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36る。屋内では至近距離から見ることになるので高解像度でないと網点の荒れが目立ってしまう。このような用途に合わせて大判プリンタも1000dpi以上の高解像出力への開発と製品開発が進んできた。また、さまざまな素材に印刷するために印刷面の柔軟性や低臭気や難燃性など機能的要求にも開発を進めている。戦略的なビジネスプランに基づいた「フルカラー大量可変情報印刷トータルシステム」として、2002年2月から(株)増進会出版社ではZ会会員が個別に選択した「受講科目」「添削問題の分量」に応じ、「1人1人異なった教材内容」のフルカラーバリアブルテキストを、9万人という大量のZ会受講者向けに「印刷→製本→発送」までを短期間で生産出荷するオンデマンド出版が行われた。フルカラーデジタルプリンタとしてIndigo社の「Publisher4000」デジタル印刷機を中心として、データベースの構築、出版運用技術などが開発された。(株)増進会出版社ではバリアブルテキスト利用の結果、受講更新率が向上し、投資効果が明確に現れた成功事例として大きな評価を受けたが、システム開発や設備導入には多額な投資も必要であった。このシステムは2003年のオンデマンドアワードに「フルカラー大量可変情報印刷トータルシステム」として大賞を受賞した。海外事例ではあるが“drupa2012”で訪問した企業を紹介する。デンマークのニュー・エラ・パブリケーションズ社は1969年に設立され、2003年から印刷機のデジタル化を検討開始し、2006年にはデジタル印刷機に全面移行し、36言語に翻訳された故L.ロン.ハバード氏の著書を、印刷、仕上げ、製本し、北米を除く世界へ出荷しています。そして、2009年には累計550万部出版しています。現在でも月間500万ページをプリントしており、デンマーク書籍輸出企業で一番になっている。また、Xerox社とHP社からそれぞれプリント数世界記録の生産表彰を受賞しており、世界的に見てもデジタルプリントの生産率が高く評価されています。株式会社ジェーシービーはカスタマー・リレーションシップ・マネージメント戦略の一環として、「カードご利用代金明細書」に同封する会員向け「JCBNEWS」で、お客様の嗜好に沿った掲載情報をカスタマイズすることに取り組みました。2003年11月より九州地域会員向けに「JCBNEWS九州版」を、オンデマンドフルカラープリント技術を活用して、通常の印刷物と比較しても遜色のない高品質カラー印刷によるオンデマントを実現させました。「JCBNEWS九州版」では、業界に先駆けて、お客様個々の「性別」「居住地域」「趣味嗜好」「カードの利用実績」等を考慮し、JCBがそのお客様に最適と思われる情報を個別に掲載致しました。このことにより、お客様が自ら情報を選択し、それにJCBが応えて提供するという双方向関係を構築することが可能となるだけでなく、夏休み時期には旅行情報がたくさん欲しい、年末には飲食店情報を多めに欲しい、というようなタイムリーなニーズに対応できるようになり、九州地区でのJCBカードを使用した売上が向上しました。図8図9図10