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4明けましておめでとうございます。本年も日本フォーム印刷工業連合会へのご支援をよろしくお願い申しあげます。本年の年頭所感を記すにあたって3年前の会報を読み返して見ましたが、政治状況では民主党と自民党が入れ替わった違いはありますが、経済面では少しの改善も見られず、むしろ日本の世界における立場は相当に後退していることが実感されました。政治の停滞がもたらす国民生活への影響が、如何に深刻なものかを改めて考えさせられました。東北大震災からの復興も遅々として進まず、放射能によって汚染された残骸の処分さえままならない状況の中で、原発をすぐに廃止して消費税増税を行い経済の回復・発展が可能とは、冷静に現実を見据えた視点からの政策とは到底考えられません。自民党が政権に復帰しましたが、過去の失敗を十分に反省して、着実に日本経済を復活させてもらいたいと切実に期待しています。翻って、我が業界も深刻な不況の最中にあります。ビジネスフォームの需要は確実に減少していますが、受注価格の低下は外的要件によるだけとは思えません。過当な受注競争によって、設備産業であるビジネスフォームの原価すら考慮に入れない低価格を提示してはいないでしょうか。永年地域にとけ込んで企業活動をしてきたところに、都会から大手会社が「極端な低価格で受注をして行く」という情報はよく耳にします。その仕事が自社内で生産されるなら市場経済の原則として仕方ありませんが、協力会社に下請けとして生産を依託されるとすれば大きな問題です。地元企業は受注を失い当然協力会社も低価格受注となるでしょうから、利益を見込めない赤字受注が想像されます。昨年も相当数の印刷会社が倒産・廃業となっています。こうした状況が続くと供給能力の問題が出てきます。企業には規模に応じた得手不得手があります。地元の中小企業には得意先の要望に応えるノウハウの蓄積や、きめ細かな対応ができます。大手企業は大ロット対処が得意でしょう。これからは大小共々それぞれの特性に応じた受注を行って、ユーザーの利便性を損なうことなく製品を供給し、少しの利益を分け合えるよう、真剣に取り組むことを考えていかなければならないと心から思っております。日本フォーム印刷工業連合会副会長関東フォーム印刷工業会会長瀬戸良教特性を生かしてサービスの提供を年頭所感