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31A技術革新は「成熟期だが成長中」の産業を破壊してしまいます。プロセス(製造と配送)と製品あるいはサービス(製品の差別化と新しいサービスと付帯オプション)は継続すべきです。B価格設定力は、「成熟期だが成長中」の産業において目標を達成できます。それは需要に注目することで、製造原価ではありません。従業員と経営者の態度(Peopleandattitude:人々と態度)最後に、事業計画のよりソフトな面を忘れないでください。回復期の事業計画は回復期の軌道にあっても、労働市場は長い間の供給過剰の状態が持続したままでしょう。これまでの3年間にわたる経済危機で、蓄積した失業者と勤労意欲を失った作業者の集団(largepool)を吸収するには、かなりの時間を要します。2012年と2013年の両年は、企業主(経営者)に魅力的な機会を提供します。その機会とは、従業員の人事ランクを引き上げるか、あるいは比較的安い賃金・給料で、能力のある候補者を新しいポジションのスタッフにすることです。さらに、経営者は原価管理を維持すると同時に「一文惜しみの百知らず」(don’tbepennywiseandpoundfoolish)になってはいけません。PIAが教育・訓練経費について給与支給額との割合を調査してみると、上位印刷企業は業界平均企業の約2倍近く出費していることを示しています。とりわけ経営者の積極的な態度が重要であることを覚えておいてください。自社の市場区分、設備状況、顧客基盤あるいはその他の状況がどうであれ、社長の態度と経営管理チームと従業員の集団としての態度が重要です。経営者として、経済と印刷市場の非常に困難な現実から隠れることはできないが、積極思考型の展望が非常に有効です。2012年と2013年、前途に横たわる険しい道を乗り越えるために、経営者として安穏としている経営管理チームと従業員に、積極思考型の態度を実践してください。長期展望──これからの10年間についてPIA予測の再検討印刷に対するPIAの長期展望は、非常に重大な問題が持続していますが、毅然として楽観的です。PIAは、これまでの10年間の傾向に基づき、これからの10年間で実現可能ないくつかのシナリオを創りました。PIAの中位予測(mostlikelyscenario)では、印刷産業の商業印刷・同関連業区分では、次の10年間にわたって、安定ないしは若干の成長となるでしょう。印刷関連メディア業を印刷・同関連業に加えるなら、印刷産業の出荷額は、これからの10年間にわたって減少し続けるでしょう。全印刷産業出荷額に対し49%を占める印刷関連メディア業区分を印刷産業に加えると、全体の出荷額が減少傾向になります。その理由は印刷関連メディア業区分の印刷物の95%は、最も低迷を続ける情報伝達用を含んでいるからです。したがって、次の10年間は年率で約4%の減少と予測しました。印刷物の機能別の予測では、物流(logistics)機能の印刷物はGDPと同程度の伸びで、年率約2.0〜3.0%の増加と予測しました。販促用(market,promote,andsell)の印刷物は、年率で約1.0〜2.0%の増加、情報伝達用(informandcommunication)は、年率で約4.0%の減少傾向にある予測をしました。なお、PIAは本年末には、この長期予測を更新する予定です。販促用と物流用で生き残った印刷企業は、大きな成長を楽しむことができます。その一方で、情報伝達用印刷に特化した事業所や企業は、売上減を経験するでしょう。PIAの10年後の予測値で、全出荷額に対する機能別出荷額の構成比を注視すると、情報伝達用印刷は構成比が低下し、物流用印刷と販促用印刷は成長することを示しています。この分析から重要な示唆は、印刷物と印刷企業には長期にわたって非常にポジティブな未来があるということです。産業環境の変化と必須の事業戦略と戦術に気付いている印刷企業は、非常に明るい未来を持っているのです。