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13ネスフォームから請求明細等の印刷へと変えてきた。といっても同製品はデジタル化によって、メール配信や、インターネットにより、減少傾向にあり、デジタル関係のサービスと、電子ドキュメントなどのビジネスも手がけている。こちらの分野は伸びている」と説明した。「当社はVISAで有名な大手金融会社ICSと、オランダの大手保険会社のネーデルランデン社の両社が2大顧客だが、ネーデルランデン社は2013年より当社に外部委託を行い、すべてのデジタルプリントと電子配信サービスを当社で行なっている。オランダでは、銀行、保険会社が内部で印刷していた請求書を、当社のような印刷会社に外部委託を行う市場トレンドが強まっている。このように、オフセットからデジタルへ向かう産業向けデジタル印刷の流れがある一方、インターネットやメール配信によるなどデジタルメディアへのトレンドもあるのが現状だ」とオランダでの状況も含めて説明された。さらに、「情報の環境は変化しており、常に情報があらゆるところに存在するようになった。インタラクティブ・ドキュメントなどデジタル分野はますます重要になっており、より力を入れていきたい」と語っている。パネルディスカッションでは、ツアー参加者からイセトーの和田英久氏、トッパン・フォームズの植田美里氏と浜田尊之氏、岩岡印刷工業の岩岡正哲氏が発表した。和田氏は、デジタルがオフセットに代わる基盤になりつつあるとした上で、「オフセットと違う最大の強みは、インラインでさまざまなバリアブル出力物ができること。デジタルの利点を生かして効率を高めていけば、デジタル基盤で大きな革命が起きる」と期待している。植田氏は、ICT等の専門事業部に長年所属していた経験から、スイスのスーパーマーケットで見た一般的なハンディ端末を使ったセルフチェックアウト方式を紹介。セルフレジの日本での普及は難しいとしながらも、スマートフォンを利用した新たな事業展開のヒントを得ていた。浜田氏は、今回の展示会では製造現場で使えるレベルのバリアブル加工機が出てきたとしたうえで、工場担当者の立場から、バリアブル加工機を工場内で活用した場合の運用例などを紹介した。岩岡氏は、“Innovationdays2015”について、デジタルかオフセットかは議論の対象ではなく、インク・オン・ペーパーの可能性を追求した展示会だったと指摘。印刷分野の出展企業8社のうち5社が日本企業であり、デジタル印刷分野では国内より国外で存在感を示していること、専用ラインから少し選択の幅が広がれば印に移転、ビジネスフォームの会社として事業展開してきた。もともとは帳票関係を主体としており、書類・文章、請求書、証券、証書などの仕事などを手がけてきたが、近年では大手保険会社からの外部委託ビジネスも受注している。また、ペーパーメディアに限らずweb、Eメール、文章メッセージなど、電子メディアにも積極的に展開し、今や印刷分野以外の売上げが50%を超えるほどになっている。そのため、データの出力だけでなく、逆に顧客から多量のデータが同社のサーバールームに入ってくる。当然ながら情報セキュリティが非常に重要な経営ファクターになっており、IS027001を取得しているのもその表れである。今回の訪問の案内をしていただいたコマーシャル・ディレクターのエドワード・セイルミンク氏は、「現在、最も重要なのは情報セキュリティである。情報漏洩を一番恐れており、数年前に情報セキュリティマネージャーを任命した。そして、単に当社が情報保識を行うだけでなく、顧客を招いて情報管理プロセスを監査してもらっている。これにより当社の経験だけによらず、顧客の経験も活かした情報管理が可能となった。われわれは顧客のデータを100%管理しなければならない」と同社の取り組みを語る。実際、事前にメンバーリストを提供していた視察団が訪問した際も、本人確認のため、あらためてパスポート番号などの記入を求められるなど、情報管理に非常に神経を注いでいる。さらに同氏は、「ここ数年かけてビジネスの力点をビジTopicsRotaform社Rotaform社セイルミンク氏