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  「平成25年夏季講演会」講演録 (平成25年8月22日開催)
現場で見た「今」の中国
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       講師 チャン&カンパニー代表  安藤チャンめぐみ 様

もう一つは法律に対するバランス感覚を持つことです。
中国では税務・法務の面で抜け穴があるようでいて、法律はちゃんとあるので、バランス感覚が必要だということです。まともに税金を払い法律通りにやっていると利益は得られないし、かといって法律に違反することは危険です。
新しい法律がどんどん出てくるし、解釈が違うので、中国人スタッフは法律面の最新情報源をスピーディにキャッチしなければなりません。
また、新しい労働法では、昔と違い、中国は国が普段すべき義務を全部会社に被せています。経営者が労働者ともめる場合は、国は労働者の側に立つのが普通です。組合については、きちんとした組合を選ぶことが大切です。
中国は今、環境保護の面では日本以上に厳しい現状です。それは外資系に対することかもしれません。 例えば、ヤンマーの中国無錫の工場に塗装ラインがあります。その塗装ラインは機械も装置も100%全部日本から持ち込んだものです。日本で使ってまったく問題はなかったのですが、中国では廃水のことで当局にクレームを付けられました。中国の環境保護局の人が廃水の匂いがひどいと言ったそうです。それで、副社長を務めている私の友人がどの基準を満たしていないのですかと聞いたら、当局の人は、基準は「私の鼻です」と言ったそうです。そのような場合は、日本人の対応が無理だから、中国人スタッフの対応が必要です。
印刷業界で必ず解決しなければならない問題の一つに廃水があります。中国では環境保護の法律もだんだん厳しくなってきています。法律を守ると同時、法律への対策も考えなければならないと思います。
私が調べた中国で成功したビジネスの事例を紹介したいと思います。
大企業の事例は新聞やニュースでも分かるので、マスコミで紹介されていない事例を用意しました。 日本が世界に誇れるものは技術、細やかさ、勤勉さです。それが生かせる分野は成功のチャンスがあります。美容室、レストラン、その他の技術系分野、あと衣食住でしたら、中国人にとって圧倒的に大事なのは食です。食に関連する商売は成功事例が多いです。
上海元気貿易有限公司は10年前、1人の商社マンが独立して立ちあげた貿易会社です。社長と1人のスタッフを除いてすべて中国の従業員で、重要な仕事を中国人幹部に任せたところ大成功し、年商は日本円で億を超えるようです。
日本のマスコミでは報道されていないのですが、こういうチャイナドリームを実現した日本人はまだ他にもいます。大企業の進出成功より、異国の中国で起業し、成功する日本人企業家の方に励まされ、希望と勇気を与えられます。
 
もう一つご紹介したいのは、上海で大変知名度の高い「新鮮館」です。
「新鮮館」はもともと日本人の奥様を相手に新鮮な魚を宅配するところから始めたビジネスです。中国では生卵が食べられないとか、有機野菜が欲しいとか、という顧客のニーズをヒアリングし、それに応えるようにしていました。会社が立ちあがって14年目になった今は、300名の従業員を抱え、高級デパートに店舗を置き、合わせて宅配サービスも充実させて、中国に14店舗を構えるようになりました。この会社も社長以外は全員中国人です。
中国では食品の安全問題も、よくマスコミが取り上げています。豊かになった今の中国は健康志向が高くなり、食品の質を求めているので、こういう食に関するビジネスは成功しています。日本のローソン、セブンイレブン、フャミリーマート、ヤクルトなど、食品関連の企業の殆どが中国の主要都市に進出しています。他の業界に比べて、食品関連の企業が成功している事例が多くあります。中国13億人のマーケットは魅力的です。中産階級の人々が増えていくので、食の質に対する要求もどんどん高くなってくるはずです。
続いては、中国人と上手に付き合うポイントを少しご紹介させていただきたいです。 日本人は中国に行って中国人と接触する時には、まず、先入観を持たないことです。そして自分の価値観を相手に押し付けないことです。中国の文化を理解し、受け入れてあげることが重要だと思います。 具体的に言いますと、中国人には建前と本音がないので、中国に行ったら、本音で話した方がいいです。
例えば、打ち合わせや会議の時、一番最初に今日の話のポイントを言うのが普通です。
人とのコミュニケーションを取る時にも率直に思っていることを話します。ある意味 建前がなくて、楽に付き合える面があります。
でも、相手を褒めることは、心に思っていなくても、なるべくした方がいいです。特に 中国人は高く評価されるのが好きなので、人間関係が良くなるには精一杯褒めることです。これは中国だけではなく世界共通のことだと思います。
次には相手のメンツを重んじることです。中国人はメンツを重んじる民族です。これは絶対に中国に行く前に覚えていていただきたいことです。
日本では上司が部下をみんなの前で叱ることはよくありますが、中国ではこのようなことをしては絶対にいけません。 上司が部下を叱る時には、2人きりの時にすべきです。中国人は人の前で叱られることはメンツがつぶされて堪えられないのです。たとえ正しいことでも心理的には受けられません。これは民族性かもしれません。結果として個人的な恨みを買うか、転職をするかになってしまいます。
実際 今年3月に広島県の水産関係の会社で、中国人の研修生が日本人の社長を殺した事件がありました。原因はいつも社長から皆の前で叱られていたからだそうです。実は、この社長はとても優しい方で、中国人の研修生を旅行に連れて行ったりしています。でも、仕事上では厳しいので、叱る時もありました。何回も人前で叱られて堪えられなく殺害に及んだそうです。普通の日本人からは考えられないことです。
 
一方、中国では人と接触する際に、謙虚ではなく堂々たる態度で接した方が良いです。
日本では謙虚が美徳ですが、中国では、謙虚はある意味で「出来ない人間」と思われる時があります。その点において、中国はアメリカと大変よく似ています。自己主張をしっかりし、自分が出来ることをアピールすることが大切です。「すみません」という言葉は避けます。「ありがとう」という言葉も中国はあまり言わないです。例えば、中国ではご馳走を招待された時に、「ありがとう」を言わない時もあります。その場合は、失礼ではなく、中国人は次の時に自分が招待することを決めているので、口では「ありがとう」を言わないだけです。
 
相手には個人的利益を与えることも重要です。ビジネスにおいては、まず ウィンウィンの関係が基本です。中国ではビジネスの相手にすぐに見える形で利益を提供しないと、ビジネスは成り立ちません。それと同時に、個人的な利益を与えると、仕事がスムーズに行くケースが多くあります。
ワインの輸入販売をしている友人が書類申請のために役所に行った時の話です。申請書を出して2週間も許可がおりず、窓口に聞きに行くと「まだです」と言われるばかりです。急いでいるので彼はしょうがなく、封筒にお礼を入れて窓口の担当者にひそかに渡したら、翌日にすぐに許可が降りたとのことです。このような話はあちこちで聞きます。一つの賄賂のようですが、これも今の中国の現実なので受け入れるしかありません。
 
しかし、中国では信頼できる友人や仕事のパートナーができたら、彼らは自分のコネを紹介してくれるので、コネは雪だるまのようにつくることができます。中国人は一旦あなたを親友と思ったら、親身になって助けてくれることは事実です。個人と個人の付き合いを大切にすれば、ビジネスも順調に進むことになります。
 
最後に、人間関係に賞味期限を覚悟すること。中国の職場では離職率はとても高いです。2011年の平均離職率は27%です。それに比べて日本は15%ぐらいです。中国で優秀な人材を獲得しても、ずっと働いてくれるとは思わないほうがいいです。会社にいる間にその人の能力を最大限に発揮してもらうことです。企業の責任者として常にアンテナを張って人材の獲得、人材の育成に力を入れることが重要です。
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