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  関東フォーム印刷工業会主催緊急セミナー (平成22年12月16日 開催)
「中国と日本のグローバリゼーション」
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       講演  スウィングバイ2020株式会社 代表取締役社長
            海野 恵一 氏
                          ←セミナートップ
中国の話をもう一つしますと、中国は共産党政権だとお思いになるけれども、本当は共産党政権より、もともとは庄屋と農民の国なんですね。そっちの関係のほうが共産党政権よりはるかに強いんです。  
大連の某モーター会社の工場は60回行きましたけれども、すごい立派な工場です。そこに働いている7,500人の女の子は、我々とは違います。どう違うか。課長になりたいと思っているのは1,000人に1人です。出世もしたくない。給料ももっと欲しいと思わない。5,000年も1万年も農業で生活してきたので昔のままですよ。
毛沢東が農奴解放、農地解放と解放したけれども、彼らはほとんど土地を売ってしまった。自由だと言われても、昔からの風習は変えられない。今までが抑圧されたりいじめられたり、そういう習慣になっていたのですね。大連や上海の飲み屋に気の利いたお姉ちゃんでもそうした農村の出身者は殆どいませんね。会話ができないですよ。それが中国です。上海市と貴州省という一番貧しいところとの所得格差がどのくらいあると思いますか。何倍ぐらいあると思いますか。
約12倍です。貴州省の経済成長率が世間並みの3%上げたとすると、上海からみたら0.3%なんですよ。地方の比重が非常に低いのです。  
オバマ大統領がつき合っているのは中国の都市部の4億人です。2003年ごろ7位だった中国のGNPが統計値の修正で、突然世界3位になり、どんどん躍進して2020年は世界ナンバーワン。ですけれども、一党独裁です。一党独裁といいましたが、要するに、清王朝、唐の王朝とかと同じで、共産党だからと言う事ではありません。あの国は、王様と家臣と農民なんですね。昔からそういう制度なんです。昔から民主主義は中国にはないです。孫文のころはそういうことをやろうとしたけれども、あの思想は風土に合わなかった?  
ケ小平が国を解放するときに一番心配したのは、清国が倒れたのは沿海部の金持ちの連中がどんどん金を貯め込んで、清の王朝が弱体化して倒れたということで、ケ小平は自分の共産党も沿海部の金持ちを一番恐れていたんですね。  
中国は2020年に世界ナンバーワンになるでしょう。万博で中国館に私は行けませんでした。中国館は、唐じゃなくて北宋の時代の135メートルの壁画が飾ってありました。これには意味があります。本当は唐の時代の壁画を飾りたかったのでしょうが貴族政治だから今の国の制度に合わないから北宋にしたんでしょうね。  
なぜ唐の時代の壁画を飾りたかったかというと、唐の再来です。1,000年の繁栄を2020年から3020年まで繁栄しようという彼らの志だと思います。都を今の北京から、たぶん西安か成都のどっちかに移して、もう一回シルクロードを繁栄させようというような壮大な計画。今まで英語の文献を読んでいるかぎりでは、私なりにそう思っています。  
今、私がすごいなと思っているのは、センコーという会社です。旭化成が大株主ですが、中国の国境から、カザフスタンの国境地帯に大きな物流センターを今つくっています。上海から西安を通って、新疆地区を通って、カザフスタンを経由して、黒海を抜けていくルートです。今のままでルートをつなげると、何と物流コストが3分の1、さらに 中国から黒海までスーパーハイウエイができると、物流コストが2分の1削減できます。ピンと来ないかもしれませんが、革命に近いと思います。物流革命でシルクロードの再来です。  
中国は、日本みたいに高速道路をつくるのに10年なんてそんなこと言っていられません。1年で500キロぐらいは道路を作ることができる国です。ちょっと大げさですけれども、とんでもなくでかい50メートルぐらいのトラクターを3台ぐらい並べて移動して行けばあっと言う間にもう道路ができているという国です。  
どういうことかというと、中国へ進出するのはいいことだと思います。ですけれども、個人の投資資産をドルと円とユーロで持つ一方で、バランスを考えて中国に投資するべきでしょう。高度成長期の中国に投資しないというのはビジネスチャンスをロスしてしまいます。しかし 投資にはリスクも当然あります、急成長だからいいよというのは火傷もします。そして 本当に火傷するのは国ではなくて、人です。それをこれから話します。  
1993年、日本は世界一の経済大国だったが、それからずっと没落していって、2010年で27位。  
しかし 私は2013年にもう一回日本が躍進するということを確信しています。日本は、1997年でアジアン・ファイナンシャル・クライシスというアジア経済危機があった。マレーシアでリンギットが崩壊。韓国もこの年に経済が崩壊し、大企業では50歳以上の社員が全部クビになった時代があり、今サムスンはじめ経営会議だけでなく社員全員英語ですよ。しかし日本はびくともしないでずっと今に来ています。そういうことなんです。  
今、日本は対内直接投資が低い。海外から投資しない。投資できるんですが商売ができない。新参ものは受け付けない。しかし 投資に対して中国などはエブリバディ・ウエルカムですが、日本は全然だめです。私はベンチャーをやっているから本当にそういうところを思います。  
政府の効率性が悪い。ビジネス効率が悪い。外国人雇用の法制度が悪い。これは本当にだめですね。私が今おつき合いしている日本の大手の食品会社の関係会社の社長が外国人を雇うのが好きなんです。「今度、インドネシアとフィリピンを雇いたいんだ」と話している。「フィリピンも、どういうふうに雇ったんですか」「いや、ぼくがよく行っている飲み屋のママさんの紹介です。そこのアルバイトの人が名門大学の出身で……」よくある話です。  
ご存じかと思いますけれども、2050年に日本の労働可能人口が今の8,000万人から5,000万人になるんです。労働可能人口が5,000万人になるということは、国力が維持できない。国力を維持できないというのはどういうことかというと、今の生活が維持できないということですよね。これに対して日本政府は何もやっていない。  
労働可能人口が今の8,000万人から5,000万人になることを予測し計算すると、毎年80万人の人を外から入れないと労働力が確保できない。考えられないですよね。  
今、インドネシア人の看護師200人、フィリピン人200人で400人。あの人達でさえ受け入れられなかったですよね。今、国際問題になっています。80万人なんて受け入れられませんよね。  
私の知っている人がマシニングセンターを500台持ってターボエンジンのニードルを作っています。精度が1ミクロン以下。世界中の計測器機で一番精度の高いもので1ミクロンが測れる器機はまだない。指の感覚と目の感覚でそれを測るらしい。この製作拠点を大連に持って行った。「何でマシニングセンターを500台も大連へ持っていったのですか。」と聞いたら、彼が言うには、「海野さん、冗談やめてください。そんな精度を出せる工員さんは今、日本に居ませんよ。」と言うんです。寂しいじゃないですか。逆でしょう。日本へ連れてきて働かせればいいでしょう。政府がだめなんです。だからあんなに大規模なマシニングセンターを500台大連に持っていった。  
それは、私は、本末転倒だと思っていますが、日本はこうなんです。外国人、中国人を呼べないんです。マシニングセンターの精密オペレーターは大卒じゃないですよ、視力が2.0をもった人なんです。  今、こうしたことが問題なんですね。解決なんて全然できていません。そういう問題があって、外国人の雇用の法制度をどうにかしなくてはいけない。  
それからビジネスの効率性が悪いというのは、「起業家精神が弱い」「文化の閉鎖性」「個人の柔軟性や適応性が弱い」といいますが、たぶん皆さピンと来ないと思うんですよね。でも、こういうのは世界で日本ぐらいですよ。 私は7年前に会社を起こしましたけれども、やめておけばよかったと思っています。新規事業なんてこの国は絶対にやったらだめですね。保守的ですから。新しい事業をやっても、この国ぐらい向かない国はない。私は英語できますし、家族は中国でしょう、中国とかアメリカで商売をやったほうが本当に楽だと思います。本当に起業家は日本ではだめですね。  
文化は閉鎖的。これは、日本が世界なんですね。だから私はテレビとか日本語の新聞を読むのを一切やめてしまいました。本当に閉鎖国家ですから、海外の情報を全部シャットアウトしていると言って良いくらいです。情報は流れてきますが,その情報の背景にあるものは考えない。事実だけが情報として流れてきます。ですから、その情報に対しての理解が深くない。  
防衛についても日本の国はアメリカが守るんだと戦後ずっと思っていますけれども、よその国に守ってもらっている国なんて日本しかないですよ。どこの国もちゃんと国防予算を組んでいます。自衛隊がどのくらいいるか知っていますか。自衛隊は15万人。世界でも自分の国を守らない国は日本ぐらいなんです。 ちょっと横に逸れますが、私は、去年の11月にアメリカのビューロー・オブ・アジアン・リサーチという民間諜報機関がマイケル・フィネガンという偉い先生に頼んで、「日本の国防は、日本が守ってほしい。アメリカはもう守れない」という内容の論文を書いてもらった。それを私はこの2月に全文の邦訳をブログに掲載した。当時は鳩山内閣で、岡田さんが外務大臣で事務所にそれを読んでくれるように依頼したのできっと読んだと思います。でも何も対応はとらなかった。  
「何で日本は自分の国を守るんだ。アメリカに守らせればいいじゃないか」というのがどうも国民の考えのようです。「普天間基地はもう要らない。アメリカは出ていけ」そういう雰囲気ですね。でも、そういうふうに国を守れない国は、世界で日本しかないと思います。  
そんなこともあって、マイケル・フィネガンのレポートを読んでいて傑作だったのは、自衛隊はアメリカ軍と合同演習をやったことは実は一回もないと言うことのようです。どうしてだかわかりますか。単純なんです。自衛官は英語ができないと言うんです。ストップ・オア・ゴーというのが判断できないから、アメリカ軍がやられてしまうというんです。そんなばかな話はないだろうというけれども、いや、そういうことが書いてありました。事実、それはマイケル・フィネガンが書いています。  
そのレポートでは、アメリカ軍がいうには「日本は、やたら最新鋭の武器を買いたがる。」というんです。そのわりにはアメリカの武器は買わない。最新鋭以外は国産の製品しかかわない。アメリカは今、箱物産業といったら、飛行機と軍需産業しかありません。もう車産業は脆弱です。GMはもうへたっていますから。日本が全部席捲してしまったから。アメリカに残ったのは航空産業と軍需産業。軍需物資を台湾は買いますが、日本は買わない。機関銃1個も買わない。イージス艦ぐらいしか買わない。アメリカは文句を言わない。それは文句言えませんよ。どうしてかと言うと、アメリカは日本を属国だと思っている。かわいくてしようがない。トヨタ問題の報道を全部みましたが、アメリカは頭をなでていい子、いい子と自分の息子に怒っているだけです。そういうのが今の実態ではないでしょうか。  
それは、昨今のテレビの放送も問題だけれども、日本人が報道を鎖国しているようなところがあるんですね。私は、1年ぐらいですが、英語しか読んでいないので、そういうことを皆さんにお伝えしますが、いや、本当かな、違うんじゃないかと思う方もいっぱいいらっしゃると思いますけれども、そういうことを私は考えています。
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