日本フォーム工連・技術委員会セミナー記録

 技術セミナー[T]
「フォーム印刷業界におけるCTP化への取組み」

講師 平林利文氏・嶋野正紀氏
第1部
株式会社メディアテクノロジージャパン
 
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関西地区(2社)中部地区(3社)に聞いてみました
平林 実際に先ほどご紹介させていただいた5社でどういうふうにされているか聞いてきたインタビュー結果がまとめてあります。
  たとえば関西地区のA社さんは、「実際にCTPで使っている版サイズは10種類ある。14インチ以下は手で切っている」というようなことでした。
  B社さんは、「版サイズはある程度集約をして、実際には二つの幅です」。
これは持っている印刷機によっても違うでしょうし、一概には言えませんが、幅を18インチと何インチかの二つと聞いております。そして「サイズが小さいときには版を手で切っている」。
  中部のA〜C社さんは、だいたい同じようなことですが、C社さんが少し示唆に富んでいるのではないかと思いますが、「最初、大サイズのみでいろいろやっていたが、やはりムダが多い」そこで、実際どんな版を使うか統計をとられたそうです。そして最終的には18インチと24インチに集約をして、専用のカッターとパンチも開けられる機械を使われています。このようなことがインタビュー結果として出てきました。
 
  平面CTPとドラムCTP
  そこで、イメージ図として、平面方式、そして外面ドラム方式です。このへんはご覧になられた方はあるかと思います。説明よりムービーのほうがわかりやすいと思いますので、ムービーを用意いたしました。
 
X社での多種版サイズ対応での調査
  それでは実際に対応をどうしているか。実際の対応で、ある会社様で実際に共同してやったときのもので、たぶんこれからCTPをお考えになられるときも、皆さんこういうような作業が必要になるのではないかと思います。ちょっと説明お願いします。

  嶋野 これは、ある会社様の刷版の使用量を一覧でいただいて、いろいろ分析をしております。
  先ほどの事例のなかで、版サイズを2種類にまとめたり、導入コストを検討されたかと思っておりますが、お互いに一番いい結果を出すためにという意味でこういう資料をいただいて一緒に検討しております。
  これは、私どもが販売できる機種に応じて対応できる版サイズの一覧で、結果としてお客さまに提供しております。この機種ですとここまではいけますが、これはちょっと入りませんとかということです。使用頻度に応じてどの機種を選択いただくかという選択肢のための条件シートになっています。
平林 これはフォーム印刷を専業におやりになっているところは版サイズが仕事柄多い。版サイズが多いところはFFGSさんにお頼みして、全部のサイズを納品というのもありますが、在庫管理うんぬん大変になる。そうなると、ある程度サイズを集約することが、CTP導入の時に必要です。
 
 
 
BF用印刷機仕様:曲げ加工方法
嶋野 見当精度がいい版が作れますといううたい文句でもCTPを販売するわけですが、見当精度が出ないCTPもありますし、それが生かせる印刷機かどうかという論点もあります。
  ただ、ピン精度のいいやつができますよ、ただしそれができた後どうなるのかという印刷機の問題になります。曲げるための基準を何でとっておられるかというと、刷版ピン穴を基準に、そこにピンを立てそれを引っ掛けて、そこから基準で曲げていくという曲げ機。 もう一つはトンボマークをカメラで見て曲げる機械や、マークを目視で曲げるやり方等、マーク基準線で曲げるタイプと、ピンで曲げるタイプが半々で混在しているという状況です。次のペー
 
 
  ジが一発見当の違いになります。
  先ほどの絵(<オフ輪転と枚葉の違いは?>)で、本当にピン精度がいい版ができました。では、その一発見当という概念で、本当に刷りだしでも見当が合っているのか。カラーに取組む場合それが期待されます。
  ところが、ここに書いておりますように、枚葉機でUカットを使っている機械も、わりと曲げがきれいに決まる新しいタイプですと、上下左右に版の位置が決まります。ですから、版がよければ、機械の上でも刷り出しで一発見当が出る可能性が高いということがいえますが、オフ輪転の場合は、いい版ができるとしましても、縦方向は曲げで決まりますが横方向は規制できません。これはフォームのほうも、オフ輪転も同じです。
  ですから、左右方向はどうしても一発は刷り出しが出てこない。「版の精度は良くなりますよ」くらいしか言えないのはここにあります。
  ただし、枚葉機での本機校正など小ロットをやられている会社さまでは、いい版を我々がご提供できた場合は、1日60件の仕事までやったとか、30枚くらいでオーケーシートが出ています。
  一発見当の概念でいきますと、枚葉にはかなり期待できるけれども、輪転にはちょっとそこまではいきませんという答えになります。
平林 約5年も6年も前ですが、フォーム輪転中心にお使いいただいているところにCTPを入れさせていただいて、実は「一発見当といっているけれども、うまくいかないじゃないか!!」と怒鳴り込まれました。青くなって私も嶋野も飛んでいっていろいろ見せていただきました。
  最初、原因がわからなかったのですが、よく版を見せていただくと、ピンの丸穴が小判になっている。
  要するに、ベンダーの調整がきっちりできていない。そのへんを調整していただいたらきっちり直った、ということがありました。私どもも最初わからなくて大変苦労した記憶があります。
嶋野 機械を売り切りでは、なかなか実践的に効果が見えない部分があるので、その都度ユーザー様に伺って、本当の効果のほどを確認させていただく必要性を実感しました。
  オフ輪機で本当にCTPの効果を出せる部分があるのかというと、版面上のゴミ・汚れの排除です。これがあるとオフ輪機を一回止めて消去しますから、それを止めずに消去なしにいけると。
オフ輪ではこのゴミ・汚れが排除できることが、CTP化の一番の効果です。
 
 
 
実際のカッターは?
  調査したうちの1社に、CTPのためにギロチン式のカッターを特別につくらせていただいた事例があります。
  商業輪転のものは刃の幅刃渡りが1mくらいのものですが、フォーム用に500 〜600 mm幅のものをつくらせていただいております。
  直角にギロチンが落ちますので、このカッターで切りますと、本当に生版と同じくらい手も怪我せずにそのまま切ったあとも使える。フォームの会社さんは、手切りとかロールカッターで切られたものは、結構あとの断面が手を怪我したりして危ないです。
 
 
    安全性をみますと、このギロチン式でやるのが一番安全策ではあるのですが、この刃は特別な形でつくっていますのでちょっと高くなっています。しかし ロールカッターは安くできたり、手切りのほうが手早くできたりという利点もあります。
  しかし、ギロチン式カッターは見当精度が出ているピンを基準に距離を測って、縦横の版サイズに応じて切れ、わりと便利に使えて安全性も見込めます。
 
 
 
関西地区(2社)中部地区(3社)に聞いてみました
平林 実際に曲げ加工に関して、どういうふうにされていますかということをこの5社に聞いてみたインタビューの結果です。
  関西地区のA社、B社さんは、CRPパンチ利用による曲げ加工。これはピン基準ということです。
  中部地区の3社さん。A社さんは、平面のCTPをお使いいただいていますが、まだ始められたばかりということもありまして、実際にはピン基準とかというよりも普通の曲げで、いわゆる版端を基準にしてという従来の方法でおやりになられていましたが、ピン基準でということをご説明したりしているとこ
 
 
  ろです。
  C社さんは、カッターとパンチャーを一緒にしたものを導入いただいて、そのへんの合理化も図られています。
 
 
 
関西地区(2社)中部地区(3社)に聞いてみました
  先ほどの「素朴な疑問」の第3弾のところ、置き版フィルムの取り扱いについてもいろいろ聞いてみました。
  関西のA社さん、B社さんは、CTPの版とフィルムでの版、これは置き版フィルムがあるということです。最初は、フィルムで焼いたときとCTPで焼いたときの出方が、CTPで焼くと少し細った感じで出てくるというご指摘を受けたりする場合があります。あるいは網点が若干細りめで出るということがあります。それを調整することはできます。そういうのに戸惑ったけれども、今は、CTPの安定性は抜群なのでそちら中心で使っているということです。
 
 
    B社さんの場合、置き版は半減している。そしてデータが入手不可能のときのみフィルムで対応している。そして当然CTP出力済みのデータは、サーバーで保管してデジタルデータとして残されて再利用というワークフローを構築されているというお話でした。
  中部地区のA社さんは、先ほどのように、CTP導入の日が浅いのですが、フィルム在版の利用率が非常に高いということをいわれていました。
  B社さんは、フィルム入稿はほとんどない。いわゆるデジタル化が非常に早かった会社で、ほとんどデジタルで処理しています。CTP導入も早かったので、置き版フィルムはあまりない。C社さんの場合には、CTFは封筒をやったりするとき、耐刷を要求されるものなどには、PS版のネガ版でやるという場合があるということです。
  ただ、このへんはFFGSさんのほうでサーマル版でも耐刷性の高い版材を用意いただいているので、そういうものに切り替えてやられていると聞いております。
  フィルムで入稿してきてどうしようもない時、フィルムをデジタル化するCopy Dotを使用していたが、今はだいたい片がついてしまったのでやっていない。
 
 
実際の置き版フィルムのデジタル化は? 
どうしてもフィルムの在版がある、残っている、でも、それをデジタル化したいというときには、Copy Dotという手法があります。
実際に都内のアートスキャナーサービス様という製版会社で、Copy Dot用スキャナーのビデオを撮ってきましたので、ちょっとお見せしたいと思います。スキャナーはCreoのものです。
CTP化への取組みポイント
  CTPについてまとめをしたいと思います。
  まず、いままでお話をさせていただいたように、CTP化に取り込むというこ
 
 
  とは、デジタルワークフローの構築が大前提条件になるので、ここが一番抑えておかなければいけないところではないかと思います。  
 
 

 取組みポイントということで四つまとめさせていただいています。私ども何百台というCTPを販売させていただいているなかから、最終的にポイントとしてご説明するのは次の四つです。
  一つは、導入の動機付け。一般的に考えれば、今ある仕事で事足りていれば、CTPがなくても仕事は流れるよという感じになるのです。これだと、CTP化という取り組みはなかなか難しい。
  そのために、導入に対する理解、方向性をまとめていくようなこと、CTP運用の責任者、プロジェクトリーダーを決めて、全社で取組んでいくことです。
  二つ目は、導入部門と効果の出る部門が異なる。これも結構大きな課題

 
 

で印刷工程全般を見通して、効果の確認 導入判断が必要になってくるということです。
三つ目は、ワークフローの整理です。これが今回のセミナーのテーマにもなると思いますが、CTPを導入することによるデジタル化でワークフローの整理が重要ではないかと思います。
四つ目は、デジタル技術者の育成・確保ということ。
そういうことでまとめさせていただきました。

 ここまで準備してきたのですが、あと少しおまけです。
デジタル印刷のワークフロー構築の先、こういうデジタルワークフローを構築していって、冒頭のIPS/DPS(インフォメーションプリント/データプリント)というような世界はたぶん皆さまも指向されていくのではないかと思います。2010年、2015年となると、そういうものが2桁成長になる。そういうものにどう取組んでいくのかということです。
デジタル化のもう一つ先にある、フルカラーバリアブル印刷装置として、大日本スクリーンでは、「Truepress Jet520」という高速フルカラープリンターを用意しております。
きょうは あまり外に出したことのないこのプリンターの動画を持ってきたのでお見せしようと思っています。
最後に今日のテーマとは違うのですが、ワークフローを構築した先には、こうしたデータプリント、あるいはインフォメーションプリントというのがあるということで少しご紹介させていただきます。
これが私どものインキジェットプリンタ設備ですが、こういうデバイスは、CTPであれ、フルカラーバリアブルプリントであっても、前のワークフローの構築をしっかりやっておかないと、次の段階、あるいは次の世代には進めない、ということで映像をご紹介させていただきました。
この前のIPEX2006の展示会ではフンケラー社のホルダースタッカーを接続している動画です。
長時間どうもご清聴ありがとうございました。

 



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