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27そして、『第5の圧力』は、技術革新に基づく「他産業からの競争・脅威」である。「印刷」においてデジタルメディアは、過去10年間にわたって「競合・崩壊」の主因で、「印刷」から市場を奪い続けている。これら『5つの圧力』のほかに、『第6の圧力』がある。それは、経済環境、社会変化、人口動向、教育などの「マクロ環境」だ。これらの『6つの圧力』が印刷市場に対し「プラス」或いは「マイナス」要因となり、混合した牽引力として働いている。何をなすべきか重要な「戦略的・戦術的」な行動戦略を持て!『特化戦略』と『多様化戦略』の2つの重要な戦略を選択することによる収益性は改善する。『特化戦略』には「製品の特化」と「市場の特化」がある。「製品の特化」により、一般的な(何でも屋の)印刷企業よりも高い収益性が得られる。(例えば、ラベル/包装紙、DM、パッケージなど)「市場に特化」とは、顧客の市場区分の垂直市場(バーティカル・ニッチ)に注力することである。(例えば、ホテル/リゾート、自動車販売店など)この「製品の特化」と「市場の特化」の両方をハイブリッドさせた特化戦略を持つことが重要である。『多様化戦略』により、多くの付帯サービスを提供している印刷企業は、印刷のみを提供している印刷企業より高い利益率を示している。多くの場合、印刷製品に付帯するサービス(例えばクリエイティブデザイン、データベース管理、フルフィラメント、製品の在庫管理等)は最終損益を改善している。以上2つの『特化戦略』と『多様化戦略』を選択または統合することによって、コストは低減し、価格設定力を高め、収益性を高めることができる。基本に注力せよ!企業の「収益」は、「売上高」と「コスト」、そして「価格・料金」の「関数」により決定する。他の変数が同一であるなら、「売上増」、「高い価格・料金」、「コストの低減」は「収益」を増加させる。売上を増やせ!価格設定力を獲得するための、数少ない重要な戦術には、以下のようなものがあります。『特化と多様化』:特化には「製品の特化」「市場の特化」があり、両方をハイブリッドさせた特化戦略により、高い売上を達成できる。さらに「多様化」して多くの付帯サービスを提供していることで、より高い収益性を生むことができる。『生産方式の優位性』:デジタル印刷(トナー・インクジェット)方式は、在来型のオフセット印刷よりも大きく成長しており、デジタル印刷と在来型の印刷とのハイブリッド印刷も増加している。『印刷製品とサービスの提供』:Web-to-Printサービス、サイネージ、統合的印刷(Integratedprinting)、フルフィラメント、データベース管理などの「ホット市場」のサービス提供で、印刷企業の利益は向上する。コストを減らせ!コストを減らすには、幾つかの重要な「鍵」がある。・業界指標の基準コストにより管理しなさい。・「売上高/従業員」と「売上高/工場従業員」、「付加価値額/従業員」、「付加価値額/工場従業員」といった生産性指標(基準指標)を使用して、適正な人員配置を実施しなさい。・従業員教育に資本を投下しなさい。上位企業は「企業規模よりも質を高めよう」と、従業員1人当たりの教育訓練に多くの資本を投下している。価格・料金設定力の向上に取り組め!印刷企業は「価格・料金」で熾烈な競争をして