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30時に、考慮すべき要件です。物流機能を備えた印刷製品(printproductlogisticsfunction)は成熟していますが、出荷額でみると経済成長と同じくらいのペースで成長を続けています。海外で外注生産されることがない限り、物流用印刷物は、国内で長期にわたり健全な成長を持続するでしょう。さらに、オンライン・マーケティングが進歩し、ビジネス用品の配送が進歩すると(訳注:宅急便制度が発達・普及すると)小売りが「中抜き(disintermediation)」となる脅威があります。この状況が進展すると、理論的にはパッケージとラベル用の「未晒(みざらし)クラフト紙(brownpaper)」の使用が増え、それはパッケージの付加価値を減ずることになります。現時点では物流の分野での大きな変化を予知することはできません。変化はもっと緩やかであるかもしれませんが・・・。「成熟期だが成長中」という産業環境で、鍵となる戦略課題は以下の通りです。@この機能区分は、いまだに成長しているので、現状の顧客から現在の製品とサービスの受注増に注力してください。追加の売上増は、現在の製品とサービスを新規顧客から受注すること(市場占有率の拡大)と、新製品と新サービスを既存顧客と新規顧客の両方から受注することによって、もたらされるのです。A技術革新は、「成熟期だが成長中」の産業を大きく伸ばすことができます。「プロセス(製造と配送)」と「製品とサービス(製品の差別化、新サービスと付帯オプション)」の両方が追従すべきです。B「成熟期だが成長中」の産業における価格(料金)設定力は、コストではなく、需要に注目することで達成できます。C最後に、成長分野であっても、原価管理と生産性向上の重要性は変わりません。情報伝達用の印刷物(informationandcommunicationfunctionofprint)は(名目値と実質値の両方で)衰退産業の典型的な事例で、永年続いた長期低落傾向にあります。年次ペースでみると、経済が特に高いペースで成長した時でも、数年間にわたって売り上げが成長する企業は少数でしょう。しかし、この機能区分のすべての企業が売上減となるのではありません。他社の犠牲において、市場を獲得するいくつかの企業があるからです。売上増への安易な道はありません。衰退産業の売上高を求めて市場占有率を高めるため、積極的な競争をしなくてはなりません。この機能区分の中で、(もしかするとM&Aによって)企業は市場占有率を高め、成長することができます。売上増のもう一つの源泉は、この機能区分の企業で廃業あるいは産業から退去した企業の比率が、全体の売上減の比率を超えた場合です。(印刷産業では、しばしば起こることです。)衰退産業の状態で鍵となる戦略課題は、以下の通りです。@市場占有率ゲームをしてください。それは原価削減と生産性向上を貫いて、衰退市場で売上げリーダーとなるためです。AM&Aによって市場占有率を高めることです。Bますますニッチ印刷企業に徹することです。機能区分の中で、成長あるいは平均以下で下落したニッチを発見することです。C収穫(終戦処理)戦略を受け入れることです。長期間にわたり緩やかに出資の引き上げ、そして企業を解散する戦略です。D会社を清算するか、事業をライバル企業に売却することです。最後の機能区分の販促用(market,promoteandsell)の市場は、前述の2つの機能区分の中間に位置し、遅れて成熟期を迎えたが、まだ下り坂ではありません。販促用として企画された印刷物の出荷額は増加が見込めますが、経済成長よりは低いペースとなるでしょう。この部門の戦略オプションの多くは、物流印刷物と類似しています。@この機能区分では成長すると予測されているので、既存顧客から、既存の製品とサービスの受注増に注力してください。追加の売上増は、既存の製品とサービスを新規顧客から受注する(市場占有率を高める)ことと、新しい製品とサービスを、既存顧客と新規顧客から受注することです。