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 技術セミナー
   「フォーム業界から見たdrupa2008」 リポート
 4.「プリンタ、デジタルプレスと組み合わせた加工技術」
  トッパン・フォームズ株式会社   渡辺 弘 氏
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トッパン・フォームズの渡辺です。私のほうは、プリンタとか後刷りというようなハードウエアではなく、データプリントサービスとかオンデマンドサービス等を行う上で必要なソフトウエアシステムについて調べてきたこと、見てきたことをお話ししたいと思います。
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目次として5項目あげさせていただいています。  
「ドキュメント生成ツール」というカテゴリーのソフトウエアを中心に見て来ました。言わばプリンタにこの印字をしてくれ、この印字データを打てという指示をする、その印字データを作るという仕掛けの事を「ドキュメント生成」と呼んでいます。
どういう位置付けかと言うと、「プリンタ、データが無ければ、ただの箱」と言う事で、どういうプリントのデータを作りたいのか、どう作るのか、と言った仕掛けがこのツールです。この辺の「ツールの動向」については、アサイネーション的には色々な分野にこのツールを使っていくという流れが定着してきたと
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いうお話をさせていただきます。  
それから我々フォーム中心の会社から見ると、既存の印刷のワークフローからバリアブルプリントをする流れが出来つつある、と言うお話をさせていただきます。  
その他に、Web to Print の仕掛け、その他、特徴的な仕掛けのご紹介をして、所感という事でまとめを申し上げさせていただきます。  
本項の結論では、フォーム会社の競合先は印刷会社になるかもしれませんという結論を申し上げます。
<ドキュメント生成ツールとは>
ドキュメント生成ツールとは何かという事です。おさらいですが、お客さまからデータを預かります、それをデータ編集して、プリンタへのデータを生成する、それをプリンタにかけて紙に吐き出す。それを封入封緘等の加工を行って製品として先頭カスタマーのほうに配送する。これが一般的な流れです。その時のプリントデータを生成する部分の仕掛けのことを「ドキュメント生成ツール」と呼んでいます。  
多くの会社さんで、その辺のツールを採用されていると思うのですが、その辺のツールのメリットは、プログラムがいらな
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い。今までメインフレームやパソコンでプリントデータを作るために一生懸命プログラム開発を行ってきていますが、このツールは、プログラムが無くてもこのプリントデータを作ることが出来ます。ですから高い生産性を維持する事が出来る。
それから、私達の業界も短納期では難しいですが、短納期化を図ることが出来て、ひいては開発コストの削減に有用だという事です。
<ツールの特徴>
ツールの特徴は、これも釈迦に説法のところもありますが、色々な表現をしなければいけない。この紙を見る人は、わかりやすく理解したい、もしくはこの紙を発行する側は見る人に理解して貰いたい、わかりやすいものを提供したいといったニーズが最近、特に多いと思います。その辺の表現力を付ける事が得意技です。  
それから内部でのデータ編集が出来るとか、パーソナルのグラフを作るとか、イメージ処理等、表現力が高い。  
バリアブルの体裁が、一人ずつ違う体裁が出来ます。ある人
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は1ページかもしれませんが、ある人は裏面で2ページとか3ページとか、そういう事でバリアブルページ、バリアブル項目といったところの表現が出来ます。最終的にはページ数を減らす、紙の枚数を減らす、そういった用途でも使えます。  
それから色々なプリントデータを吐き出すことが出来るので、ゼロックスさんのプリンタでもどこのプリンタでも、プリントデータを生成できるという特徴があります。
<ドキュメント生成ツール動向>
それを押さえて申し上げられることは、双方向ドキュメント・コミュニケーションということです。これは後で細かく申し上げたいと思います。  
つまり、一方向でただ「紙に打ち出してお客さまに渡しました」ではもう無いでしょうというところです。  
それから、ドキュメントを生成します。例えば、「鈴木さんにはこのコンテンツで何月に配信しました」、そうする事によって「鈴木さんからはこういうレスポンスがありました」、もしくは、もっとアサイネーション的には、10万人に送った時に、一番レ
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スポンスがいいという事を分析をしたいというニーズがあります。その時に「ドキュメントを作りました。鈴木さんはこういったドキュメントでした」と言う漢字情報を活用するとか、その時に作ったステイタス情報を活用するとか、レポート、そういうものを活用できる道具が増えてきました。  
単に紙に打ち出して「出しました」ではなくて、その後どういう反応があったのかと言う事をトレースできるような仕掛けがこのツールでだんだん充実してくるという事です。  
それから「アドイン機能」という呼び方をしていますが、単機能でドキュメント生成をしますが、そうではなくて、あれもこれも、こういった事も、そういった事もと言う事で、アドインという手法を使って色々なことが出来る。総合ツールへ変化していると思います。  
これは、プリントデータ生成には不可欠なツールになって定着しつつあるのかなと感じます。数年前であれば日本語化も出来ていない状態でしたが、数社さんから日本語の対応版が出ています。その辺のツールを使って、先ほどの開発コストの削減とか、表現力に富むドキュメントのデザインが出来るとか、そういうところが定着しつつあると感じました。  
それからプリンタ会社の独自のツールとして、「自分の所のプリンタを新たに開発しました。そのプリンタを最大限に活用するためには自分の所のツールを使っていただければ一番効率のよい使い方が出来ますよ」というふうな道具も出てきていると感じます。コダックさん、スクリーンさんなどの事例があります。  
それから系列化の進行ということです。プリンタ会社、加工機の会社さんがこの辺のツールを作る会社を傘下におさめて、データ生成からプリント加工といったところをトータルで囲い込んでいこうという戦略を見て取る事が出来ます。  
たとえばHPさんであれば、Exstream社を買収しまして、DIALOGUEというツールを傘下に収めました。日本では兼松さんが代理店をやられておりますが、HPさんがこのツールを自分の所に一つの上流ツールとして囲い込んでいます。  
それからピッツニーボウズさんがGroupOneという会社を自分の傘下に収めて、このDOC1というツールを自分の所のドキュメントソリューションの中核として生かしていくような戦略を立てていらっしゃいます。これは後でご説明申し上げます。
それからゼロックスさんがXMPie という会社を傘下に収めて、uDirect といったツールを自分のところの仕掛けとして使っていくという事です。
キーワードとすれば、ドキュメント生成のツールが周辺のアプリケーションに繋がる、使い方が多様化している、といったところを申し上げておきたいと思います。  
双方向といった時には、電子ドキュメント、紙では無いでしょう、電子物として結果的にお客さまのチャンネルに見合った送り方をすると云うのが紙以外のドキュメントの重要性になるわけですが、電子になったドキュメントのWeb配信が容易に行えるようになるという事です。  
それからWebを使って設計の承認を行ったり、試し刷り、プルーフィングを行ったりするという仕掛けも繋がって来ていま
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す。  
共同作業環境(開発環境)は、社内の複数の部署で共同作業が出来るとか、社外の関連の部署と相談したり、お客さまの設計部隊とコラボレーションして、イーコムツールを使ってドキュメントの設計が出来ると云うアプローチもあります。  
それからキャンペーンマネジメント。これも2、3年前くらいから出てきた概念ですが、先ほど申し上げたように、ドキュメントを生成する際に作られたレポートの内容を使って紙を出しました、配信しました、その結果その商品のキャンペーンはどうだったのかというアクセス分析、それからコンテンツの管理、効果の測定といったところと繋がってきているという事です。  
それから仕分け・整備の機能として、コンソリデーションがこれから求められるアプリケーションになると思うのですが、一人の人間にAという明細と、Bという請求書と、Cというドキュメントを送りたい、この人には請求書だけで結構といった時に、複数のアプリケーションを一つの封筒の中に入れてデリバリーするというコンソリデーションが、こういったツールではやり易くなるという事です。  
あとは、お客さまには直接見えませんが、バリアブルデータがあるとか、PODの個人情報であるとか、ご案内のとおり日本ではかなり厳しい目でみられておりますので、品質管理、セキュリティ等の確保といったところの仕掛けと連携をして、ドキュメント生成ツールが使える。そういう傾向があります。
<ドキュメント生成ツールの応用広がり>  
次が、ドキュメント生成ツールの応用広がりという事で、ピッツニーボウズ社の事例です。左側にお客さまから預かるデータがあって、右側がWebで見せる。そして下側で封入封緘等を行って紙としてお客さまに渡すという流れがありますが、ドキュメント・コンポジションに相当する所で作られたプリントデータや各種の情報がキャンペーンマネジメントで生かされたり、Webの配信、電子ドキュメントの配信で生かされたり、社内ではドキュメントのワークフローの中で、生産管理、ジョブの進捗管理、それから品質管理、品質保証で生かされるという事です。
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<印刷ワークフローシステムの変容>  
次の視点は、印刷ワークフローの仕掛けという事です。印刷会社にワークフローを提供していた会社さんが、ワークフローのシステムがちょっと変わってきているのではないかというサジェスチョンです。  
たとえばKodak Unified Workflowと言うソリューションがあります。私は実際この仕掛けは知らないのですが、印刷会社では有名な仕掛けだと思っています。フォーム会社でバリアブルデータばかりをやってきた私とすると、なかなか印刷会社のワークフローは馴染みが無いのですが、こういうものが
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あるそうです。
それがどう進化しているかと言うと、同じワークフローで版下という作成と、バリアブルのデータ印字に持っていくジョブを同じフローで出来ますと言ううたい方をしています。そういう事によって複数のデバイス (プリンタやプレス等) の一貫性のあるカラー管理ができて便利ですと言ううたい方です。
それから生産工程の業務を自動化する。これはもともとあった仕掛けだと思います。それからパーソナライズが出来ます。これはVDPのジョブを処理をすると言う事とニアリーですが、パーソナライズドURLを作ったり、電子メールでバリアブルデータの発信、Web to Print との連携をInSiteというソフトで出来ますと言ううたい方です。
Prinergy5.0 でワークフローがVDPと固定プレスとシームレスになりました、InSiteで外に配信するものが、電子物のバリアブルが出来ます、と言ううたい方です。  
それから大日本スクリーンさんでも、TrueFlow SE “EQUIOS”という中で、従来のオフセット印刷のワークフローとPODのワークフローの両方とも一つの仕掛けで出来ます、と言ううたい方です。
<ワークフローシステム例>  
ワークフローシステム例として、コダックさんのUnified Workflow Solutionsです。これがVIPという画像処理、その辺の中核になって、それに対して、旧来のオフセット印刷に版として回して固定印刷を供することは当然できます。ほかにPODで、彼らの中ではNexPressを常時付けていますが、デジタル印刷機の方にそのまま渡すことが出来る。これはバリアブルです。  
それから、“近い将来”という形になると思いますが、Versamark を乗せて可変印刷のデジタルプリントソリューシ
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ョンの方にこの中核から持っていくことも出来ます、と言ううたい方です。
<その他のシステム>  
その他の仕掛けで、ちょっと離れますが、Web to Print の中でやはり目立つのは、iWayです。プレスセンス(Press-sense)社のiWayが至るところで提供されています。iWayですよと言って紹介している訳ではなくて、プレスセンス社というブースでは当然自分のところのツールの紹介をしますが、その他の印刷機会社などでさり気なく「iWayを使っていますよ」と言って、「これを使えば私のところのプリンタでこんな事が出来るんですよ」というような紹介の仕方がされています。使い用途として見るかぎり、Web to Print のスタンダードになって
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きているという印象を持って帰ってきました。
その他にも、iWayとは言いませんが、ゼロックスさんであったり、オセさんであったりといったところにiWayのコアがOEMで提供されるという状況です。
<XMPie 各種ユニークなシステム群> 
それからXMPieという会社がユニークなツール部門を出しています。ダイレクトメールを紙で出したり電子物で配信しますが、たとえば「ジェリー」さんに何々を送りますという時、(画像中の)電話に「ジェリー」とありますが、一人ずつ違うメッセージカードを作ることが出来ますよという仕掛けです。
それからDirect Smileが今ずいぶん出てきていますが、uImageという製品で、画像の中にそれらしく可変のテキストを乗せる。こういった製品も提供しています。
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<所感> 
「所感」と言う事でまとめです。「ボーダレス」という言葉をキーワードとすると、フルカラープリンタの品位の向上ということ。オフセット品位に向けたインクジェットのプリンタがアナウンスされました。これが今回のdrupa でかなり大きなインパクトだと思います。ただ、発売はまだ2年後、3年後というところですが、そう言ったところのフルカラーのプリンタの品位が向上して、ランニングコストがインクジェットで下がると言った事がこれから起きてくると思われます。  
それからオフセット印刷機そのものについては、小ロット化が
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加速しているというところで、小ロットのオフセット印刷とPODのバリアブル印字、バリアブルプレスの市場が今クロスオーバーしていますが、ますますクロスオーバーしてくるだろうと感じます。  
それからプリント・オン・デマンドとバリアブル・データ・プリント市場への「参入障壁」というキーワードですが、これが今回ご紹介申し上げたようなバリアブルツールの機能がたくさん増え、印刷のワークフローの中でバリアブル、PODのワークフローが付加されてきているといったところで、市場への参入障壁がかなり低くなってきたという感じもします。  
それはどういうことを感じるかと言うと、こういったツールと、これから出てくるであろう低価格のフルカラープリンタ等を買えばすぐにPOD、VDPのプリントが出来るという時代になっています。  
まとめますと、現在、フォーム工連で印刷会社のコンペティターと言われているところは、いわゆるシステム開発会社のカテゴリーと、後加工、封入封緘等を行っている会社さんという二つの系統があると思いますが、これからは一般印刷の会社がこういった道具やプリンタなどを買ってバリアブル、PODの領域に入ってくるのではないかという感想を持っています。
これに対しては、当然フォーム工連としてはチャンスな訳で、新しい高品位のプリンタを使ってオフセット印刷の領域に出ていく、バリアブルという武器を使って出ていくという事で大いに発展できる可能性を持っている。しかし、片や敵さんもそのまま見過ごすことは無い。バリアブルという領域に入ってくるというふうな感じがいたします。  
この辺のツールはその辺の橋頭堡になるのではないかということで、対応とすれば、これまでフォーム業界の中でバリアブルについて蓄積した設備なりノウハウの強みを生かしていくという事をこれから加速していかなければいけないと感じております。  
以上です。
   
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