」をすれば61億人ということで、インド的な生活を除けば地球はすでに破産しているということになります。今後世界の人口はどうなっていくのか、またそれが私たちの生活にどう影響してくるのでしょうか?一方私たちの足元を見てみると、日本での印刷産業全体の傾向は、出荷額が長期的に減少し続けており、今後も2020年にかけて24パーセント縮小するとの予測がなされています。しかしながら視線を少し上にあげて全体を俯瞰してみますと、主力プレーヤーは次々と変わり、退場していく部門に変わって、脚光を浴びる部門が次々と生まれています。私たちフォーム印刷産業もまた、伸びている会社は例外なく新規部門が強力に牽引していて、しかも新しい需要創造、市場創造、顧客創造によって成長しています。従来型の部門や商品の提案ではもはや伸びる余地がないのです。社会や市場が成熟し、閉塞状況に陥っているのは顧客も同じで、だからこそ少しでも新しい企画、ユニークなサービスを、のどから手が出るほどに欲しいのが現状です。私たちがその部分にいち早く着目し、掘り起こすことができるか否かが成長への分かれ目です。私たちもフォーム印刷産業が製造業であると認識しているうちは、この部分に目が届かないかもしれません。私たちの仕事がサービス業であると自覚すると、その上に立って私たちだけができるユニークなサービスは何か、顧客が必要としているオリジナルな企画は何かを考えてみることができます。すなわち顧客起点での提案が可能になるということです。その企画やサービスを実現するハードやソフトの手段は、すでにすべて目の前にそろっています。もう一度原点に戻って自社の強み、すなわちUSP(ユニークセリングポイント=UniqueSellingPoint)を見直し、それを磨き上げ、自社にしかできないオリジナルな提案に作り上げていくことが大事です。昨年の干支は壬辰(みずのえたつ、じんしん)、今年は癸巳(みずのとみ、きし)です。この壬辰から癸巳への展開は、「様々な問題が起こり耐える時間が長く続くが、やがて強い決意を持つ指導者の出現により、物事が活動的に発展する」ということを暗喩しています。強い指導者というのは一体誰なのか。それはあなた自身のことなのであり、私たち一人ひとりのことなのです。国内・国外ともに大きな困難をかかえ逆境下にいる日本ですが、私たちが本来持つ勤勉さ、しぶとさ、ピンチから立ち上がる強靭な精神力とアイデア力で強いリーダーシップを発揮し、生き延びる知恵を生み出していきたいと思います。今後も引き続き日本フォーム印刷工業会の活動を通じて、日本の産業の躍進に貢献していく所存です。会員各位のなおいっそうのご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。日本フォーム印刷工業連合会会長櫻井醜次代を生き抜く新しい企業へ年頭所感