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29注から出荷に至る工程で、価値の付加は平均してたったの9%にすぎませんでした。そこで、Gembaに存在する8つのムダを排除し、あるいは絶え間なく削減した結果、準備時間とコストが大きく減りました。その一方で、顧客に納品する製品の品質が改善されました。Gembaがどうなっているのかを知ることは、改善の機会を理解するための第1歩です。印刷企業のGembaはどこであろうとも、製品に価値を付加する場所ですが、作業場が注目されます。Gembaを歩くことの目的は、価値を生み出す場所の現状把握であり、価値についての話し合いができるようになるためです。私たち(コンサルタント)が、現状を十分に理解すればするほど、より一層実り豊かな話し合いになり、情報提供の場にもなります。私は「入稿」の場所からGembaを歩き始め、時間計測をスタートさせます。Gembaを歩くために、守るべき3つのガイドラインがあります。[ガイドライン1]現場に行き、観察せよ(GoandSee)会議室やオフィスに座ってエクセルの実績表を見ても、Gembaの実際の状況を正しく把握することはできません。物理的に体をGembaに移動させ、何が起こっているのかを観察する必要があります。その目的は、事実を集めることであり、Gembaの作業者とプロセスを理解することです。@突発事故の実際は何があったのか、勘を働かせてください。突発事故の原因を追究する努力をしてください。価値を付加する全工程がスムーズな流れであることを心掛けてください。Aなぜ、あなたが計画したプロセスと違っているのかを理解するよう努めてください。何が、作業を混乱させているのですか?どこで、障害が発生しているのですか?そして、どうすれば障害を阻止できるのですか?B企画を撤回するか、作り直してください。モノは実際に必要な場所にありますか?作業者は見廻してモノを探さねばなりません。C作業者は、「何を、どうすべきか」という目的を知っていますか?その情報源は何ですか?情報は容易に利用することができますか?また、探し求めることができますか?あるいは推測する必要がありますか?「正しい方法」で処理されていますか?そして、監査員も明確に理解していますか?D時間通りに進行しているかどうかを、どのようにして貴方は知りますか?E仕事の速度を決めてありますか?あなたは仕事の進行が時間通りであるかどうかを、どのようにして知りますか?F従業員はどのような方法で問題点を発見していますか?そこには支援するシステムがありますか?問題に直面したときにどうしますか?Gあなたの仕事は「問題」を放置しないことであり、従業員に問題の「発見」と「解決する方法」を教えることです。H「8つのムダを探せ」。なぜなら至る所に無駄があるからだ。[ガイドライン2]尋ねよ(AskQuestion)優れた「観察力」を持つあなたが、Gembaにいるときには、いつも何が起こったのかを明らかにし、正しく理解するため、様々な情報を必要とするでしょう。それはGembaの従業員に尋ねることです。最も優れた質問は、自由形式の質問です。従業員からはより多くの情報の提供