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  「平成24年度第1回記念講演会」講演録(平成24年6月12日開催)
「働く意識の変化」と「活気ある企業風土の作り方」
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       講師  (株)船井総合研究所 経営コンサルタント 山田 公一 氏
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時流と働く人の変化
これは何かというと、スライドでみますとよくわかりますが、赤い線が去年です。白い線が平成12年ですから約17年前です。そうすると、おわかりいただけると思いますが、平成12年のときに30歳から34歳だった方は、平成22年には40歳から44歳になっています。よほどのことがないかぎり。よほどのことはありませんから必ず10年、年を取るんですね。そうすると、見比べていただいたとおり、ほぼ一緒か、下がっているということです。こういう時代の中で、経済的
インセンティブで人を操れない時代が間違いなくやってきました。
そして一気に時流についてお話をしますね。  
そして 3.11、地震がありました。ここで大きな変化が生まれました。  
皆さん方、デスコミュニケーションという教育の話を聞いたことがありますか。あまり深くやってしまいますと、皆さん方を破壊してしまうといけないので短くやります。ちょっとだけ体験してください。  
ちょっと目を閉じていただいて、皆さん方のお葬式を想像してください。  
何人くらいの方に参加していただきたいですか。どんな方に参加していただきたいですか。そして 皆さん方は会社の方々に何と言ってもらいたいですか。仲間に、お友達に何と言ってもらいたいですか、そして最後、ご家族、奥様、女性の方は旦那様、もしくはお子様、親より先に死ぬことは前提していないので親は抜きますが、何と言っていただきたいですか、ということを想像します。  
はい、目を開けていただいて結構なんですが。  
今いったのが、デスコミュニケーションというものです。何かというと、本当はもっとしっかり催眠をかけてやるわけですが、何かというと、自分は究極で何を目指していたのかということがわかるわけです。私はどういう自分でありたいかということを感じるための教育なのです。  
これをやりますと、アメリカで実際によくやるのですが、実際に会社をお辞めになる方がいっぱいいるそうです。「私のやりたいことはこんなことじゃない」と。ですから、皆さんの会社の中でやることはお勧めしません。「私のやりたいのはこんな仕事じゃない」といって優秀な社員に辞められてしまったら私は責任を取れませんからお勧めはしないのですが、実は震災というのは、ある人々が死を意識しました。死を意識したときに、本当の自分はどうありたいんだろうかということを皆さん考え始めたわけです。  
ですから、震災から1カ月くらいたったあとに、マーケティング的には結婚指輪がよく売れました。結婚が増えた。それから仕事に対する関わり方が増えました。どんどん変わりました。そのように変わったんです。  
ただ、幸いなことに、日本人というのは非常にブームに流されやすい民族なので、もしかしたら2年後には「そんなことあったっけ」となるかもしれませんけれどもね。でも、それで皆さん方から出たのは、形式的な関係性はどうでもいい。今、目をつぶって「仕事の仲間から何と言われたいですか」といったときに、「別に」と思った人いますか。手をあげていただく必要ありませんが。「別に」は、典型的な会社の中の関係は形式的なものだから関係ないよということです。これが実は若い人に圧倒的に多いです。皆さん方は、いいも悪いも10何年も働いていますから、人生の半分以上今の会社にお勤めになっていると思いますから、何かいろいろ考えることがあったかもしれませんが、実はどうでもいいじゃないかと気がついてしまったんですね。本当に欲しいのは、友人であるとか、本当の仲間って何なのだろうということを考えさせられた瞬間です。これが大きな変化です。ですから、形式的なものに関して一切関わらなくなった。これが現実です。本当につくづく思います。
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人材の二極化
それから成功体験の欠如。自己効力。「やればできる!」と考える力です。これは何かというと、これもたしかスライドで皆さん方におつけしたと思いますが、こんな話です。  
従来型が、もともと日本人はみんな中庸(ちゅうよう)だったので、横軸に優秀さをとりまして、縦軸に人数をとりますと、一昔前はこういうカーブです。これを「正規分布」といいます。何かというと、普通の人が一番多くて、だめな人もそれなりにいるけれども、減

ってくる。優秀な人もいるけれど も、それなりに減ってくる。これがもともとのカーブです。
ところが、今、「ゆとり教育」というものが出てきまして、これがいろいろな現象を起こします。  
たしか平成13年に、小・中・高の公立学校の土曜完全休み、週5日制が完成しました。平成14年に、小・中学校の教育大綱は、ゆとり大綱に変わりました。平成15年に高校の教育カリキュラムが「ゆとり大綱」によって変わりました。  
考えてみますと、今年デビューする方が本格的なゆとり世代です。ゆとり世代の中で問題なのは、能力格差なんかどうでもいいです。知識格差なんかどうでもいいです。問題なのは、競争意欲の格差です。  競争というものがインセンティブにならなくなってきています。こんな話をよくするのですが、冗談だと思って聞いてください。  
ある塾の先生からお聞きした話です。「優秀な子」「普通な子」「だめな子」と三つのクラスがあります。塾は大体三つか四つかのクラスを持っています。優秀な子たちのモチベーションを上げるための方法はどうやっているかわかりますか。教え方の話ではなくて、どうやったら子どもたちが勉強をするか、勉強をしたいと思わせるための方法です。想像つきますか。  
これ、簡単です。「褒めるんですか」と聞くのですが、褒める必要ありません。そんな面倒くさいことをしなくても。ただ、順位を張り出せばいいのです。優秀な子たちは、順位を張り出せば、それだけで頑張ります。私は優秀な営業マンだったものですから、社会人になりまして、営業マンとして棒グラフを見るだけで燃えました。うそですけどね。燃えている振りをしました。  
でも、これは、優秀な子にしか通用しない。普通の子たちにはどうやったらいいと思いますか。普通の子は褒めるそうです。褒めるというのはどういうことでしょうか。よいところを指摘してあげることです。「ここ、いいね」ということです。「いいね」はいらないとおっしゃいます。要は、「この問題、難しいけど、解けたね」という事実です。「勉強してきたね」という事実です。よいなと思ったことを「よいな」と言ってあげるだけです。口に出してあげるだけで結構です。これを褒めるのです。  
では、問題です。だめな子、どうしましょうかという話です。だめな子は、どうやったら伸びると思います? 塾ではどうやっていると思いますか。  
皆さん方には気持ちはわからないのでゾーンの方かもしれませんが、私もこの質問をされたときにわからなかったので、褒めるんですかと聞いたんです。そうしたら先生は、ズバッと切り返しましたよ。「だって、だめな子ですよ。褒めるところなんかないですよ」と。(笑)  
皆さん、クスクスと笑われましたが、実際そういう方、今、多くないですか。こういうコンサルタントは偉そうに言うでしょう。「人を育てるとき、褒めて育てたほうがいいですよ」と。言うけれども、「でも、どこを褒めていいかわからないよ」とまじめな顔して突っ込まれる方がいるのですが、その先生は、「褒められないなら、おだてろ」といいました。  
違いはわかりますでしょうか。おだてるというのは理由いらないのです。「すげえな!おまえ」。「何が」は聞かないでください。「おまえ、頑張ってるな!」。「何が」は聞かないでください。聞いたらボロがでますし、反対に聞いてきませんから。だめな子というのは、「おまえ、頑張ってるな!」といったら、「何がですか」といわないですから。  「ぼくもやるとき、やりますよ」って「何をだよ」と突っ込みを入れたくなるような会話が帰ってくるのが関の山です。
でも、実は今までの考え方というのはどういうことかというと、中庸(ちゅうよう)なことを普通の人が一番やることを前提としていたので、今までは主にこういう話が多かった。何かといったら、「褒めて育てましょう」です。それを子どものころから社会人になるまで持ち込みまして、皆さん方によく管理職研修で、「部下は褒めて育てろ」とか「厳しく育てろ」とかというのですが、どれも正しいとか正しくないではなくて、相手の成長度によってまったく違うのです。ところが、結構画一的に扱おうとしています。だって人は画一ではないのですから。  
もう一ついいます。「優秀な人」の定義というものを考えたことがありますか。もちろん「仕事ができる人」ですが、すべての仕事、すべての、おおげさにいうと「人生そのもの」といってもいいかもしれません。優秀の定義はただ一つです。「未来を想像する力」です。先のことを想像する力です。
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