■ページ本文テキスト■

38方「仕事量を確保できていない」「ほとんど確保できていない」と回答した企業も多数あり、デジタルプリント事業の難しさを反映している回答結果となっています。今までは印刷市場の狭い範囲を見てきましたが、印刷産業を取り巻く社会情勢をメディアの視点から見たいと思います。90年代までは、私たちが接するメディアといえば、印刷と放送メディアくらいしかなかった。これらは新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、映画、野外広告などだが、1940年代にはメディアに接する時間は、一週間あたり約20時間程度であったが、2000年を境にメディアの種類も、それらに接する時間の量も急速に増えた。そして、今日では一週間に80時間前後、何らかのメディアに接触しています。10年後の2020年ではさらに増加して、一週間に100時間に接近し、睡眠時間を省くと大半の時間を何らかのメディアに接していることになっているしかし、印刷メディアとの接触時間は年々低下すると予測しています。ビジネスフォーム印刷業界の各社はリピート受注率が高く、ある企業は約80%が継続受注を受けている。私は一般印刷においても積極的に、継続受注が見込める市場創りを行なうべきと考え、事例として株式会社ソマード社のネットワークOSの「THE−座」が、リピート受注が行なえる仕組み作りの核になると思っている。今後の印刷産業で「私たちがしたい仕事は?」このような図(図18)で表現できると思う。私たちの産業は、印刷技術を使って、紙に様々なコンテンツ(情報)を乗せてきたが、2000年を境として多くのメディアが登場した現在、様々なコンテンツの需要を掘り起こし、企画から評価まで、あらゆるメディアに対応できるコンテンツビジネスを展開することだと思っている。それにはコンテンツをつなぐ「プラットホームとしての場すなわち座」を取得し、活用することで実現することができると思い、印刷産業向けのネットワークOSの代表事例として「THE−座」を紹介している。先のグラフでは急速に増加したメディアの種類を紹介したが、ここではそのメディアの性質の違いについて見てみたい。印刷メディアは同時性はないが、多量に!遠隔地に!記録を残し!そして、比較的低価格のメディアとして用入れられてきました。文字は世代を超えて情報を残し、グーテンベルグの発明以来、印刷は多くの人々に情報を伝え、宗教改革や社会革命を呼びお越した「情報産業のパイオニア」でもありました。しかしこれは広く情報を伝えるメディアが印刷しかなかった時代の話です。先のグラフでもわかるように、様々なメディアが積層した形で発達し、多くのメディアが台頭している現在、印刷の位置が変化していることは明らかな事実です。図16図17図18図19