■ページ本文テキスト■

8得意先ともに業績回復の兆しが見える結果となっている。多くの印刷業界が取り組みを初めているBPOやプロモーション関連分野は魅力的に見えるものの、そこには今までとは違う、異業種の競合相手がひしめいている。ITベンダーやコールセンター事業者、派遣事業者、物流関係企業、広告代理店などを相手に、異なるフィールドで、異なる競い方をしなければならない。新たなフィールドで勝負するには、得意先の求める本質的な価値やニーズ、そして、問題を捕え、解決策を提案するソリューション能力が不可欠となる。そこで、求める営業力として「企画提案力・ソリューション能力」を挙げた企業は8割を超えた。強化したい部門では「技術・開発」が落ち込む一方で「営業」が圧倒的に多い。「製造業としてのモノづくりの力」よりも、「営業力、ソリューション能力」を求める声が高まっている。さらに、国際基準に基づいた統一した品質基準を構築する働きの一つとして、既に調査結果では回答の約半数の企業が取り組まれているISOについて、業界全体として活動をする動きも出てきた。この結果を踏まえて、今後来るであろう景気回復の波に乗って、「デジタル活用の新事業と新領域ビジネス」に取り組み、数々の課題を乗り越えて、業態の変革を果たしつつ躍進することを期待したい。・環境委員会の共催によるセミナー「今後の印刷産業の行方は!市場調査報告書を読み解く!」を11月20日、日本印刷会館において開催した。「フォーム印刷業界の現状と課題に関する調査報告書」の発刊を担当した市場調査委員の越智章氏が同報告書の内容について「売上高では減少にやや歯止めがかかり、収益性の向上が見えてきた。売上へのプラス要因として『新規開拓』『既存分野における取引先の業績向上』『DPSに付帯するBPOの受託増加』などを挙げている。多くの会員企業が今一番求めている事項は、「営業力のアップ」であり、「従来の延長線上ではなく、新しい市場を生み出す真の業態変革が求められている」と報告した。日本印刷技術協会(JAGAT)研究調査部部長の郡司秀明氏は、社会の変革と印刷ニーズの変化について、「カラー化・低価格化・短納期化・内製化・小ロット化・デジタル化」を上げ、大阪の中堅印刷会社が取り組んでいる「オフセット印刷でも最小の発注単位を50部に引き下げ、小ロットカタログに対応している。自治体によって補助率が異なり、金額表示が違う50部単位の介護カタログも、地域を多く集めると2,000部以上になる。これをギャンギング印刷で解決している」と報告した。(株)フォーム印刷研究会社長の戸矢雅道氏は、「ビジネスフォームは制度改正などの環境変化により商品が変化していく点に敏感で、DPS、BPOなどの周辺ビジネスを取り込んで拡大していく」と今後の可能性について語った。◇技術委員会・技術委員会では7月23日、日本印刷会館において、(株)ポーラ・メソッド、ピツニーボウズジャパン(株)、(株)モリサワの3社から「デジタル印刷設備を稼働させるための技術セミナー」をテーマに、デジタルのハードを動かすソフトウェアの重要性について講演した。それは昨年度発行した「フォーム印刷業界の現状と課題に関する調査報告書」で、回答企業の約1/2が産業用カラ―プリンタ機を導入しているが、約1/3の企業から「その導入設備を上手く活用できない」との回答をいただいたためであ