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  市場委員会主催セミナー (平成22年3月29日 開催)
「新たなるビジネスモデルへの挑戦」
 
       講演  株式会社ドリームビジョン 代表取締役社長
平石 郁生 氏
資料9
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  電波はいま見たとおりですが、では、印刷はどうでしょう?
これは皆さんのほうがお詳しいか数字かと思います。残念ながら直近のデータは探せなかったのですが、規模的には減少に転じているということかと思います。  
大日本印刷さんの数字を見てみますと、リーマン・ショックの影響ということも多分に大きいと思いますが、残念ながら、2008年度の決算では赤字に転落しています。

資料11
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  印刷業界は、大手3社、事実上、大手2社で寡占状態だと思いますが、3位のトッパンフォームズさんを含めて数字を見てみますと、このような数字になっておりまして、2トップとも赤字になっているわけです。両社の売上を足すとほぼ8割ということで、非常に寡占化が進んだ業界ですね。
ここで一つ注目したいと思うのは、トッパンフォームズさんが黒字をキープされていることです。  
私は印刷の世界は素人なのでわかりませんが、先程、調査委員会からのご説明でもあったとおり、一般商業印刷の中でも「ビジネスフォーム」と呼ばれている分野は、インターネットの影響とかリーマン・ショックの経済的要因とい

うものを、比較論としては、あまり受けていないということなのだろうと理解しています。  
ただ、この先、順風満帆なのかというと、そうではないとご報告がありました。
資料12
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  では、いったい、何が印刷というものの機能的な価値で、どういったところに限界があるのか?ということを見てみました。  
見てみたといっても、私が考察したものですが、印刷物、例えばネットの話でも、これは『クーリエ・ジャポン』という雑誌で、たしか四半期に1回出る季刊誌ですが、ネットのことも当然雑誌になっていますし、週刊誌の『週刊ダイヤモンド』も、1カ月か2カ月くらい前にTwitterの特集をしているということで、「紙媒体」ならではのメリットも多いわけです。
いちばんのメリットは、情報の伝達、共有、発信、流通と
いうことで見ると、とにかく文字さえ読めればいいので難しいスキルはいらない、ということです。そして、持ち運びができる。メモを取れる。先ほど申し上げたように、私は明日で47歳の人間なので、中学、高校等で英語の単語を覚えるときは、書いて覚えました。そういう経緯がありますので、こういったマッキントッシュのモニター、iPhoneなどで見ていても、なかなか頭に入らない。どうしても世代的な問題もありますので、紙というものの、こういうメリットは非常に大きいと感じています。 
一方、技術的には可能だと思いますが、ビジネスにはペイしないという意味で、個別対応が困難だということ。これが印刷の最大のデメリットだと思います。  
それから情報の記録や保管ということに関しては、大事なものであれば大事なものであるほどストックしておくわけですが、パッと見て、ああ、これ、何だったということが視覚的にわかりやすいというメリットが紙媒体にはあります。  
データで保管するのもアイコンでわかるといえばわるのですが、紙で本棚等に並べておいたほうが識別性は高い。また、これも持ち運びができることに関連しますが、どこでもペラペラめくれるというメリットがあるわけです。  
ただ、デメリットとしては、スペースがいる。これはいちばん大きなネックでしょう。図書館等を思い出していただければおわかりだと思います。  
それから、再加工が困難だということがデメリットとしてはあると思います。  
メリットのほうは置いておきまして、要するにデメリットとは何なのかというと、行き着くところはコストがかかるということですね。  
先ほど設備投資がうんぬんという話もありましたが、当然、I.T.の世界もいろいろな技術(設備)投資が必要になります。但し、私は印刷に関しては素人なのでよくわかりませんが、I.T.の技術投資に関しては、印刷の世界と比べれば、桁が一つ、下手したら二つくらい違うと思います。  
では、なぜ、コストがかかるのか?ということです。  
私が申し上げるまでもなく、既にいろいろな方が、なぜインターネットが伸張して、紙媒体が衰退するか?という理由を説明されていますが、概念的に整理すると、「プラットフォームというものとコンテンツというものが一体化されている」ことに、私はすべてが帰結すると思います。  
つまり、(雑誌を手にとって会場に見せながら)こんなふうに印刷するわけですので、「紙というプラットフォーム」と「情報というコンテンツ」が一緒になっているわけです。ですから、再加工というものができない。そこに大きな問題があるだろうと思います。  
しかし 印刷業界固有の環境下においても、ビジネスフォームの会社は黒字をキープされています。素人の私の言い方ですが、データベースと、そこに出力する情報、コンテンツというものが「連動」するというか、見方を変えると「分離」しているからだと思います。実は私がDTPの仕事をしている頃、クレジットカード会社の会員獲得の仕事ですとか、一般カードからゴールドカードに切り替えていただくためのダイレクトメールの仕事をさせていただいていたことがありますが、そのときに、その用語は知りませんでしたが、フォーム印刷というものにお世話になったことがあります。  
要するに、私の名前が入って、私には、こういう情報をここに入れなさいよということで、こんな印刷ができるんだということで、94年か95年だったと思いますが、非常に感動したことを憶えています。それがフォーム印刷の付加価値なんだろうなと思う一方、インターネットが普及してきたことによって、その存在価値というものが相対的には低下していくことが避けられない、ということだと思います。
資料13
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  では、インターネットの機能的価値とは何かということかとですが、先程も申し上げたように、プラットフォームとコンテンツがアンバンドル、つまり別々になっているということですね。  
例えば、私は全日空をよく利用させていただきますが、私のページ(マイページ)にいけば、私の搭乗履歴とか獲得マイル数とか、いろいろな個人情報がデータベースから出力され、画面に表示されますし、それを自分で勝手に使ったりできるということで、プラットフォーム(ウェブ)というものとコンテンツ(情報)が別々に管理できるということが、非常に大きなアドバンテージなわけです。  

そういうことで、個別対応が容易ですし、事実上、更新頻度に限界がないということかと思います。
具体的な例をいくつか挙げますと、クレジットカードのご利用明細が不要な方は送りませんということで、ウェブ上で見れるようになっていることなどがあります。  
他には、Googleの検索連動型のリスティング広告(検索ワードを指定して広告を出せる仕組み)ですとか、Amazonの協調フィルタリング(自分と似たような書籍を買っている人の情報を分析し、この本を買った方はこちらの本も買っていますというように商品を推奨する仕組み)等がありますよね。皆さん、お使いかと思いますが、私が何か買った本を買おうとすると、私の購入履歴を分析し、私と似たような本を買っている方の購入履歴と照らし合わせて、その方が買っている本で、私が買っていない本を推奨してくるわけですが、それがリアルタイムで行われるということがイノベーションなわけです。  
他にも色々な事例がありますが、様々な情報を管理するコストが劇的に下がっていることと、それを出力(表示)するウェブ(ページ)の表示能力が大きく進歩していることが、その背景にあるということです。  
ここまでが、印刷の機能的価値とインターネットの基本的な機能的価値の話です。
資料14
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  では、次は、ウェブが進化していくことによってどういうインパクトがあるのか?ということを少しお話させていただきたいと思います。  
ウェブ上でいったい何が起きているのかということですが、いろいろな切り方があると思います。  大きく三つの観点で整理ができるのではないかと私は思います。  
一つは、先程も申し上げたとおり、ウェブ上のサービスといいますか、アプリケーョンといいますか、ソフトウエアといいますか、そういうものがこの2〜3年くらいで大きく進化、進歩してきている。  
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