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ただいまご紹介をいただきましたジーエーシティ(株)の細井です。
本日は、「フォーム印刷におけるフルカラー化の実践」ということでお話しさせていただきます。内容は四つのセクションでまとめさせていただきます。
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まず最初に油性とUVの違いについてということと、あとはCTP化の現状について、3番目に今日のメインであります、フルカラー印刷の管理要素についてということで「カラーマネジメントの重要性」、最後に、レジュメにはないのですが、最近の技術トレンドとして6、7色印刷ということがありますので、そのへんの情報を皆さんのほうにご提供させていただければと思っております。
レジュメに沿って進めさせていただきます。
まずインキです。UVとAF(アロマフリー)の一番大きな違いについては油性インキというのは樹脂と油との組み合わせで、あとは色剤である顔料がこのような比率(AFインキ:顔料10〜30%、樹脂30〜40%、油分40〜50%、補助剤0〜5%等)で入っています。 |
それがUVもしくはちょっと話題になりましたハイブリッドインキでは、樹脂に比べて分子量の低いアクリル酸のオリゴマーが油の代わりの役割を果たしているところが大きな違いです。
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一般的には、アクリル酸オリゴマーと補助剤のところに、光重合開始剤というものが入っています。この物質が非常に薬品的な性質を持ちますので、版やローラーに対して非常に厳しい条件を与えているというのがUVと油性の違いです。
UVインキの硬化モデルですが、先ほどお話ししましたように、プレポリマーというものとアクリル酸オリゴマーと、光重合開始剤のミックスされ切れていた分子どうしがUVの光を与えることによって手をつないで最終的に高分子化になって固まっていくということで、瞬間的に乾くという特徴を持っております。
それに対して油性インキは、基本的には植物油のところがまだ酸素を持たない状態で存在しています(液体)。 |
印刷後に、空気中の酸素と反応して、酸素を仲介して手をつなぎ固まっていきますので、インキを乾かすまでに非常に多くの時間を要するというモデルになっております。
あと、参考までにいわゆるオフセット輪転のほうのインキです。これは、基本的には酸化重合ではあるのですが、印刷したあとに熱風の乾燥ゾーンを通します。そこにある程度入っている溶剤分等を蒸発させまして、強制的にある程度酸化を促進していく形になっております。
もう一方、新聞用ですとか、オフ輪のノンヒートセットと呼ばれているインキですが、これは紙のなかにインキのある程度流動的な部分をどんどん浸透させていきまして、インキ状の硬さを軟らかいものから硬いものに変えていくという機能を持っています。あわせて最終的には酸化することによってインキを固めていきます。
ざっくりいいますと基本的にはインキの組成と乾燥のメカニズムがUVと油性ではまったく異なります。
印刷機においては当然乾燥装置の違いというものがあります。一般の枚葉の印刷機になりますと特に乾燥するための装置はついていません。オフセット輪転ヒートセットのほうは乾燥機がついています。
次に、UVのオリゴマーのところと光重合開始剤は、印刷機に対して耐薬品性が厳しいということで当然ローラーの材質が違います。非常に侵食性が高いので、UV印刷の場合には必ずUV専用のローラーが必要になります。これはコスト的にも一般のローラーに比べて若干高価になります。
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そのほか版の特性が変わってきます。版の特性的要素としては当然、薬品的なインキが版上に乗りますのでどうしてもそれによって版そのものも画像の部分が侵されるというようなところがあり、それに対する版の特性が求められます。 各種ローラーの洗浄剤や版の洗浄剤なども耐薬品性を考慮したものをUVの場合は使われますので、それに対するダメージが一般の油性のものよりは強くなります。
当然こういうような環境になりますので、印刷機に対するコントロールというのが油性に比べると若干シビアになってきます。
このあと知識様がお話しされるところに通じるのですが、印刷側の標準化ということが非常に重要なファクターになります。 |
フォーム業界に目を向けますと、CTP化が一般の商印とか出版に比べますと遅れているというお話をよく聞きます。今、実際にどれくらいの形で日本国内の印刷産業のなかでCTP化が進んでいるかということです。
昨年(2004年)のすべての業種をあわせたところのCTPの出荷台数が、年間で約620 台。メーカーは大日本スクリーン製が圧倒的に多く、その次にCREO製というようなところです。日本全国のCTPの稼動台数は約2,451 台。これは昨年時点での話です。
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今年(2005年)は、だいたい予想的には昨年と同じ620 台プラスアルファで推移するだろうというような形で予測されております。
その内訳は、いわゆる8Pアップ菊全クラスの大きさのCTPが1,642 台。あとは菊半サイズのCTPが約800 台というような内訳になっております。
今の予想では、2005〜2007年でほぼ横ばいで推移するだろうという予測が立っているのが実情です。
では、実際CTP化率をどこでとらえているかというと、台数ではなく版の出荷量からとらえる。その数値が右のグラフにあります。
これが版の出荷量のボリュームです。版からみていきますと、今、印刷業界のCTP化率は全国平均で約41%。九州など地方のほうが、CTP化の進行が非常に速い状 |
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況にありまして、一番遅れているのが関東ということで32%です。
これは全体の数字で、フォーム業界の数字はちょっと拾い切れなかったのですが、フォーム業界においては、明らかにこれを下回る数値というのが現状であると考えております。 |
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「CTP化が遅れた」という表現が適切かどうかわからないのですが、なかなかCTP化が進まなかったと考えられる理由をいいますと、一つはUVインキ、特定の耐薬品性を持たなければいけないというようなことで、やはり耐刷力の問題がCTP化が始まってなかなか追随できなかったというところがあります。これが現状の大きな問題だろうと思います。
もう一つは、版数の多さです。これはフォーム印刷の構造にもよるのですが、フレキシブルにいろいろなサイズの版を扱えるということで、定形サイズの版を4種類だったら4種類しか使えない、というようなところがあるかと思います。
3番目に、在版フィルムというものが非常に多いというよ |
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うなことがありまして、なかなか置換が進まなかったという側面があります。
あとは版のエッジ部の露光制限というのがあります。通常CTPでは版のエッジの何ミリに露光不可能というようなエリアが出てきます。フォーム印刷の特殊な面付けに版が対応できなかったということで、従来のネガ版対応というようなことでやらざるをえなかった環境があるかと思います。
一方 フォーム業界の現状に目を移しますと、当然、帳票類が電子化されておりまして、ペーパーによる印刷が減少傾向にあるというのも事実かと思います。
したがって将来の方向性から、フルカラーの印刷を取り込んでいく必要があります。
今、商業のほうでも昨年あたりをみていきますと、導入されている印刷機の約半分が両面機です。というのは何を求めているかといいますと、生産性を求めているわけです。しかし、従来の油性インキを使っていますと、両面で速く刷り上がっても、後工程にいくまでに半日とか1日、乾燥させる時間を置かなければいけないということで、印刷そのもののスピードは上がっても、後工程の流しでどうしても時間がかかってしまうというようなことがあります。
そこで 後加工性や短納期といったUVの利点を生かしたUVインキによるフルカラー印刷の取り組みが、今後大きな重要な課題になってくるのだろうなと、予測しております。
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ここからフルカラー印刷を行うときの本題ですが、ではどういう形でやっていかなければいけないのかというところになるかと思います。
昨今、カラーマネジメントという言葉をよく耳にするかと思いますが、定義ではないのですが、「いつ、どこで、どの設備で、だれが印刷しても、同じ品質が得られる環境をつくる」ということがカラーマネジメントの持つ意味になります。
「いつ」というのは、当然、再版のときも印刷品質が異ならない。
「どこで」ということは、1号機でも、2号機でも、あるいは異なる工場でも、というような形です。
「設備」においては、オフ輪、枚葉、DDCP、インクジェッ |
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ト、平台というようにいろいろな設備を使って、色校正と一致している状況をつくる。
「誰でも」というところは、当然、ベテランのオペレーターから、入社1年、2年の若いオペレーターも、どなたが印刷しても同じような仕上がりをつくることができる。
このような環境をつくって色の工程管理をしていくことと定義づけられる。このことはフルカラー印刷においては非常に重要な項目になっています。 |
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なぜカラーマネジメントということが昨今いわれているのかということをいいますと、アナログ時代というのは変動する要因が非常に多かったわけです。
例えばスキャナー分解が難しいというようなところから、フィルムの反転ということが入りますと、網点変動を起こす原因になります。また、PS版の網点が露光で変動する。例えば、今、焼枠などを使われていますと、同じ平網を露光しますと中心部分とエッジの部分では若干網点の変動があります。
一方 平台色校正の品質が安定しているかというと、非常に不安定な状態です。
平台色校正で午前中とほぼ同じものを出すとなると、たぶん午後には同じようなものが出来上がらないといっ |
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たような状況が現状です。そういう平台色校正を基準にして印刷している工程が変動要因です。
さらに、印刷機の精度が不十分。そういうようなところがアナログ時代の変動要因として考えられると思います。 |
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そういうなかで、フルカラー4色のよい印刷物はどういうものかというところが一つ大きなポイントになるかと思います。
考え方は二つあると思います。一つは、適正な濃度下においてグレーバランスが非常に良好な状態。
具体的には、1)ベタ濃度のバランスが4色で非常によい状態である。あとは2)グレーバランスが良好。これは後ほどお見せしますが、ドットゲインと呼ばれる網点の太り方が、C、M、Yの3色で2%以内くらいにあると非常にグレーバランスが良くなります。
もう一つは、当然のことながら、クライアントの要望を反映する印刷物です。結果として1)と2)がイコールになり、非常にバランスのいい状態を好むクライアント様。もう |
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一つは、クライアントの要望によりバランスを崩している印刷物もあります。
ただし、クライアントの要望を反映させた特徴ある印刷物を出すのにも、一つ基準になる標準的な印刷物が絶対的に必要になってきます。 |
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これまでフォーム印刷では、4色やられている方も多いかと思うのですが、単色、2色といっていたところの印刷であれば、ベタ濃度と網点がある程度管理できていれば十分印刷物として成り立っていました。
しかし、フルカラーになりますといろいろな要素が入ってまいります。管理していかなければいけない要素が多彩になってきます。
まずざっとあげて、7つくらいが非常に重要なところになるかと思います。
まず1番目は、ベタ濃度。印刷の幅方向の濃度の安定性です。これは現状の印刷でも同じことがいえます。
2番目に、印刷の咥と咥尻側での濃度差。
3番目に、トーンリプロダクション・ドットゲインカーブの |
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状態がどういうふうになっているか。
4番目に、K値。いわゆる網点コントラスト・シャドーの再現性がどのような形になっているか。
5番目に、グレーバランス。
6番目に、先刷りのインキ上に乗る、次の色のインキの乗り方をあらわすトラッピング。7番目に、それとあわせて、いわゆる色としてどういうものになるかという色相(カラーガモット)、いわゆる色域です。
こういうものがいろいろ絡んだ形で4色の場合には管理をしていかなければいけないということになります。
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まず、フルカラーをやるためには、先ほどいいました管理的な要素というものが、今、皆さま方の会社の印刷機でどういうような再現がされているかということを十分に把握していく必要があります。
例えばトーンを測るようなチャートや、面内変動を見るためのベタのチャート、グレーを見るためのチャート、目視的に絵柄を判断するためのチャート、デジタルプルーフのICCプロファイルというものを作るためのチャート、こういうようなものを全部盛り込んだ基準をとるためのチャートが必ず、各会社で必要になってくるかと思います。
まずは このチャートを刷ってみて、この状態から一番適切な4色フルカラーの条件を探していく、というような手順になるかと思います。
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まず、面内変動です。こういうようなチャートが印刷物の幅方向に入るといったときに、基準の濃度に対し印刷の幅方向に印刷変動があるか、フラットな形できているか、というようなところが一つ。これを4色で管理するということです。
当然のことながら問題がある場合は色のバランスが崩れてくるというような形になります。
次にトーンチャートです。C、M、Y、Kの単色と、R、G、B、二次色のかけあわせ、3色のグレーを見る掛け合わせ、さらに単純に3色を掛け合わせるチャート。こういうようなものを入れて、刷られたときの印刷の色というものがどのように再現されているのか、ということをチェックする必要があります。 |
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(以下次号) |
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