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  関東フォーム印刷工業会主催緊急セミナー (平成22年12月16日 開催)
「中国と日本のグローバリゼーション」
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       講演  スウィングバイ2020株式会社 代表取締役社長
            海野 恵一 氏
                          ←セミナートップ
話を戻して、ビジネスの効率性とか文化閉鎖性とか個人の柔軟性、適応性を見てみましょう。これは、中国人に聞くと、「適応性、柔軟性、挑戦とは何か」と聞くんですよ。当たり前だというんですよ。いつも挑戦で、いつも変化で、平常的なことは今までの歴史にないのだから、すべてが挑戦なんです。日本人も「私はいつも挑戦していますよ」というけれども、私は「あなた、挑戦する場なんか20年間、日本にないよ。」といい返します。  
中国人の彼らはすべてチャレンジです。私の友人の大連の会社の董事長は、今、中国全土で600店舗持っています。ブラジャーと下着をつくっている会社です。今年と来年で200店舗さらに拡大しています。600店舗は何年かかるかというと、わずか10年。さらに200店舗展開するのは、今年と来年のわずか2年。彼らにとってみれば常識なんです。別に驚くことはない。200店舗展開するだけです。日本だったら考えられない、不可能です。そういうのが適応性、柔軟性、チャレンジです。  
最後のインフラが6位。これは1位から5位はわかりませんが、科学インフラ2位と書いてありますけれども、製造業とかものづくりは、世界最先端ですね。これはもうハズレなし。ということで、次の説明に行きます。  
さっきお話ししましたが、オバマさんも菅さんも経済がわからない。となると、2012年まで景気が回復しない。世界景気が回復するのは2013年。私は、タイミングとしては非常にいいと思うんですよね。2013年、1993年から20年たって景気が回復するということは、かつてレーガンみたいな大統領が出てきて、15%ぐらい年間成長するということを仮に考えたときに、あと2年しかないという見方もありますよ。私はここで何をいいたいかというと、二つ問題があります。  
2013年に景気がよくなるのに何が今問題なのかというと、皆さんの企業は1993年からずっと横ばいで来ているはずなんです。22歳で入った新入社員は、今40過ぎですよ。研修もあまりやっていない、会社も変化していない。それがもし仮に2013年、売り上げが15%伸びたらどうしますか。機動力もなく変化にも対応とれない。  
2013年に景気がよくなって15%仮に伸びたとしますよ。しかし 今までみたいな伸び方をしないんです。どういう変化をするかというと、投資するべきところとか、マーケティングの対象が変化するでしょうし、購買力のある地域も変化するでしょう、予想もできないようなところが無差別に変化してくると思います。その時には年間8%成長しているのは中国ではないのですよ。マニラかもしれません。ミャンマー、ジャカルタ、インドネシア。いやいや、アメリカ・ニュージャージーかもしれません。いや、国内の青森かもしれませんよ。青森、松江、ハウステンボスの長崎も年収平均が200万円です。再来年の話です。  
だから、今までみたいな「これからは中国だね」というのはちょっと待ってください。この国はカントリーリスクがあります。しかしマーケットはあります。2013年にオバマに変わって,新しい大統領が出て来たら,アメリカの景気がバーッと爆発してレーガンのときのように15%の成長が5年間続くことを考えてみてください。世界の投資マップが変わってしまうでしょう。  
そのために日本の本社の社員のマインドセットをどこかでスイッチしていかないと対応がとれない。工場はいいですよ。見えるからモノづくりは毎年外部の状況を見ながら変化している。技術もそうです。即応できます。ところが、本社の仕事は見えない。事業所も見えない。だから、本社も事業所も外部の変化について行けない。  
日本企業の問題を二つ挙げます。一つは、事業所の「あうん」による生産性の悪さ、もう一つは、Japanese Standardに基づいた技術。これをまとめてお話しします。  
一つ目は「本社、事業所の生産性は他国に比べて30%悪い」。これは、横も隣も前も後ろも30%悪い、私みたいに、家族が中国で、アメリカで仕事をやっていたのでわかりますが,3割、日本は効率が悪いんですよ。なぜかというと「あうん」なんですね。  
世界で日本だけです。アメリカで「私はあしたゴルフ行くから頼むね」ってトムに行っても、彼は「自分で明日戻ってからすれば良いじゃないか。」と言うだけですね。あした帰ってきてから仕事すればいいじゃないか、と。日本だけですよ。自分の仕事を他の人に頼むことができるのは。「『あうん』という以心伝心が常識の範囲を狭くし、仕事の範囲も狭くしてしまった。常識の範囲を狭くしたと言う意味は業務マニュアルに沿っていないので,本人にしか理解出来る範囲でしか仕事ができないと言う意味です。だから、日本は製造業の生産性だけしか高くない。」というのは、今の日本の特色なんですね。  
そのために私はアクセンチュアをやめて取組んでききました。高給を投げ打ってですよ。無給になってやっている。  
その効率の悪さは何かと言うと、「本社の業務が非定型業務になっていて、そうした仕事の仕方は日本だけ」です。  
簡単にいいますと、今弊社がやっているBPOの仕事で化学会社の営業をやっていいます。お客さんから受注が来て、在庫があれば、納入します。なければ製造メーカーに依頼して見積をとって、納期を決めて、正式発注して納入します。それでも在庫の行き違いがあって,クレームは来ます。そういった受発注をやっています。ではなぜ日本の大手メーカーさんが頼んできたのか。理由はこうです。受発注をやっている人の高齢化が進んでしまって、みんな60過ぎになって、いつ辞めてしまうかわからないと。それでは大変だと、これをちょっと何とかしてくれといってきたのです。  
ふたを開けてみたら大変だったんです。何が大変かというと、その業務をしているおばちゃん達は20年間時給800円。本人はクビにされたくないからじっと我慢してきた。営業の人たちは売るためにお客様は神様で、どんどん神様にして、このお客様にはこう対応しろ、ああ対応しろ、もうぐちゃぐちゃになって、開けてみたら例外の山積みですよ。  
お客様は神様で、あれこれのサービスで単価が上がるわけじゃないし、収益が上がるわけじゃない。時給800円のおばちゃんの業務を中国人がやったら1200円にもなってしまった。そこの専務は怒ったんです。「海野さん、ひどいじゃないですか。コスト削減じゃないじゃないですか」と。私は当時の専務に「コスト削減もへったくれもないですよ。御社が今までやってきたのはくさい物にふたをしてきただけで、ふたを開けたら、この人たちがやめちゃったらどうするのということで、やっている仕事を中国人に引き継ごうとした。そうしたら、サービスが嵩じて,例外業務の山だったと言うことです。それを中国人が引き継ぎながら整理したとんでもない量の仕事をしていたんです。お茶汲みから営業部長の仕事までしていました。」と。  
それが私が言っている「あうん」の解消です。この20年間でごみためみたいな仕事を彼女たちは究極までやって来てしまった。それを全部整理したら、仕事の30%は非定型で残りの70%は定型業務にできたんですね。そして、そのうちの何割かはコンピューター化ができる。それがわかって全部整理できたんです。日本人はこうした整理が出来ない。みそくそそのままに仕事をしてしまう文化があります。  
皆さん全国で,商売されている方はおわかりになると思いますが、東京と大阪では業務の仕方が違うから統一できない。お客さんがその気にならないと統一できない。
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でも、中国人は東京のお客様に対して、お客様ごとにそれぞれ全然違うサービスを営業のおばさんがやっていたのを全部統一してしまった。お客様に対してのサービスには何でもかんでも神様扱いの必要はないんですね。ただ、少しでも売り上げを伸ばそうとして、どんどん非定化してしまっていた。それを定型化したらどうなったかというと業務時間が3割減った。結果としては業務マニュアルどおりに仕事をすることによって仕事を定型化することができた。
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