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  関東フォーム印刷工業会主催緊急セミナー (平成22年12月16日 開催)
「中国と日本のグローバリゼーション」
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       講演  スウィングバイ2020株式会社 代表取締役社長
            海野 恵一 氏
                          ←セミナートップ
では 本題に入ります。そこに書いてあるように「このままでは日本がダメになる」、みんなそうお思いになっていると思うんですが、ちょっと前置きを話します。  
私は、もともとのベースは中国なので、日々うちの奥さんと上海とかと、いろいろやり合っていて体にしみ込んでいるんですが、今1年半英語の世界でずっとやっていて、頭の中が完全にアメリカナイゼーションなのですが、勉強の背景はアメリカなんです。今大統領はオバマさんですが、日本で報道していないのでほとんど皆さんご存じないと思いますが、彼はソーシャルリスト、社会主義者と共和党から良く言われています。ビジネスはやったことがなくて、どっちかというと、彼の生い立ちというのは、黒人の貧しい人たちを助けることをずっとやってきた弁護士ですね。ですから、経済を知らないので、銀行の救済とかGMを救済したりしてきましたが、企業や経済はあまりわからない。  
だから、ビジネス活動を見ていると動きが鈍いんです。政策がいいことをしたのか悪いことをしたのか、彼には全然判断がつかないのではないでしょうか。今回の減税政策も、ブッシュが25万ドル以上の高給に対して減税をやったけれども、彼はもっともっと減税をみんなにしようみたいなことをいっているから、景気が良くならないです。失業率も今9.8%ですが急には良くならないですよ。  
これは、ジミー・カーターのときと全く一緒なんです。ジミー・カーターが終わって、次にレーガンが出てきたときに景気がポーンといったんですね。まさしく今回はこの時期が2013年です。  
ここに書いてあるように、1993年から日本は失われた20年といわれていますが、2013年に景気は良くなると私は読んでいます。見方を変えればこの時期までにあと2年しかない。  
日本人というのは、じっと我慢していますから、今の企業の中でもだれも不満とか不安を言いませんよ。さらに企業はこの20年間お金を使ってきていません。投資もしていませんよ。ずっと蓄えている。だから、この間、アメリカの記事を見ておもしろいと思ったのは、世界で日本だけです、景気が悪くても国が暗くないんですよ。そう思いませんか。何でこの国はみんなニコニコしているんだろう。こんなデフレで、失業が出て、派遣村何だかんだといっていて、変だと思いませんか。国民が深刻な顔をしてないですね。  
去年、派遣村があったじゃないですか。うちの社会人になった子どもが派遣村で就職する人を探しに行ったんですね。クリーニング業として30人ぐらい募集していたんです。派遣村には800人ぐらいいたでしょうが採用したのは1人ですよ。どうしてかというと、あれは冬場だったんですが「水が冷たいから嫌だ」というんですよ。それは失業ですか。違いますよね。失業しても「3Kは嫌だ」というんです。本当に変わった国ですね。  
ですから、アメリカ人は、何で日本人はこんなニコニコして、こんな不況の中でやっているんだ、と。それは私もよくわからないんですが、やっぱり蓄えがきっとあるんでしょうね。アメリカなんかですと、黒人が失業していたら本当にシビアですよ。本当に困っているんです。アメリカだけではなくてヨーロッパもそうです、今景気が悪いからそうです。  
ところで中国のことをちょっとお話ししましょう。これは、たぶん皆さんだれも知らない。  
私は、中国の家族が30年というから、30年前です。当時の北京なんてネオンサインはまだなかったですね。ですから、私は北京で最初にできたマンションを買ったんですが、飛行機を下りて、そこまでタクシーがなかなか行かなくて、タクシーを拾いに道路を歩いていると、よく警察官に捕まって尋問を受けたりしました。当時は街灯も全くなくて真っ暗です。それからしばらくして、北京に「王府井大飯店」というホテルができて、私はよく泊まったんですが地下1階がカラオケだったんです。中国全国からスーパー美人を30人ぐらい集めてすごかったですよ。こんなすらっとした美人がいるのか、と。たかがカラオケですよ。今は夢みたいな話ですけれども、そういう時代がありました。  
それが何と、1990年代に中国は、毛沢東以来もう一回革命をやったんです。それまでは企業に勤めると国が社員全員にマンションをくれたんです。なぜかというと、毛沢東がユートピアをつくろうとしたわけです。だから、遊んでいても仕事をしなくても何でも国民全員に、桃源郷というのかな、ユートピアをつくるためにそういう場を提供しようという国をつくったんですね。それが共産主義だったんです。  
1978年にケ小平が、アメリカと国交を開いてアメリカへ行ったときに、豊かなものを見て、貧しい中国と比較して、やっぱり自分の国はアメリカみたいにならなくてはいけないなということを決めてから国は変わっていったんですね。  
1995年に突然、住宅を提供するかわりに住宅手当を出すことに変えたんです。これは大きな革命ですよ。  
1990年代に、何と5,000万人以上を一時帰休者と言う名目で解雇しました。5,000万人以上ですよ。今、うちの大連の会社の社員の平均年齢は、25歳ですけれども、彼らのお父さん、お母さんのときに5,000万人以上解雇になったんです。  
なぜ暴動が起こらなかったかの理由は簡単です。その当時に解雇になったお父さん、お母さんたちは、毛沢東を信じていたんですね。職を失っても、一時帰休だからまた雇ってもらえる、また豊かになれると。  私は1980年代にアクセンチュアの中国の石油担当の責任者だったんです。北京に製油所があったんですが、日本の石油会社の役員さんが来て「海野さんすごいよ。」「何がすごいんですか。」「いや、日本人がやったらあの製油所の社員は300人だけれども、3,000人もいるんだ。」というんですよ。「3,000人もいたんですか。」「3,000人いるんだ。」「何をやっているんですか。」と聞くと、「いや、どう見ても300人しか働いていない。」というんですね。「2,700人はどうしたんですか。」「いや、現場にはいないんだ。」というんです。  
そうですよ。一つの製油所の3,000人が暮らす城下町になるんですよね。だから、病院、学校、スーパーが全部あって、ほとんどタダで3,000人を食わせている。利益は関係ないんです。楽しくやろうと。かつてはそういう国だったんです。  
それが、1995年のある日に突然、住宅は提供しない。それでみんな解雇。資本主義だと。それで国が変わっていったんです。  
その変わっている当時、日本はバブル崩壊で中国を見ていなかった。ODAで一生懸命中国にお金をあげて、中国の復興を手伝ったんですね。今でもお金をあげていて、ハッと気がついたら、環境問題なんか中国のほうがはるかに進んでいた、という冗談みたいな話がありますけれどもね。  
私は環境も専門なので環境の話をちょっとすると、日本の発電能力は120ギガワットですが、2020年に中国は何と風力発電だけで20ギガワットも発電をするんです。すごいですよ。世界ナンバーワン、アメリカを抜いちゃったんです。  
話を戻しまして、そういうことがあって、さらに追い打ちをかけるように、2001年に中国がWTOに加盟したんです。これはすごいんですよ。  
新疆のずっと奥地へ行くと、彼らは中国語じゃなくてトルコ語をしゃべっているんです。目が青くて。あの人たちも農業をやっていて、3,000万人ぐらいいるんですが、2001年に農業開放をしたんです。それまでは保護貿易だった。それを開放してしまった。  
日本のコメは税金がかかっていますが、同じようなことを中国もやっていましたが、全部開放してしまったんですね。農民は食うに食えないぐらい大暴落したわけですが、中国政府は経済を世界の檜舞台にしたいから農業を犠牲にしたんですね。今、世界中の資本が中国に集まっているのは、2001年からなんです。  
日本は、対内直接投資が低い。22位。日本は海外からだれも投資をしない。規制も何もしていません自由ですよ。でも、だめなんです。  
私なんかは大企業からベンチャーに入って、スウィングバイなんてだれも知りませんよ。「海野さん、申しわけないね。スウィングバイって、やっぱりだめだよ。あんたのところ信用がないから、赤字だし。」と仕事をくれません。保守的ですね。新参者は参入できない。創業20年とか30年ならつき合ってもいいよみたいな国になってしまっています。これは日本だけですよ。アメリカもない。中国もない。韓国もない。東南アジアもこういうのはないです。困ったものです。  
そういうことで、2001年にWTOに加盟して、中国は完全にオープンになっています。
「老化する還暦日本、急成長の躍進中国」と書きました。私は、ここで老化する還暦日本を活性化したい。私は、大連センターというBPOセンターを持っています。社員が100人余りいますが、夢がある。活気がある。あの会社に行くと、ウッとするんですよね。活気ですよね。日本の企業は、そういうのがないんです。枯れちゃっているというか。私はそういう活気を持ってもらいたくて、今、日本の企業の仕事を大連に持っていって、あなたの社員を、もっと活性化したらどうですか。ということをやっています。  
ただ、急成長の躍進中国を見ますと、一党独裁の国で、資本主義国ですが、あの国は民主主義ではありません。  
インターネットの検閲をする審査官は何人いるか知っていますか。3万人ですよ。一方、中国に携帯電話が何個あるか知っていますか。6億5000万台です。  
最近、中国が反日運動をなぜしないかわかりますか。反日運動というのは、もともと反政府運動を抑えるためにやったんですよ。2005年に上海の日本大使館を壊したのは、反政府運動を抑えるために反日運動をやらせたんです。ところが、昨今は、反日運動をやらせてしまうと、突然反政府運動に変わってしまうかもしれない。だからやらせないんです。  
中国政府は、昔から海外に関心がありません。日本は夷狄ですから、夷狄の国は関係ない。ただ、自分の国を安定させるために日本みたいなところを攻撃することで国内の不満をそらす。突如、おれたちの失業を戻せとか、生活保障しろとかいう垂れ幕に突然なってしまう。それを恐れています。  
2005年に携帯電話に「反日運動を煽れ」とメールを流したんです。そしてとんでもないことが起こったんです。バーッと燎原の火のごとく、6億台、わずか4時間です。  
中国は、昔から統一されている時なんか余りないんですよ。ほとんど分裂国家ですから。だから、胡錦濤さん、温家宝さんは、政府の地盤が安泰ではない。いつ壊れるかわからない。そういう国です。
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