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34■印刷産業の業態変革におけるデジタルプリントの行方は印刷業界の中でもデジタルプリンタの利用が一番早かったのがビジネスフォームの業界だったといえる。ビジネスフォームの機能は発注先企業の業務に直結しているため、印刷物の発注から制作、管理、発送までに関与するケースが多く、そのうえビジネスフォームの内容、形態が頻繁に変わることが多いため、発注先企業の業務改善に追従してシステムを変えなければならない。この結果、需要は固定化されることにもなるが、システム変更にたびたびの投資が必要となるのも事実だった。このことからビジネスフォームの業界は、一般商業印刷がいう「業態変革」への対応を、かなり以前から行なってきていることになる。デジタルプリントで「何をするのか」、その利用方法や技術についても意識は高く、市場変化への先見性もある。今回、印刷業の業態変革とデジタルプリンタの有り様を取り上げるにあたって、日本フォーム印刷工業連合会の山口実専務の協力を得て「印刷産業の業態変革におけるデジタルプリントの行方は」というテーマで寄稿していただいた。(株)印刷之世界社平田繁實WhatTheyThink?から英語版『DisruptingtheFuture(未来を破壊する)』を知ったのは、約2年前、米国の印刷市場を鋭い切り口で書かれている記事がいつも掲載されています『WhatTheyThink』のWebサイトです。ぜひ、日本語版を出して多くの会員に読んでいただきたいと思いましたが、著者のWebb博士との接点がなかなか見つからず、時を経過してしまいました。しかし米国駐在をしていた方が、Webb博士の友人を知っているとの事で、この友人からの紹介でアジア圏での翻訳権が入手でき、翻訳者の山下潤一郎さん、独自のプリントシステムでオンデマンド出版を手掛けられている埼玉県の本庄にあります株式会社プラン会長の大村広司さまの協力をいただいて、やっと念願が叶って昨年6月に自費出版をさせていただいた。日本フォーム印刷工業連合会では理事会を毎月開催し、米国の印刷市場のレポートを報告しておりますが、このレポートのニュースソースとして、WhatTheyThinkのWebサイトの情報を中心として紹介している。3ヶ月毎に発行している会報「フォーム印刷」でも、トピックス欄に一部レポートを公開しているので、日本フォーム印刷工業連合会のホームページの電子ブック版にアクセスして欲しい。今回翻訳出版した『DisruptingtheFuture』の著者のWebb博士とRomano氏は、この『WhatTheyThink』のサイトに多くの記事を書いている。この「未来を破壊する」では、このようなメディアの社会状況を「会社の壁の向こうの世界を見よう」と言い。「顧客とのコミュニケーションの方法を探ろう」と呼びかけ、先ず、「顧客の困っている問題点をともに考える事から取り組んで行こう!」と訴えている。フォーム印刷業界が「事務革新のパイオニア」として進んできたのと同様に、印刷産業は「情報を伝える産業のパイオニア」として進んで行くことが求められています。先ず、外に出て顧客が望んでいる事を聞き、その本質を捉えること。そして、すべてのメディアを熟知して使用して見ること。ジュリア・ロバーツのスリラー映画題名になぞらえて「Sleeping図2図3