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  平成23年度第2回講演会(平成23年8月25日開催)
「自分を経営する」
 (2) 
       ―「創造性経営する」「エッジをきかせるためには」―
       講演  早稲田大学大学院 教授
            早稲田大学社会連携研究所 所長
            友成真一 氏
本日の問いかけ
「問いかけ」。本日の「問いかけ」は3つです。
「3.11から、私たちひとり一人は何を受け取りますか?」。
「3.11」は、東日本大震災のことです。この「3.11」を自分の中にどう落とし込むかというのは、おそらく今生きているわれわれにとって一つの課題ではなかろうかと思われ、一回整理しておいたほうがいいかなということです。これも私が勝手に整理している話なので、本当だと受け取らないでください。
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全部が怪しいですから。
次が「『フォーム印刷の将来』って、私たちひとり一人にとってどんな意味があるのでしょう?」。これは「私たちひとり一人にとって」なんですね。フォーム印刷の将来は、日本の産業にとってどんな意味があるのか。「意味がない」という答がすぐに返ってきそうですが――また笑いが取れなかった。
次が「『創造性』はどこからくるのでしょう」。「どうやったらエッジがきいたことを創出できるのでしょう」。
この3つの問いかけをしています。この3つの問いかけというのは、実は全部同じ話なんです。一見バラバラなことを言っているようですが、実はこれはすべて同じ問題です。というのがきょうのオチなんです。
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本日の道具たち
そのために使うかのが、「本日の道具たち」ということです。最初は「マクロ」と「ミクロ」というキーワードです。マクロ経済とミクロ経済を考えていただければいいですが、「マクロ」というのはでかいことで、「ミクロ」というのは小さいことです。「マクロ」と「ミクロ」という2つの方向の視点から考えてみるという意味です。
次は「タコ理論」です。これは怪しい理論です。この部屋から外に出たら「タコ理論」の話は絶対しない
でください。必ず皆さんはバカにされると思いますので(笑)。
もう一つは「一点突破理論」です。これは明らかに全共闘の理論ですね。一点突破理論を全共闘の理論だというふうにパッと感じた方は手をあげてください――そういう世代の方はいらっしゃらないですね。いらっしゃるような気がしますが、全共闘の方は手をあげないですね(笑)。若い年代の方は、いったい何の話だみたいな感じですが。
ここまで来ると、「草原のペガサス、街角のヴィーナス」がでてきます。この歌はたぶんこの部屋の中で何度も歌われたと思いますよ。なにせ部屋の名前ですから。わたしの中では、全共闘と中島みゆきがつながっているのですが、今、この歌にちゃんと反応できた人は手をあげてください(笑)――ありがとうございます。
なかなか難しいですね。きょうの客層はいったいどこを突けばいいのか(笑)。いま非常に集中しながらいろいろなことを探っています。
「マクロ」と「ミクロ」
ばかな話をしていると全然前に進まないので、「マクロ」と「ミクロ」の話をしたいと思います。
「マクロ」と「ミクロ」というのは、逆三角形構造になっています。上が「マクロ」で、下が「ミクロ」です。「ミクロ」をどんどん積み重ねていくと「マクロ」になる。これは人の組織の大きさだと考えていただければ結構です。「ミクロ」の突端部分は皆さんひとり一人です。だんだんグループの数が大きくなっていきます。夫婦になって、家族になって、そして地域にな
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る。そのうちに企業になって、そのうちに日本になる。さらに地球とか世界になる。もっと「マクロ」だと宇宙という話になり、さらに「マクロ」になると、今まで何度も生成して消滅してきた宇宙みたいな話になります。どんどん広がってくる。こういう図式の中でいろいろとものごとを考えてみましょうということです。
さて、どういうふうになるか。
「マクロ」というのは、より大きな世界のことを考えることです。企業であればより大きな組織にしよう、もっと大きな売上を出そうとか、日本全体だったら、もっと大きなGDPを獲得しましょう、経済成長をしましょう、もっと人口を増やしましょう、というような話です。大きな世界になると、これは「理論化・一般化・数値化」という思考形態を生み出します。なぜなら、大きな世界のことは、理論化し一般化し数値化しないと理解できない。だから、日本の1億3,000万の人たちを「日本国民」というくくりで一般化しないと理解するのは大変になります。
他方、「ミクロ」なより小さなことの果てには何があるかというと、ひとりの方の幸せがあります。
こういう2つの方向性でものごとを考えていきましょうという、ただそれだけの話なんですね。でも、これで結構いろいろなことが語れます。
論理の破綻状況
例えば国の役人に対して、「あなたは何のために仕事をしていますか」という問いを発したときに、多くの官僚は「国民の幸せのためです」と答えるわけです。「国民の幸せ」のために日本の産業を振興しなければいけない、だからわれわれはそういう役目を持って働いている、だから産業政策をやっているんですよ、というような説明なのですが、さてここで完全に論理が破綻しています。
「国民の幸せ」。「国民」とは誰でしょう。これは1億3,000万人の日本人のことです。1億3,000万人をくくって「国民」という「マクロ」な概念です。
さて、「幸せ」という概念は、どんな概念でしょうか。これは「ミクロ」な概念です。幸せの議論を始めると、到達するところはほとんど同じで、「人によっていろいろ違う」ということです。さらにひとり一人によっても、いま考えている幸せと、1分後に考える幸せの概念はまた変わっています。このように幸せという概念は、「ミクロ」に流動化するものです。
「国民」という「マクロ」なものと、「幸せ」という「ミクロ」なものをつなげて、これがわれわれの存在意義なんですといった時点で、基本的には論理が破綻しているんです。 確かに「マクロ」な概念の幸せもあります。「マクロ」な概念の幸せって何でしょうか。収入とかGDPでしょう。では、国民の幸せがGDPで量れるんですかという話になりますね。「国民の幸せ」という問いが「マクロ」側と「ミクロ」側の両方を向いてまたさき状態にあるにもかかわらず、一緒に議論されることで、論理が破綻してしまう。なんでこの夏の暑いときに七面倒くさい話をするんだよと。すみません。そのためにお集まりいただきましてどうもありがとうございます。
世の中の方向性
さて、ここで問題は、世の中がどっちの方向に向かっているかというと、圧倒的に「マクロ」側に向かっているんです。「マクロ」方向の強烈な圧力のもとにわれわれはさらされています。ですから、会社経営では、会社の業績を伸ばすこと、会社を大きくすること、世界的なシェアを取ること、地域経営では観光客を増やすこと、という非常に「マクロ」な方向への圧力がどんどん加えられるわけです。例えば学生にしてみれば、より大きな、より有名な企業に入ること、 より年収を確保すること、そういう圧力にさらされているんです。 「マクロ」方向の圧力にさらされているために、こっちのベクトルは非常に希薄になっています。これがおそらく人類社会で引き起こされている問題の原因のほぼすべてです。「ミクロ」方向のベクトルのことを考えなくなって、「マクロ」方向のベクトルだけで支配される考え方が、いまこの世界をこういうふうにしているのではなかろうか、というのが考え方の中身です。
坂本光司先生による「企業経営における5人の幸せの実現」など、こちらの会の講演会シリーズでは結構面白い講演が続いています。講演を仕立てられているのはたぶん山口さんではなかろうかと思うんですが、ある明確な方向性を持って一連の講演が設定されているというのは、この図を見ればお分かりかと思います。
あきらかに一連の講演シリーズは「ミクロ」方向のベクトルを視野に入れています。ですから坂本先生は「企業経営における5人の幸せの実現」の中で、まず最初に自分の会社の従業員と家族をあげています。「ミクロ」な存在の一番近いところから出発するわけです。次に関連会社。次に顧客、地域の人、株主ということで、だんだん「マクロ」な方向に展開しています。これはまさに、「ミクロ」のほうに企業経営の本質があるでしょうということをたぶん坂本先生はおっしゃりたかったのだろうなと思います。
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