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22ャーを育て、それぞれの企業が経営に活かしていくことです。参加者にはFMクレド15カ条をイメージし、考えるだけでなく認識し、これを応用して“売れる”提案を出せるファシリティ・マネジャーになって欲しいということです。確かに、クレドの表現は「失敗してもいいから」「身体で覚える」など非常に分かりやすく役立つ表現で多く記載されています。こうしたセミナー受講者が多く育ち「管理総務から戦略総務へと経営に携わる戦略総務を作っていく」のが今後の日本の課題であり、FMがそうした方向性に進む上で効果的です。「コミュニケーション」について「日本の大手メーカーからFMを導入したいという商談で、日本もグローバルでFMの契約を結ぶようになってきたのかなと思ったら、実は日本以外での展開(笑)で!」というエピソードから始まり、ユーモアたっぷりにスタート。日本の会社では、なかなか総務を変えるのは難しいのが現状です。「FMというのはやり方ではなくて、クレドの応用なのです。クレドを使って提案を“売れる”人間になること。具体例として、たとえば、製油所を例にとります。主業務の生産設備には積極的に対応するのですが、水周りや空調等の設備関係のFMには余りお金をかけません。管理総務ではなく戦略総務としてのFMでは、工場長に『全体的にメンテナンスするほうが結果的に安くなる』ということを、こうあるべきだと提案してFMの仕事を獲得しました。これが、プロのファシリティ・マネジャーです。ファシリティ・マネジャーは成果を出さなければなりません。売れるためには影響力を持つ、影響力を持つためには評判管理する、それによって成果を出すということです」また、「プロになるためには、アライメントを確認しなければなりません。その場しのぎのFM提案はうまくいかない。そのためにも、お客さまの成功が絶対に定義付けられ説明して証明されるような実績を出すことが大切なのです」と。こうした仕事をする人の心構えの一つが、クレドの中の「Thisismybuilding」ということばです。そうした視点に立つファシリティ・マネジャーは、目標を持ち数値化するなどの発想が自然にでてくるのです。そして、「コミュニケーションは成功の秘訣です。先のクレドはノウハウで、これに加えてコミュニケーションが大切です。たとえば、フロアにコピー機が2台あるとします。それを1台にするというケースを考えます。このような発想をすることで、コピーの仕方や流れを変えることができるのです。また、社内メールに関してはこれまでの「17:00までに届ける」のを「16:30まで」とするだけでも仕事の仕方や流れが変わってきます。ファシリティ・マネジャーはある決め事をすると、対象者に影響を及ぼします。その提案が良いか悪いかは、ファシリティ・マネジャーと対象者とのコミュニケーションで決まります」そして、「ここで重要なのはファシリティ・マネジャーの評判です。評判は実行したことで決まるのではなく、コミュニケーションで決まります。コミュニケーションがファシリティ・マネジャーとしての成功の秘訣なのです。ものごとをやることだけではない。人は評判で昇進します。評判をつくる一番大切なものが、コミュニケーションなのですね」「ファシリティ・マネジャーを取り巻くコミュニケーション環境は、図2のように上司と部下の社員、業者(サプライヤー)とユーザーの4つです。それぞれの矢印を理解してください」