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29原価コストを下げ(同じ価格・料金で)売り上げを伸ばすか、値上げをするかに絞られます。このことは明白なことですが、しばしば見落とされるのが、収益性を高めるための経路(方法)の相対的な順位です。上位印刷企業の経営指標を分析し、経営指標データベースからシミュレーションしたところ、価格設定力は、同一価格での販売を増加させ、経費削減が切り札であることを示している。同一価格での販売を増加させることは、一般的に給与や材料費などの特定の費用項目を切詰めるよりも多くの利益をもたらします。しかしながら、一般的な企業は価格設定力を持っていません。米国のすべての産業は、価格設定力を持っている産業と、持っていない産業とがありますし、上位印刷企業でも価格設定力を持っている企業と、持っていない企業とがあります。価格設定力は、ユニークな製品あるいはサービスに対し、優れた代替製品がなく、競争もなく、強い需要の結果もたらされたものです。価格設定力は外部あるいは外部要因を巻き込んだ認識から生まれる結果です。それは内部要因あるいはコスト要因(多くの企業が注力している価格モデル)ではないのです。価格設定力を創出する戦術には、以下のことを含んでいます。@工業製品のニッチあるいは顧客のバーチカル・セグメントに特化することです。それは、競争を減らし、そして/または(and/or)価格への影響力を認めてもらえるサービスを提供することです。A顧客のニーズとビジネスモデルについての深く詳細な知識で、コンサルタント(顧問)サービスを提供し、顧客を束縛(顧客の浮気を防止)するのに役立てます。B特化した分野で付加価値サービスを多様化することです。印刷企業は様々な混合(総合)サービスを提供できます。それは顧客が他企業に容易に移籍できないように、出口障壁を構築することになります。C健全で強固な顧客関係性を構築することです。顧客関係性は、win/winのサプライチェーン・マネージメント・システムの出口に至る、幅広い顧客ニーズの理解に基づくものです。D顧客の認識を通して得られる「企業のブランド力」と「潜在能力」を強化することです。評価される項目には、品質の高さ、信頼性、優れたサービス等、特定の品質とサービスについて明確な属性を持っています。E営業員に対し、安値受注よりも高値受注を評価する報奨金制度を開発することです。──一点毎の売上高や付加価値よりも、利益に対して報奨を支払うことです。F効果的な価格設定の代用として、コスト見積りに依存しすぎないことです。価格設定は需要量にけん引されますが、コストによる牽引は少ないのです。しかし企業にとっては明らかに、製品、サービス、作業のコストを知ることは必要です。戦略チェック2013─2014年の計画立案における、もう一つの優先順位は、戦略のチェックです。何年もの間、PIAは印刷産業で統合化された戦略として、特化・多様化戦略の利点について執筆してきました。あなたの会社が、いまだに特化と多様化の両方を強化する計画を持っていないのであれば、今が「その時」です。なぜなら、特化がコストを削減し、多様化が価格(料金)を引き上げ、その結果として利益を持ち上げるのです。経営者が多様化に注力するにつれて、印刷企業の未来への経路が、印刷物の生産から付帯サービスへ、情報伝達の問題解決サービスへ、プリント・マネージメント・サービスへと変化することを、念頭に置いてください。貴方の会社が、現在どの範疇にいようとも、次のステップを目指して考えるべきです。戦略、戦術、印刷物の機能別ビジネスモデルの連携印刷における機能性の重要性については、かねてより、このFlashReportで論述してきました。短期の、そして長期の市場パフォーマンスを決める主要な要素として、機能性は戦略と戦術の設計