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29日本フォーム印刷工業連合会の市場調査委員会では、「フォーム印刷業界の現状と課題に関する調査報告書」を2013年10月末に発行した。この発刊を記念して11月20日に日本印刷会館大会議室で「今後の印刷産業の行方」をテーマにセミナーを開催し、業界紙にも大きく取上げられ注目された。「市場調査委員会」では2013年7月、正会員123社に対して各社が取り組んでいる「現状の課題」と「今後の事業展開」についてアンケート調査を実施し、70社から回答をいただいた。この調査から、各社の置かれている状況や、今後どのような展開が有効と考えているか等、非常に興味ある傾向を■2013年度版「フォーム印刷業界の現状と課題に関する調査報告書」を発刊見出すことができた。2012年度の売上高は「ほとんど変わらない」が84.1%と回答しているが、経常利益は「ほとんど変わらない」が56.7%(28社)、「増加」が25.4%(17社)、「減少」が17.9%(12社)と回答しており、各社の収益性向上への取り組みが成果を上げていることが見える。売上に影響を与えたプラス要因として「新規開拓が好調」が28.6%、「得意先の業績が上向いた」が18.6%を挙げている。マイナス要因では「価格競争」が68.6%、「得意先の業績不振」が50.0%、「ペーパーレス化」が45.7%と続く。カラープリンターを用いた市場については、「拡大していく」と(株)はB2版枚葉UVインクジェット印刷機を共同開発しており、2014年には市場に登場する。これらの関係から明らかなことは、オフセット印刷機メーカーは、デジタル技術が引き続きオフセット印刷のシェアを取り続け、彼らがこのゲームに参加せねばならない、と強く感じていることだ。電子写真方式のメーカーで産業向けプリンター設備を持たない(株)リコーとコニカミノルタ(株)は、ハイデルベルグ社と(株)小森コーポレーションとのパートナーシップにより、商業印刷市場での販売とブランド構築の機会と捉えている。商業印刷市場において彼らのブランド認知は限定的だ。オフセット印刷機メーカーはこの方法で素早くデジタルの販売に参入し、小ロット対応を必要とする顧客にデジタル印刷機を提供しようとしている。また、各社はインクジェット技術が破壊的な技術として、オフセット印刷からデジタル印刷への移行が進行すると思っている。(ラベル印刷の場合は、フレキソ印刷からデジタル印刷へ移行)。オフセット印刷機メーカーがインクジェット技術を獲得するのに加えて、デジタル印刷機メーカーも新しい動きを見せている。ゼロックス社(米国)がImpikaのピエゾのインクジェット技術を獲得するためにImpika社を買収した。富士フィルム(株)はFFEI社のラベル用インクジェット機を販売している。遅々としているが、確実に、プリント媒体の問題、画像品質、コスト、スピードとも改善されている。同時に電子写真方式の技術、特にHPIndigo、Oce社(キヤノン(株))、Xeikon社が取り組んでいる液体トナー方式のデジタル印刷機は、より大判に、より高速に、そして、ランニングコストの低減で、新たに市場に食い込んでいる。この技術は既存のオフセット印刷の様な品質で、幅広いコート系媒体に印刷できることで、インクジェット方式に対して優位にある。各社が大急ぎで良い市場を選択しようとしているように思える。しかし、の選択は容易だが、勝てる商品を開発し、強く効率のよい販売網に乗せていくのは容易ではない。パートナーシップを追いかけるのであれば、鉛筆をお忘れなく!PODijapan掲載サイト(2013年11月7日)http://www.blog.podi.org/get-out-your-scorecard-fujifilm-and-heidelberg-announce-partnership