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29日本において産業のサービス化はB2B(BusinesstoBusiness:企業間取引)においては相当進んでいて、単なる運送屋さんに引越しを頼むよりも、梱包から室内の配置までやってくれる引越しサービスを使う人が増えた。生鮮や冷凍、小口配送とか手荷物の持ち運びも運送業がサービス拡大をして新たに経済化した部分である。しかしB2Bではコストや効率やいろいろな検討課題があるせいか、他業者に業務の一部をお任せするようなサービスの導入はそれほど進んでいないかもしれない。例えば企業は電話応対業務をコールセンターに出すようになったが、社労士に頼むような総務の業務はまだ社内でやっている場合が多く、BPO(BusinessProcessOutsourcing)が必ずしも一般化はしていない。SaaS(SoftwareasaService)はまだ未開拓であると思う。BPOが難しいのは、最初から業務を丸投げする決断ができないからだろうと思う。引越しサービスも長い期間のサービス開発の積み重ねで今日に至ったわけで、最初はそれほど個人宅に立ち入ったサービスはしていなかったはずだが、利用者側の経験や評価が積み重なるにつれて次なるサービスを増やしていった。このように利用者に学習させるプロセスが伴わないと、サービスの拡大というのは難しいのだろう。つまりサービスの浅い深いというのをメニュー化して、顧客の経験値に応じて選択してもらい、次第にアップグレードしてもらうようなビジネスのやり方が必要だろう。コラム■「デジタルでサービスが深化」結局現状で顧客の懐に食い込んだサービスをしているところは、過去に顧客の信頼をベースに、少しずつサービス拡大をしてきたところであるといえる。それをサポートするシステムとしてCRM(顧客関係管理)とか、事業を発展させるコンセプトとしてカスタマ・エクイティとかがあったが、こういうシステムや考え方を導入する前に、顧客の信頼を厚くするために日常からやっておかなければならないことがあるだろう。その第一は、顧客のビジネスの成り立ちを理解することであり、顧客の抱える問題を知り尽くすことだろう。その中で自社が出来ることを少しずつ引き受けることになる。印刷物の制作なら、原稿作りから印刷仕様の設計の段階からお手伝いができて、在庫管理から追加発注までも引き受ける業者がいる。資材モノなら1年、2年、3年というスパンで単価を決めて任されている。これがWebやモバイルになると、サイト制作だけでなく運用も受注するようになる。つまり注文の受付とかCRM・ダイレクトマーケティングがサイト制作と深く関係しているからだ。こういった顧客の業務そのものがこの場合の単価になるだろう。デジタルメディアに関するビジネスは制作だけに終わらず、サービスを深めるきっかけとして取り組む方向になる。むしろ「制作」はサービスの一部分に過ぎないものになっていくだろう。(一社)メディア事業開発会議代表理事小笠原治一般社団法人日本印刷産業連合会(足立直樹会長)は10月15日、日本製紙連合会(芳賀義雄会長)に印刷用紙・情報用紙の値上げ反対を表明しました。製紙各社は印刷用紙・情報用紙の価格改定に■印刷用紙・情報用紙の値上げについてついて10月21日の出荷分から10%以上の値上げを目指すと発表。製紙各社は今春、印刷用紙で15〜20%の値上げを表明し、7月までに実施されたばかりで、印刷企業の多くは得意先への転嫁ができ