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  関東フォーム印刷工業会主催緊急セミナー (平成22年12月16日 開催)
「中国と日本のグローバリゼーション」
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       講演  スウィングバイ2020株式会社 代表取締役社長
            海野 恵一 氏
                          ←セミナートップ
日本の企業は、工場は業務マニュアルどおりなんです。世界でも日本の本社だけが業務マニュアルどおりに仕事をしていません。だから3割も浮いた。それを今、私はライフワークでやっています。世界でもこうした効率の悪さは日本だけですので、日本のグローバル化の第一歩はこうした業務の定型化ではないでしょうか。  
もう一つの問題は、皆さんの商売もそうでしょう。Japanese Standardで仕事をやっている。これは世界最高品質。いいところもあるんですよ。皆さんの会社で、日本とアメリカの商売だけだったらこれでいいんです。Japanese Standardで全然問題ありません。高品質、高価格。問題は高価格です。グローバルスタンダードというのは、今の品質を落として日本の価格の半分にすると言うことです。 
例えばトヨタのエンジンというのは40万キロ走ります。世界の車のユーザーは10万キロで壊れてほしいんです。半値でいいんですね。某モーター製造会社のモーターは、今の値段の半分じゃないと、ハイアールに売れない。ですからこれからの日本企業はJapanese Standardでいい会社と、グローバルスタンダードにしなければやっていけない会社と二つあります。  
パナソニック蘇州のある会社はもう3年前からグローバルスタンダードにし、技術者を全部取りかえた。「海野さん、冗談を言ったらいけないよ。
Japanese Standardで商売できるわけないじゃない。私の会社は世界で商売をやっているんだから」とそこの董事長の日本人は言ったんですね。  
この二つの課題を解決して、日本の企業がどんどん変えていけば、日本は2013年の景気の転換期にからドーンと伸びることができます。アジアを席捲できます。  
これは私がもう一つやっている事業で、ちょっと難しいんですけれどもブログを見ていただきたい。企業のトップ向けに書いてあるブログです。これは、100人の日本人がトップクラスで英語をしゃべる経営者と互角にディスカッションできるようなスキルを身につけるためにブログを書いています。私は毎月1回グローバリゼーション研究会を開催しています。経営者向けに、英語は当たり前、そうではなくて、中身で白人と勝負して、デュポンの社長やそれこそオバマさんと議論しても勝てるような人材を育成しようというのでやっています。  
今、オバマさんと議論できる日本人はいませんよ。オバマさんは日本の政治家とは10分ぐらいしかあってくれない。寂しいじゃないですか。なぜか。話題がないからです。私が今やっているのは何かというと、日本人がアメリカナイゼーションを学ぼうということをやっています。例えばアメリカの、景気刺激策、健康保険医療、減税の問題とか、共和党、民主党のそれぞれの課題を取り上げて議論しています。日本人が何でそんなのを議論しなきゃいけないのか。彼らはそれしか関心がないからです。アメリカ人というのは偉大なローカルカントリーの人たちですよ。我々経営者が仲間に入らなければ日本は見捨てられてしまいます。寂しいけどね。日本人の関心のあることには殆ど彼等は関心がありません。ですから、そうしたテーマを出しても彼等は関心を示さないので、日本人が仲間に入ることはできない。北朝鮮の6ヶ国協議における拉致問題がその一つの例でしょう。アメリカは関心がないんです。  
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そういうところに入っていける日本人はほとんどいない。経営者もほとんど皆無ですね。ユニクロの柳井さんとか楽天の三木谷さんが、社員は英語だ、と言っています。それは、彼らは、社員に全員に英語をしゃべらせようなんて思っていませんよ。外へ目を向けろということですよね。私はアメリカの会社に32年働いて、英語を勉強して、それは死ぬほど苦労しましたよ。ですから日本で仕事をしている社員が英語を話すことは不可能に近いとおもっています。そんなことできるわけないじゃないですか。
これは業務フローです。私はコンサルタントを32年やっていて、本社の業務改革を16年やりました。コンサルティングで、お客様に業務マニュアルを書いていただきました。すると多くの企業で書いて戴いた内容な事実ではないことが多かった。「私はビジュアルベーシックができる」と書く人がいたとしましょう。じゃ君にシステムに部署変換の辞令を出すからというと慌てて電話してきて、「私はそう書いたけれども、実はできません」と。そう言うのが多かった。できないんだったら最初から書くなと言いたくなりました。  
ところが、中国人は何も教えなくてもきちんと業務マニュアルを書くんです。アメリカ人もそう、イギリス人も、シンガポール人もそう、韓国人もそうなんです。世界のどの国の人たちも、「この業務をやりなさい」というと、きちんと業務マニュアルを書きます。日本人は書かない。肝心なことは絶対書かない。ノウハウの部分は特に書かない。営業なんか、こういうふうにやってきたって、営業の肝心なところは絶対に書かない。でも、世界中の人は本当にきちんと書きます。  
例えば、中国人が1万元なら1万元、優秀な人は1万元払っていますから。13万円の給料を払います。13万円の給料分の仕事をします。13万円分の業務フローを書きます。13万円分の業務フローを書いて10万分しかやらなかったら、その社員は首ですね。18万円分の仕事の負荷をかければ給料、残業代よこせとはっきり言います。しかし 日本人は違います。自分が15万円の給料でも30万円でも50万円でも6万円でも何万円でも、仕事の種類に関係なく仕事をします。世界で珍しい民族です。不思議です。さっき言った営業のおばちゃんなんか、時給3000円から300円までバラエティに富んだ仕事をやっていました。お茶くみから営業本部長の仕事だって文句一つ言わない。30年もやっていて、あと10年もすれば、もうよぼよぼになってきて、明日からこれなくなっちゃう、どうしようという、そういう国です。  
中国人は違う。ピシッと業務分掌を書く。弊社の中国人は日本企業で働いている中国人とは違います。「あうん」を理解させない。一方では、日本の文化を徹底的に教える。簡単に言えば、受発注の仕事で業務フローをきちっと書かせる。けれども当日受発注すべきゴーサインはお客さんの顔色を見て、5時でも6時でも受注させます。それが日本的な部分です。お客様の状況にあわせて、杓子定規には対応させていません。そうしたことをきちんと教えれば、彼女たちは残業を嫌だとは言いません。そういう日本的な文化の教育をしています。ですから、一方では曖昧な日本の文化を否定し、一方では柔軟な日本人独特の文化を教育していますので、そうした日本の文化を切り分けて教えています。  
この業務マニュアルを書くのは実はアメリカ人、中国人、世界のどこの人でも書きますが、日本語をしゃべって、優秀な人をいくらでも雇えるのは中国だけです。これは絶対皆さんの会社でも必要です。これが一つの日本の企業のグローバル化、世界と同じようなレベルの仕事をするのに絶対必要だと思っています。
あと、もう一つメッセージがここにあって、中国は、あと5年ぐらいしたら日本の給料をたぶん超えてしまいます。もちろん5年たっても年収100万円の地域はあります。黒竜江省、それから雲南省、新疆ウルムチは5年経っても年収100万円です。5年たっても「海野さん、100万円でやってくれるところがどこかあるか」「それはありますよ」。しかし、相当のコネと人脈がなければ,日本企業はそうしたところには進出できない。
私はITを使ったコンサルティングを32年やってきました。中国のシステム開発のコストは今やダブル・パフォーマンスです。簡単な例をいいますと、プログラミングでVB(ビジュアル・ベーシック)のプログラミングの費用は、日本の場合にはチャージが1カ月60万円、中国のビジュアル・ベーシックの費用が月40万円。30人月とすると、日本企業が1800万円で中国企業が1200万円、3割違ってくると、日本は中国に仕事を出す可能性が高い。
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