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  「平成26年新春講演会」講演録 (平成26年1月23日)
今という時代と経営者の使命
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       講師 経営共創基盤(IGPI)代表取締役CEO 冨山 和彦 氏

i新春講演会の冒頭 講師の冨山和彦氏は
 「今日はお招き頂きましてありがとうございます。私の父は冨山 久二と申しまして、昔トッパン・ムーアの副社長をやっておりました。ですから、フォーム業界の草創期のころから、ここにいらっしゃる皆様方にはいろいろな形で接点を持たせて頂いたり、お世話になったかと思います。ある意味では家業みたいなもので、家業の世界に戻ってきた気分で今日はお話しさせていただきたいと思っております。」と挨拶され講演された。
講師の冨山 和彦 氏
父親はサラリーマン経営者だったものですから、幸か不幸か家業を継がないでよかったわけでありまして、経営そのものを生業とするようなキャリアでここまで来ております。「経営が生業」ということは、経営の調子のいいところの仕事ではなく、経営に問題があるところの仕事ばかりをしてきたということです。
先ほど経歴で紹介がありました「産業再生機構」は、2003年にできた組織で、約10年たっています。前の小泉内閣から第1回目の安倍内閣に掛けての時代に「産業と経営の一体再生」ということを行なっていたが、「不良債権問題」がずっと日本の経済の重石になっておりました。この「不良債権問題」を何とか処理しようということで、竹中平蔵氏が金融大臣になられて、金融機関に税金を注入して不良債権を償却するということをやりました。
不良債権というのは表裏があるんです。貸している側から見たら「不良債権」、借り手側からすると「過剰債務」になります。我々は借り手側の「過剰債務問題」を処理するということで、極めて大きなお金を民間から借り、そのお金を使って「不良債権問題」を処理したわけです。これが1995年から2004年の日本の「不良債権問題」の推移です。
日本は大変大きなバブルが90年代初めに弾けました。当時、世界では「日本の不良債権問題」は日本固有の問題だと解釈されておりまして、「日本の金融は大蔵省なり、日銀なり、政府がすごく強くコントロールしていたせいで、市場が歪んでバブルが起きた」というのが当時の主流派の経済学者、特に欧米の経済学者、アメリカの経済学者の解説でした。
だから「金融を自由化」すればこんな馬鹿なことは起きないんだ、ということになっていたのです。しかし 日本でも2000年の橋本内閣の時に思いきり金融の自由化をするのですが、問題は解決しないわけです。最後は竹中さんなり、私どもなり、思いきり政府が介入をして何とか不良債権の問題を解決していくわけです。
皆さんご記憶に新しいように、今度は4〜5年前の2008年から2009年にかけて、欧米でバブルが弾けます。リーマンショックです。欧米というのは、はるかに金融の自由化が進んでいた国であり、本来そういうことが起きないはずなのですが、やはり同じことが起きてしまったのです。  
ですから、結論からいうと、日本のように政府が割と強く市場に介入をして、東京大学の法学部や経済学部など東大文系の秀才がやっても、シカゴ大学やスタンフォード大学など理系の天才君がやろうとも、いずれもバブルはできてしまったのです。
アダム・スミスのいう「神の見えざる手」を、人間は持っていないのです。ですから、誰がやってもバブルは起きるし、バブルは弾けてしまうのです。人間がやっている以上はいろいろなことが起きるということです。  
ただ、日本の場合と今回の欧米の場合と大きく違いました。日本の時は世界にあまり迷惑をかけておりません。日本の中で閉じた問題です。これは日本の金融当局や日本自身が努力したという部分もあるのですが、今回のリーマンショックの本元をただすとアメリカの住宅ローンの問題なので、極めてドメスティックな問題から始まっています。ところが、皆さんも記憶に新しいように、実はそれで一番ダメージを受けたのは日本経済です。この影響で実体経済が一番収縮したのは日本だったのです。  
要はグローバリゼーションなので、すぐ国を越えて来てしまうのです。どこかで起きたイベントが直ぐこっちに影響を与えるという時代です。これは病気もそうですね。パンデミックといいますが、どこかの国で発生した悪性のインフルエンザが流行ると、世界に直ぐ伝播するリスクがあるわけで、グローバリゼーションやデジタル革命というのは、いろいろな形でイノベーションを起こして経済を成長させるドライバーにもなるのですが、同時に、金融の言葉で「ボラティリティー」(変動)というのですが、いろいろなことが起きている変動幅・震度を大きくする宿命を持っております。  
ですから、これからの時代の経営は、そういう中でやっていかなくてはいけないということになります。今さらまたそこには戻れないので、そうすると時々こういうことが起きるということです。  
ちなみにヨーロッパで起きている状況は、日本でいうところの1998年〜1999年くらいのところです。まだバブルの痛手、バブル崩壊の穴が塞がれておりません。ですから時折、どこかの国でおかしくなるのです。日本でバタバタと金融機関が潰れたように、どこかの国で時々金融危機が起きるわけです。  
アメリカは日本の状況をよく見ていたものですから、直ぐ多額の資金を用意しました。おもしろいことで、用意した資金は日本円にすると70兆円で、日本での対応とほぼ一致した金額です。この資金を使用して凄い勢いで穴を塞ぎました。この資金が金融機関とGM、クライスラーに放り込まれることになり、直ぐ塞さいだせいで比較的戻りも早く、既に2003年くらいまで回復してきていると思います。  
ただ、これで歴史が終わるわけではなくて、お金というものはなかなか厄介なもので、凄く流動性が高いんですね。お金というのは、もとをただすと実体がないのです。一万円札がなぜ1万円の価値があるかといいますと、あまり根拠はないです。昔は兌換紙幣、要は政府が金(ゴールド)と交換してくれたのです。最後までアメリカは頑張って兌換紙幣をやっていたのですが、アメリカも止めてしまいました。今のその後の体制というのは、お金はお金だからお金なのです。みんながお金だと思っているからお金なのです。あれは原価が幾らぐらいですか。皆さん、印刷関係なので……(笑)、多分一万円札を刷るのに100円はしないと思います、恐らく数十円です。これは日本銀行が刷るのですが、日本銀行の財務諸表が公開されるので見たかもしれませんが、お金に刷ると、通貨発行益が立ってしまうのです。仮に原価30円でお金を刷ると、これが1万円になるので、この1万円で国債が買えます。国債を買うと、その差額、仮に原価が30円とすると9,970円の利益が立ってしまうのです。今、凄くお金を作っているわけですから、凄い利益が立っています。凄い勢いでお金を刷って国債を買っています。では、なぜ益が出るのかというと、これは皆さんが1万円だと思っているからで、今日の貨幣というのは「心の産物」なのです。ですから、実体があるようでないようなところがあるので、どういった隙間でもすり抜けてしまうのです。  
お金は経済にとっては血液みたいなものですから、高血圧になるとどこかで動脈瘤ができてしまいますね。それが弾けたら、バブルが弾けたということになってしまうわけです。  
血圧はどうかというと、日銀も今もの凄い勢いでお金を刷っています。アメリカも刷っています。ヨーロッパも刷っています。中国も刷っています。ということは「世界の経済は慢性高血圧」状態です。ですから、どこかに動脈瘤ができてしまいます。これが運よく弾けないまま血圧が下がれば、良かったねということになるのですが、時々弾けるのです。そうすると、大出血になって大騒ぎをするということで、今後も「バブルの種は尽きない」と言えましょう。五右衛門の「浜の真砂は尽きるとも」というのがありましたが、経済においては「バブルの種」は尽きません。ですから、常にそのようなことが起きることが、一定の確率であるということは覚悟して経営していかなければいけないということになります。
これは非常に重要な事項で、これからに経営者が覚悟しなければいけない要素です。  
これは印刷業界もまさにデジタルイノベーションの影響をネガティブに最も受けるかもしれませんが、もう一点は「デジタル化」です。いろいろなことが起きてしまうのです。起きてしまうことはなかなか予測が難しいわけで、かつ、グローバリゼーションですから、そういったことが直ぐ世界中に影響を与えるという状況がございます。  
ですから経営計画を作る時に、中期計画が一番作り難いのです。中期計画は5年ぐらいですが、5年後はよくわからないです。とりあえず、今はアベノミクスが調子いいのでいいような感じですが、実はアベノミクスも去年の夏ぐらいから株価はもう上がっていないのです。ずっと1万5,000円から6,000円を行ったり来たりです。安倍さんが前やめた時は7年前の秋ですが、あの時の株価が1万8,000円だったのですから、まだ当時の株価まで戻っていません。戻る前でちょっと足踏みを始めている。
現状のアベノミクスの効果は、金融緩和を思いきりやり、お金をいっぱい作くったおかげで資産が値上がりします。お金の価値が下がるということはモノの値段が上がるので、一番最初に効果が出るのは資産です。普通のビジネスでは需給関係が変わってこないとそう簡単にモノの値段は上がらないので、むしろ金融資産の方が上がります。ですから、土地、不動産、株等が上がります。これはちゃんと予想どおり上がっております。その資産効果が出ているのです。
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