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19印刷産業の「資源となる」情報とは次の4項目に分類できる!@情報コンテンツ「印刷してきた情報内容そのもの」。A顧客情報「どのようなお客様が?」。B受注情報「いつ頃、どのような内容の注文が?」。C機械稼働情報「印刷機はいつ頃繁忙?いつ頃空いている?」である。印刷産業の「効率化」と「受注の向上」に対してどのようなことができるかをみたい!「効率化」については、@人と機械の稼働を最適化して無駄を省く。A他社との繁閑の組み合わせで設備の効率的運用。そして「受注の向上」として、@先回りのために情報を活用し、お客様に対しての提案営業。A新しい営業チャネルとしてソーシャルメディアを活用。を挙げることができる。最後に印刷産業の「新たな事業」についてであるが、大変難しいことだが、ニーズがあればそれを解決する方法は必ずある。たとえば「お客様の印刷データを預かるということ」を考えた時。@「いつでも」「どこでも」紙に印刷したい。A社内のデータファイル管理が面倒。B残したいデータもあれば、残したくないデータもある。3まとめ1.ITは消費者が「いつでも」「どこでも」触れられるようになり、高度化してきた。夕方のラッシュアワーの電車も夕刊紙・週刊誌からスマホ、ワンセグへ2.ITによって「何でもかんでも電子データ」にできる。電子データは処理しやすく、高度な加工が可能になった。3.ITによる変革とは実は「電子データの利用による変革」ITは電子データを使いこすための道具と理解すべき。4.印刷産業はデータの宝庫。他の産業のような顧客データ、受注データに加え、今まで印刷してきた情報そのものが蓄積されて情報量が多い。5.これらのデータを活用して事業や業態を変革できる可能性がある。顧客データ、受注データを活かした効率化や受注活動の活性化。顧客データ、受注データ、印刷情報を組み合わせた新たな事業の創出等、様々な取り組みが考えられる。6.そのカギは「顧客のニーズ」である。ニーズが分かれば、それに応えるための道具を作ることができるのである。株式会社野村総合研究所ICT・メディア産業コンサルティング部上級コンサルタント木村淳氏