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28り小さく予測した理由は、印刷業が成熟した回復期の「sweetspot」にいるからです。経済成長は遅かったが、景気回復は過去の2年間継続していました。このことは産業出荷額に影響を与え始める時なのです。商業印刷・同関連業と印刷関連メディア業の出荷額は、2013年は約1%以下の減少、2014年は「横ばい」となるでしょう。2013年の物流用印刷物(パッケージ、ラベル/包装紙)は成長を牽引し、経済全般は約2.0%で成長するでしょう。販促用印刷物(DM、カタログそして付帯販促用資材)への支出は、選挙年が終わったことの煽りを受け、今年は「横ばい」となるでしょう。情報伝達用印刷物は約2.0%の減となるでしょう。今後の対処法―来たるべき年の戦略と戦術の展望これから印刷経営者として、どう対処しますか?実際これ以上の新しい情報はありません。印刷産業における成功の鍵は、これまでの数年間と同じように、経済、技術そして印刷市場には、いくつかの紆余曲折があります。経営環境については、以下の中核課題(コア・ポイント)の把握から始めることを、PIAは提案します。@第1は、経済と印刷景況が、経済循環の中でどんな位置にあるのか注視し続けてください。状況は変化しますので、経営者は柔軟性を持って確認することです。A第2は、自社製品のライフサイクルと、印刷市場区分セグメントの中での競争状況と、これらが自社にとって「何を」意味するのかを知ることです。B経営者は、製品と付帯サービスに対する価格(料金)を変えること。資材と従業員コストの支払いを変えること。そして、これらの変化が最終損益に及ぼす重要さを理解し、確認することです。C印刷物の機能は、成長性と収益性の重要な決定要素です。次いで、自社の市場分野での競争構造が第2の重要な決定要素です。自社の印刷製品の機能と付帯サービス、そして、自社のビジネスモデルとの関係において戦略と戦術を考えるのです。D最後に「従業員と経営者の姿勢(peopleandattitude)」の重要さを見落としてはいけません。製品のライフサイクルと競争状態印刷産業には一般的なビジネスサイクルを超えてライフサイクルがあります。全般的にみると、印刷産業はライフサイクル上の位置を、これまでの数十年にわたって成長から成熟へ、成熟から衰退へと移動しました。しかしプロセスと製品によって「格差」が生まれました。印刷市場区分と印刷物の機能区分では、パッケージ、ラベルと包装紙、DMは成熟しましたが成長しています。ライフサイクル上の位置を示す単純な鍵は、総印刷出荷額の変化と、製品別売上高の変化を比較することです。自社製品のライフサイクルを調べ、「競争の激しさ」を数値化することです。この作業を実施することがキーポイントであることを忘れないでください。@印刷物の全般的なライフサイクルは、成長期から成熟期へ、もしかすると衰退期に移動しているかもしれません。Aしかしながら、プロセス別、製品別、機能別にライフサイクルを調べた時に、本当の姿が分かるのです。いくつかのプロセス、製品、機能は成熟期、または衰退期にあるにもかかわらず、多くが成長期に留まっていると勘違いしています。Bすべての印刷製品について、競合性について特徴付けることはできますが、「競争の激しさ」については、評価が高かったり、低かったりします。C「ライフサイクル」と「競争の激しさ」の両方で評価すると、印刷産業には多くの機会が残っていることが分かります。D成熟期そして衰退期にある印刷製品でも、パフォーマンスを改善し長期にわたり順調に推移させる経営戦略と技術はあります。価格(料金)売上そしてコストの問題経営計画の作成を支援する便利なツールがあります。それは「利益ボックス」です。最も基本的な原則ですが、収益性を向上させる唯一の方法は、