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「印刷と私」コンテスト審査委員会 委員長 放送作家/グリーンプリンティングPR大使 小山 薫堂氏
 
一般社団法人日本印刷産業連合会 グリーンプリンティング認定事務局では、第3回「印刷と私」エッセイ・作文コンテストを実施します。
印刷との関わり、思い出など印刷にまつわるエッセイを募集します。入賞者の作品は「印刷と私」コンテスト受賞作品集に掲載し、発行いたします。みなさまの印刷にまつわるエピソードをお待ちしております。
一般の部
募集は終了しました。
【テーマ】
「印刷と私」 ※自作、未発表作品に限る。
【審査員】
「印刷と私」コンテスト審査委員会 委員長 小山薫堂(放送作家/グリーンプリンティングPR大使)
【部門】
(1)一般の部:社会人並びに学生(中学生以上)
(2)小学生の部:小学1年生~6年生
【募集内容】
(1)一般の部:印刷にまつわるエッセイ(800字以内)
(2)小学生の部:印刷にまつわる作文(400字以内)
※私にとって大切な本、心に残っているポスター、印刷の思い出など、印刷にまつわるエッセイ・作文を提出して下さい。
▽郵便番号・住所、氏名(フリガナ)、年齢、性別、職業(小中高校生、大学生は学校名、学年)、電話番号、メールアドレス(ない場合は不要)を書いてご応募下さい。
【賞】
(1)一般の部: 小山薫堂最優秀賞(1編)賞金10万円
小山薫堂優秀賞(2編)賞金2万円
優秀賞 (3編)商品券1万円分
佳 作(5編程度)受賞作品集に掲載
(2)小学生の部:小山薫堂最優秀賞(1編)図書カード3万円分
小山薫堂優秀賞(2編)図書カード5千円
優秀賞 (3編)図書カード2千円分
佳 作(5編程度)受賞作品集に掲載
【応募方法】 
郵送またはインターネット (小学生の部は直筆・郵送のみ)        
※応募用紙は自由、参加費なし
一般の部 <募集は終了しました>
【募集期間】 
2019年4月22日(月)~2019年7月10日(水)
【発表及び表彰式】
▽結果発表は、2019年8月下旬に公式ホームページ及び新聞紙面にて行います。   
▽小山薫堂賞受賞者は、表彰式(2019年9月13日・東京・ホテルニューオータニ)にご招待します。
【ご応募に当たっての注意事項】   
▽応募された方の個人情報は審査、表彰及び入賞者への通知等に使用し、それ以外の目的では使用いたしません。 ▽応募作品は返却いたしません。   
▽入賞作品の一切の権利は一般社団法人日本印刷産業連合会に帰属します。   
▽入賞作品は「印刷と私」コンテスト受賞作品集に掲載します。   
▽掲載に際し、趣旨を損なわない程度に一部修正することがあります。   
▽掲載作品に著作権侵害等が発生した場合は、一切責任は負いかねます。   
▽応募作品の修正、審査結果についてのお問い合わせはご遠慮ください。
【応募・問合せ先】
〒104-0041 東京都中央区新富1-16-8 日本印刷会館3F
一般社団法人日本印刷産業連合会 グリーンプリンティング認定事務局
TEL:03-3553-6123(平日am9:00~pm5:00) mail:contest@jfpi.or.jp
【主催・後援】   
主催:一般社団法人日本印刷産業連合会 グリーンプリンティング認定事務局
後援:朝日新聞社、(株)共同通信社、産経新聞社、時事通信社、日本経済新聞社、フジサンケイ ビジネスアイ、毎日新聞社、読売新聞社、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会、一般社団法人日本広告業協会、一般社団法人日本雑誌協会 一般社団法人日本書籍出版協会、一般社団法人東京イラストレーターズ・ソサエティ
―第2回「印刷と私」コンテストの受賞作品―
一般の部
小学生の部はこちら
小山薫堂最優秀賞 「魔法をみる瞬間」 萩原 由美
講評:誰もが当たり前だと思っていた印刷業界の裏側を編集者の視点で描き、しかもそれを自分の喜びにしている結び方が素晴らしいと思いました。僕もこれまで何冊か絵本を出版していますが、改めて、印刷してくださった職人さんに感謝の気持ちが芽生えました。
▼ 作品を見る…
絵本の絵は、その制作過程で何度か化ける。
わたしたち編集者は、絵本の原画を最初に見ることになる。何度もラフで見ていたはずの絵が、まったく違った姿で目の前にあらわれる。生命を持つ瞬間だ。
その絵をレイアウトして、テキストと合わせる。絵本の原画は一枚のタブローとは違う、物語を担う役割を持つことになる。
そして、印刷。複雑な色の諧調をキ、マゼンタ、アイ、スミのたった四色の要素で表現する。原画のニュアンスを再現できるように、著者と相談し、印刷所と色校正をやりとりする。
「肌、健康色に」「暗部の中間色、締める」「赤い灰色を青い灰色に」「緑は、光を感じる色に」印刷所にわたす色校正には、希望を伝える暗号文のような赤字が並んでいる。現場の職人さんがわかってくれるという信頼があってこその言葉。少しずつ絵本は完成に近づく。
最後の色校正を終えると、あとは印刷所におまかせすることになる。だが、私は本番印刷日に立ち会いに行く。絵本を作る中でもっとも楽しみな作業が待っている。
印刷機を回すごとに、職人さんが直接運んできてくれる校正紙を見る。刷りたての校正紙は、甘いインクのにおいがし、しめっていて、ほんのりあたたかい。微妙なニュアンスを調整する。現場で各色のインクを数パーセントずつ変更する。デリケートな作業だ。
そして、絵は最後にもう一度化ける。インクのさじ加減で劇的に鮮やかに色が立ち上がるのだ。その瞬間が見たくて、私は印刷に立ち会う。時には、著者に「原画より美しい」と言わしめるほどの色を作ることがある。職人さんの魔法だ。
絵本は、出来上がってくると当たり前のように美しい。読者の皆さんに届くのはこの最終形だ。
でも、その絵本が出来上がるまでには、物語がある。何人もの思いをその技術に載せて、変化した結果が形としてあらわれる。
そのすべての場面に立ち会えることが、編集者である私のよろこびなのだ。
小山薫堂優秀賞 「ゲンさんの願い」 後藤 順
講評:傘寿を過ぎてもなお印刷業界に身を置いているゲンさんが自分にとっても大切な人のように感じられ、大きなエールを送りたくなりました。
▼ 作品を見る…
小学生の僕が通学する途沿いに、ゲンさんの印刷屋があった。カタカタと印刷機が回る音が朝早くから聞えた。開け放たれた窓から見えるのは、うす暗い部屋の片隅で、一文字ずつ鉛の活字を拾う彼の姿だ。
「一生懸命勉強せいよ」。真っ黒な指先から笑顔を僕に送る。戦争で失くした右脚を引きずる姿は、蟹のしぐさに似ていた。それを悪童たちが「カニゲン」と嘲笑するのに、弱虫の僕は彼を弁護できない。
あるとき、ゲンさんが僕を工場に招き入あれた。インクの匂いが鼻孔をくすぐる。毎朝届けられる新聞紙や書店での新刊書を手に取ったときの、あの爽やかさだった。色々な書体の活字が、所狭しと戸棚を飾っていた。
「おれ、本当は字を知らんのや。国民学校もいけなかった。猿マネの見よう見まねで覚えた。恥かしいけどな」。確かに、原稿を見ながら同一の活字を正確に埋めれば、職人としてやっていける。ゲンさんは少し赤面した顔で「国語の教科書あるか。学校の帰りに一緒に勉強せいへんか」と僕に訊いた。
彼の学習力は貪欲だった。僕の国語力をすぐに越えた。中学生の兄の教科書もすぐにマスターした。ただ活字を拾う職人から、常に国語辞書を片手に原稿を睨みながら、校正まで手掛ける印刷屋へと生まれ変わった。
その評判が、街の広報誌や個人の自費出版物まで手掛け、ゲンさん自身も俳句の同人誌を主宰するようになった。街の文化を源泉する中心地として、ゲンさんの印刷屋は小さいながらも活動している。
ワープロなどが発達している現在でも、ゲンさんが組む活字には、少し欠けていても、それを書いた人の大切な気持ちを育んだ、印刷物になる。今年傘寿を過ぎた彼が、活字棚から、その原稿に相愛した書体を捜す姿が、朽ちた木枠の窓から見える。
「父の匂い」 白田 恵
講評:幼少期の記憶の描写が巧みで、心を揺さぶられました。特に娘を持つ父親なら涙してしまう物語が短い文章の中に凝縮されています。
▼ 作品を見る…
幼い頃の私は父の車に乗ると必ずと言 ってもいいほど、頭が少し痛くなった。それは父の車に染みついているインクの臭いが苦手だったからだ。
父は小さな印刷会社をしていて、配達する印刷物がいつも荷台に積まれていた。今では名の知れた大手の洋服会社の服に付いているタグや、名刺、呉服屋の案内状等、高度成長期の波に乗って昼夜問わず忙しく働いていた。
車の臭いは苦手だったが、父の匂いは大好きだった。母から叱られると、「お父さん、早く帰って来て」と少しインクの臭いのする父の背広に顔を埋めて泣いたものだった。子煩悩で公園へ行けば、よその子供達までが自然に寄ってくるような、本当に優しい父だった。
そんな父が十二年間の闘病生活を経て、今年の二月に祈りも虚しく天国へと旅立ってしまった。覚悟していた事とは言え、あまりのショックでしばらく何も出来ずにいたが、思いついて写真を片付けていたら、結婚式のアルバムに父が印刷してくれた冊子が挟まれているのを見つけた。
表紙は私の拙いイラストで、私と夫の経歴と出会いから結婚に至るまで写真を入れて、結婚式の参列者に席次表と一緒に渡した物だった。
今から三十三年も前の事が一瞬にして思い出された。結婚式では人目も憚らずに号泣していた父の姿は、お父さん可哀想で見ていられなかったと未だに友人達の間でも語り草になっているが、一人で冊子をどんな気持ちで印刷していたのだろう。
イラストの私の似顔絵の下絵が薄かった為に上から父が顎のラインを直して、少し歪んでしまった箇所を指でなぞってみると、涙が止まらなくなった。悲しんでばかりいると父が心配するなと思い直して、小さな冊子に詰まった父の温もりと匂いを胸に抱きしめ、大切にそっと父の写真の前に置いた。「お父さんありがとう。ずっと大切にするね」と。
優秀賞 「気持ち」をかたちに」 加藤 博子
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この鬼灯の朱色、上手く出るかしら?」展覧会の案内葉書を作りたいというお客様が窓口に来られた。持参した絵手紙の、オレンジとも赤ともつかぬ色を出したいという。
私は印刷会社で事務をしている。大企業とは違い地域密着の中堅企業だから事務とは言えナンデモ屋、お客様の応対も私の仕事だ。
ネットからクリックひとつでチラシが作れる時代、わざわざ足を運んでくれるのは、年配者か、色や文字に拘りのあるお客様だ。正直新人の頃は、色なんて付いていればいいと思っていた。けれど、書道の作品集で墨の微妙な色合いを気にかけるお客様や、年賀状の字体や改行に腐心するお客様がいた。それを印刷のプロたちがオーダー通りに仕上げるのを目の当たりにし、いつしか印刷は、人の気持ちを形にするものだと思うようになった。口煩いと感じるくらいのお客様の熱意が、やる気を煽る。
しかし、時代は「安く早く、ペーパーレス」。年賀状の注文も年々減る一方だ。毎年来ていたお爺さんの顔が見えないと心配になるし、加齢のために今年で年賀状を止めるという文面を見ると切なくなる。「チラシ一枚一円より安くなる?」と聞かれると、ため息が出そうになる。
その日、デスクの外線をとると受話器から聞き覚えのある声が。民謡クラブのSさんだ。「悪いけど下まで降りて来てくれる?足が悪くて上れないのよ」。慌てて階段を駆け下りると、Sさんがプログラムの原稿を抱えてタクシーから降りて来た。歩道でひとしきり『さんさ時雨』や『閖上大漁唄』の説明を受け、紙の色や部数を決めると、Sさんは「もう八十八だし、ほんとは引退したいのだけど、みんなが楽しみにしてるからね。何よりオタクに頼めば安心だから、今年もやるわよ」。そう言って笑った。再び車上の人となったSさんを見送り、走り去る車に頭を下げながら「民謡大会、必ず成功させましょう」と原稿を持つ手に力を込めた。私は印刷で誰かの気持ちに寄り添いたい。
「印刷と文字の重さ」 武宮 啓介
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私は、文字には重さがあると感じる。
小学生のころ、初めて読んだハードカバーの本は小学生の私にとって、とても重かった。また、わからない文字も多く、読むのにも一苦労だったので、一文字一文字をとても大事に読んでいた記憶がある。そのため、本を読むときは、机に向かい姿勢を正して読む場面が多かった。
このときは、文字が重く感じた。
中学、高校となり、部活に追われる毎日の中で、私は文庫本を多く読むようになった。読むスピードが速くなった私は、一文字一文字を読むことから、ページ全体を目で追う、そんな読み方が多くなった。また、軽い文庫本はいつでもどこでも読むことができた。そのため、本を読むときは寝ながらや立ちながら読むことが多くなった。
このころから、文字がだんだん軽くなっていった。
大学生になり、私の読む本は電子書籍になった。重さはほぼなく、文字はスクロールによって流れていく。もはやページという概念も薄れる中で、私にとって本は読むというよりも見るものになっていった。本を読む場面も、テレビを見ながらや、講義の片手間にといったように、本だけに集中する場面は少なくなった。
このとき、文字に重さがなくなったように感じた。
社会人になった私は、印刷会社に就職した。印刷物の受け手から送り手に変わる中で、デジタルに囲まれた大学生活から一転、紙に囲まれる毎日となった。そのような中で、私は情報誌を担当することになり、十数年ぶりに小学生以来の一文字一文字を読む日々が始まった。
このとき私は、久しぶりに文字の重さを感じた。
私が気づいたことは、印刷というのは、文字に重みをつけることだ。それはどんな印刷物であっても、印刷された文字には重みが生まれ、その重みは読み手の心に残る。
私は、印刷物の送り手として、印刷を通じて、人々が忘れかけている文字の重みを、改めて思い出してもらうとともに、誰かの心に残る印刷物を作っていきたいと思う。
「小さな冒険家の笑顔」 田崎 敦
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わ~、何これ?」「すご~い!」
ルーペを覗き込む子どもたちの満面の笑み。
(宝物でも見つけたようなはしゃぎようだな)と微笑ましく見守る私。
私の務める印刷会社は、小学校の向かいにある。それもあってか、毎年、児童が工場見学にやって来る。
やって来る子どもたちは、緊張や照れのせいかおとなしい。
「それじゃあ工場見学を始めますね。付いてきてくださいね」
子どもたちの未知の世界への冒険が始まる。印刷現場には恐竜ほどの大きさの印刷機が並んでいる。その横を歩く子どもたちは、さながら冒険家のようである。
工場見学を進めていき、印刷物をより知ってもらうためにルーペで網点を見てもらう。
「印刷物はね、この小さな点でできているんだよ。そして印刷物はいろんな色があるけど青色と赤色と黄色と黒でできているんだよ」
と説明した瞬間に私はヒーローとなる。子どもたちの熱い視線が突き刺さる。さ っきまでの緊張の面持ちは消え、我先にとルーペを覗き込む子どもたち。
印刷会社に務めていると当たり前となっていることで、こんなに喜んでくれるとは。
工場見学が終わり帰っていく子どもたちは、来たときとはまるで別人のように「教室に帰ったらみんなに教えちゃろ」と駆け足で学校の中に消えていった。
今朝もランドセルを背負った子どもたちが楽しそうに登校している。
どんなおしゃべりをしているかは聞こえないが「俺、この会社に行ったんじゃあ」「点々がすごいんじゃあ」なんて誇らしげに喋ってくれているのだろうか。
そんなふうに子どもたちの会話を想像しながら眺めていると、
「子どもたちの歩幅のように小さな一歩ではあるが、これが、企業としてその地域社会の役に立つということなのかな」と考えさせられる私であった。
佳作「宝物」 井上 優子
▼ 作品を見る…
幼い頃、母は私に絵本を買ってくれた。昭和四十年代の初め、発刊されたばかりの「オールカラー版世界の童話」だった。毎月一冊ずつ新刊が出て、書店のおばさんが届けてくれた。全部で三十冊にもなる全集だった。
決して裕福な家庭だったわけではない。団地住まいで、母は家計を助けるためにいつもせこせこと内職をしていた。納品する品やら材料やらがある狭い部屋の一角に、場違いなほど色鮮やかで美しい印刷の全集が、ズラリと並べて置かれていた。
そこは、私にとって夢があふれた場所だった。真新しい絵本は、開くと独特なインクの匂いがした。その匂いは胸を躍らせた。今月はどんなお話なのだろう。ワクワクしながら、美しく彩られたページをめくっていった。きらきら輝く瞬間だった。
本当に絵本が好きだね、と母から笑われるほど、毎日その全集を読んでいた。一番のお気に入りは、カロリーヌという女の子が主人公の絵本だった。明るく元気なカロリーヌと、かわいい動物の友達が繰り広げる冒険の数々。病気がちだった私は、外へ遊びに行けないことが多かったが、表情豊かな絵を眺めていると幸せな気持ちになり、自然と笑顔になっていた。
時が流れ、結婚した私の傍らには、やはりあの全集があった。嫁ぐ時、嫁入り道具よりも大切に持ってきた。三人の子の母となった。我が子は古びた全集に夢中になり、あの頃の自分と同じように、カロリーヌがお気に入りだった。親子で額を寄せ合 って絵本を眺め、かわいい動物の友達のおどけた表情に笑い転げた。
子どもたちが大きくなり、読まれなくなった今でも、全集は部屋に置いてある。心が疲れた時、絵本をそっと手に取りページをめくる。インクの匂いはとうに消えたが、そこには夢があり色褪せていないカロリーヌがいる。
時を超えて、私を幸せな気持ちにしてくれる宝物。かけがえのない相棒よ、ありがとう。いつか孫を抱く日が来たら、また一緒に楽しませてね
「印刷と娘と私」 岩尾 陽富美
▼ 作品を見る…
「印刷にかかわる仕事がしたい」
娘は高校生になると私に告げた。印刷に興味があり、作る側に立ちたいのだと言う。
「え?」考えたこともない世界、聞いたこともない話に、ちょっととまどう私。娘はその後実家を離れ、大学でデザインを学ぶと、念願の印刷会社に就職した。熊本にあるその会社にはさまざまな大型印刷機や特殊な機械があるらしく、目を輝かせながら私に話をする。
でも、ごめんなさい、実はよくわからない。二階建ての高さの印刷機? オフリン? フォトショ? 全く耳にしたことのない言葉が続く。映像が浮かばない。でも楽しそうに説明をしてくれる娘を見て、夢がかなって本当によかった、そう思っていた。あの日までは。
熊本地震。
娘は何とか無事だったものの、印刷会社は全壊。長引く余震。熊本に残る娘。眠れない日々。
仕事は、会社はと、先の見えない恐怖。
しかし月日と共に少しずつ仕事の環境が整う。傷んだ社屋を補強しながら仕事が再開される。
日常がゆっくりと流れだす。
あれから二年、印刷会社はこの度新社屋が完成したそうだ。娘から写真や動画が送られてくる。先輩方と楽しそうに歩く娘。引っ越し作業中のたくさんの人達。話に聞いたあの機械。
まだ、旧社屋と新社屋を行ったり来たりしているらしい。大変なのと笑いながら娘は言う。何でもない、当たり前の日々が戻りつつある。
「印刷って、人がつくる」
娘が言っていた。最新の機械が揃う中でも、人の「目」や「感覚」が頼りになるそうだ。
「実物よりも美しい」感動を作るスペシャリスト達の新たなステージが、ここにできあがろうとしている。
新しい機械も入ったそうだ。また、説明お願いしようかな。多分、わからないけど。
「生きた証を」 鈴木 綾子
▼ 作品を見る…
「母さん、ぼくの事を書いて、本を出してね」
息子の瞳は何かを求めるように輝いていました。その夜は病室で、息子と娘と私の三人で語り合いました。とくに息子は饒舌でした。
「僕は病気になっても希望を持ち続けたら、こんな明るい絵が描けるということを証明する使命があったと思う。家族になるのも使命だよ。今度生まれ変わってもまた家族になれるね。うれしいなあ」と笑顔いっぱいでした。
しかし翌日、危篤状態に陥ったのです。
夕焼けに包まれた病室で父親に抱かれ、息子は静かに目をじました。二十六才でした。
四十九日が過ぎた頃、息子の一年半に亘る闘病日記を綴り始めました。真っ赤な夕陽がさっと山陰に隠れたような生涯でした。書き終えると、ティッシュの山ができていました。
明年の夏、入院中に創作したCGの遺作展を京都で開催し、それが縁となって秋に全米骨髄バンク総会に招かれ、息子が夢見たアメリカで個展を開催することができたのです。
芸術に国境がないということを、家族で実感させていただきました。
恩師から「書きためた随筆を纏めてはどうか。本にしないと散逸になってしまう」と言われ、生まれて初めて出版社を訪ねました。
専門的な助言を頂いて、二三〇頁の随筆集『こころ6/8拍子』を自費出版することになりました。約束の本を息子の墓前に供えることができたのは、ちょうど十年目の命日で、墓園の百日紅の花が風に揺れていました。
私は一人でも多くの人に読んで私しいと思って、県内の本屋さを一軒ずつ回りました。不思議にも発売一週間後に在庫が無くなって、千冊増刷、半年後にも千冊を増刷しました。
連日のように小学生から年配者まで本の感想を綴った手紙を頂き、二百通を超えました。
本を世に出すことの凄さに身震いしました。息子はその価値を見透していたのでしょうか。
生きた証を活字に残せたことで、息子の魂が今も生き続けているように思えるのです。
「凸凹に愛をこめて」 星野 有加里
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「結婚祝いだ。父さんは、これしかできんから」
挙式前夜、杜氏の父は無愛想に一本の日本酒を私に差し出した。
「これって……」一升瓶のラベルを凝視し、驚愕の余り絶句した。
『神泉ゆかり』
風流な白い手漉き和紙に私の名が印字されていた。やけに趣深い温もりある活字だ。もしかして……「これ、活版印刷?」
「出入りの印刷屋に教わってやってみた。なかなか巧くできなくて、何度も何度もやり直したが……」。父は照れ臭げに笑う。
古稀を過ぎた老眼の父の、苦戦しつつ活字を組み合わせ、一字一字刷っていく姿が浮かび、胸と目の奥に熱いものがこみ上げてきた。
「名前を平仮名にしたのは、活版だと漢字は難しいから?」
私の名は『有加里』だ。素朴な疑問に、父は首を横に振る。
「ゆかりには、縁と紫という意味もある。巡り会えた合縁を大切にして、皆から愛されて生きて欲しい。それから、古来、紫は最高色で最も高貴な色だ。長い人生、辛い試練にも遭遇する。でも誇りだけは失わず、気高く生きて欲しい。そんな願いを込めて『ゆかり』と名付けた。だから、敢えて平仮名にしたんだ」
父が娘に込めた名の由来を知り、とうとう涙が決壊した。
『ゆかり』の文字を指先で辿る。紙背に凸凹が目立つ活字から温かな風合いが零れ出す。年老いた父が手間暇かけ、娘の幸せを願って一文字、一文字丁寧に刷りあげた三つの活字に、一升瓶には到底収まり切らない深い愛の重みを感じた。
活版ならではの情趣ある文字のかすれや、滲み出た揺らぎに、一人娘を嫁に出す父の揺らぎが重なる。それは、この世で最も純真で尊い美しい揺らぎだった。
数年が経ち、中身は飲み干されても、ボトルは一生の宝物だ。
父が醸造した酒の味は遠く薄れてしまったが、ラベルに触れればいつでも父の愛が蘇る。
年を重ねる毎に、味わい深く変色していく天然素材の手漉き和紙に息づく揺らぎ。
ラベルの『ゆかり』の武骨な凸凹に触れる度、不器用な父の愛を感じる。
「ポスター」 松田 良弘
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高校三年の秋、私達は人生初の「ライブ」をする事になった。仲間で組んだバンドで、高校最後の思い出を作ろうと思ったのだ。
無料で借りられる町の公民館を初舞台の会場に決めた。
しかし、お客さんが来てくれなければ話にならない。そこで、ポスターを作って町じゅうに貼ろうと思った。学校の中、駅、商店街、役場、候補地は思いつくだけで三十ヶ所あった。そこに一枚一枚、頼み込んで貼らせて貰おうと思った。
一枚一枚全部手書きで作るのか? 肝心の練習時間だけで一日が終わるのに、ポスターを作る時間など取れそうになかった。受験勉強もしなければいけない。そこで、ポスターを印刷屋さんで作って貰う事にした。
学校の近くに、一軒の印刷工場があった。私達は恐る恐る工場のドアを開けた。中には見た事もない機械が、リズミカルな音と共に何台も動いていた。部屋の奥から、真っ黒に染まった作業服を着たおじさんが出てきた。おじさんは怪訝そうに私達を睨んでいた。
私達は事情を話した。おじさんは腕組みしながら話を聞いてくれた。その手も真っ黒だった。 「おもしろそうだな。協力するよ!」
おじさんは笑顔になり、握手を求めてきた。
それから毎日、練習帰りに私達はおじさんの工場に足を運び、おじさんのアドバイスを受けながら図案を練った。そうして完成したポスターを見せた貰った時は、私達はプロのミュージシ ャンになった気がした。写真付きの艶やかに印刷されたポスタ ーを手に、ライブを必ず成功させようと、気持ちを引き締めた。
おじさんはお金を取らなかった。その代わりに、ポスターの隅に工場の名前を入れた。スポンサーというやつだ。ポスターを小さくした物にミシン目を入れたチケットも作ってくれた。
こうして行ったライブには、沢山のお客さんが来てくれた。会場の隅には、おじさんの姿もあった。おじさんは楽しそうに、私達に真っ黒な手で手拍子を送ってくれていた。
school
小学生の部
小山薫堂最優秀賞 「ぼくにとっての朝のにおい」 長谷川 慶佑 (小学二年生)
講評:「朝のにおい」を題材にして印刷の魅力を語る小学2年生・・・将来がとても楽しみです。
日々のなんでもない出来事に大きな価値を見出すきっかけを頂きました。
▼ 作品を見る…
お母さんの朝ごはんと新聞。これが、ぼくにとっての朝のおきまりのにおいなのだ。
ベッドからおきると、ほんのりかおるいいにおい。今日はごはんかな? パンかな? おかずは何かな? いろいろそうぞうしながら、ゆっくりとかいだんをおりる。
その後は、外のポストから新聞をとりに行くのが、ぼくの朝のしごと。
「今日もとどいているぞ。はいたつ屋さん、ありがとう」
と、かんしゃの気持ちと、わくわくした気持ちで新聞を広げる。広げたとたん、何となくかおるインクのにおい。
この毎日の何でもないできごとが、なぜだかぼくをやる気にさせる。
「さあ、今日も一日がんばるぞ!」
小山薫堂優秀賞 「父との時間」 入江 櫂伊 (小学六年生)
講評:日曜の朝が嫌いだった、というネガティブな書き出しで興味を喚起し、最後の一文で父親への想いを語りあげる・・・
その手法はさすがです。この作文は、お父様への最高のプレゼントになるでしょう!
▼ 作品を見る…
日曜の朝が嫌いだった。午後の便で九州に戻る父とまた別れる時間が迫ってくる。印刷会社に勤める父の単身赴任は、家族にとっても経験のない毎日だった。父はある日僕に一人で福岡に来てみないかと誘った。僕は舞い上がり、歴史好きな僕達親子にとって最高の旅計画を父とテレビ電話で何度も話し合った。福岡城では父の会社が手がけるVR技術で名城の素晴らしさを体験し、熊本城でお年玉を寄付して復興城主になり、後日熊本市から城主手形と城主証が送られてきた。今、僕の部屋には一人で乗った飛行機のチケットと一緒に父との思い出のたくさんつまったこれらの印刷物が貼られている。それを見るたびに次に父が帰る日まで頑張ろうと思った。東京に戻った父とは壁を見ながらまた一緒に旅に行こうと話している。壁いっぱいが父と過ごす旅の印刷物で埋まる日が楽しみだ。
「ファンとつながる本」 松田 陽道 (小学二年生)
講評:そう、ここに書かれている通り、印刷は「人と人をつなぐ」という価値を持っています。
今回の賞を受賞し、こうして印刷物になったことで、新たなファンの獲得につながることを期待しています。
▼ 作品を見る…
ぼくは、小学一年の時、水がテーマの作文コンクールでしょうをもらいました。しょう品として作文の書かれたたてと、しょうをもらった全員の作文がいんさつされた本をもらいました。本を開けてみると、目次にぼくの名前と作品のタイトルが書いてありました。ぼくは、うれしくなってすぐに自分の作文が書かれているページを読みました。ぼくはむねがドキドキしました。いんさつされた作品集は本ものの本みたいに見えました。みんなの作品でページ数もたっぷりです。これならたくさんの人に読んでもらうことができます。ぼくの作品を気にいってくれる人がいて、次の作品をまた読みたいと思ってくれるかもしれない。それがぼくのファン一号です。この本は、ぼくとファンをつないでくれる大切な一さつです。いんさつすることで作文用紙が宝ものにへんしんするのは、素敵なことです。
「ひょうしのわたし」 松本 憩 (小学一年生)
講評:広報誌の表紙になったことが生き生きとした文章で描かれています。
時を重ねるほどに、その喜びは増していくことを予感させ、とても後味の良い作文に仕上がっています。
▼ 作品を見る…
ひょうしもでるになったことあるよといってままがみせてくれた。びっくりしたけどなあんだとおもった。こうほうのひょうしにわたしが1さいのときのしゃしんがのっている。わたしはぜんぜんおぼえていない。ままは、じいじやばあばとかしんせきのひとにこうほうをくばったといっていた。はずかしいからやめてとおもった。ままは、いちばんかわいいからだいじょうぶといってくれた。わたしもすこしかわいいかなとおもってきた。
ままはそのときのこうほうをいえにたいせつにたくさんのこしている。たからものだよといっている。わたしは1さいのたんじょうびぷれぜんとはなにをもら ったのかおぼえてないし、どんなだったかわすれたけど、きっとたのしかったんだろうなとおもう。ひょうしのわたしはすっごくにこにこわらっている。
「印さつは生きている」 森脇 茉菜 (小学三年生)
講評:随所にハッとする表現があり、感心しました。
印刷は生きている。この夏私は、大発見をした。という締めくくりの2行が小学3年生とは思えない巧さです。
▼ 作品を見る…
私は今年、コーラス部に入部した。歌う事が大好きだからだ。八月には、NHKのコンクールに出場するため、夏休み前にかだい曲が印さつされた楽ふをもら った。
楽ふをもらって、すぐにどんな歌なのかをかくにんした。はじめは何も感じなかった。けれど、歌の練習が進むにつれて、印さつされた文字や音ぷがちがって見えるようになってきた。
楽しく歌う所は、文字がはずんで見えて、くやしい気持ちで歌う所は、文字がおこって見える。うれしくて天まで羽ばたきという所は、文字に羽がついてまいあがってしまい、私もいっしょにまいあがってしまう。
印さつは生きている。
そう感じてから、町中にあふれている印さつ物が、私に話しかけているようで楽しかったり、悲しかったり大いそがしだ。
印さつは生きている。この夏私は、大発見をした。
優秀賞 「CMYKの不思議」 大西 晴日 (小学五年生)
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私のお母さんは印刷会社でデザイナーの仕事をしています。
家にいても、街に出てもいつもいつも印刷物の事を気にしています。
「きれいな色やな」「この紙ええな」「上手に刷ってるな」と、いつもいつも言っています。たまにお母さんの作ったポスターやチラシを見かけます。
うれしいし、ちょっとじまんに思えます。いろんな色を使って刷っているように見えるけど実は「CMYK」という四色のインクで印刷していると聞いてビックリしました。絵の具みたいにたくさんの色があると思っていたからです。その四色のインクがすてきな印刷物を産みだすと思うと不思議な気持ちとワクワクした気持ちになります。
私は今日もお母さんに聞きます。
「今日の仕事は何のポスターを作ったの?」
「いんさつはまほう」 鷹嶋 寿怜 (小学三年生)
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わたしのこと、おぼえていてね。そう思う時があります。だれかの心の中にず っとのこれるまほう、それがいんさつだと思います。わたしの家では、新聞や本で気になったページを切ってほぞんしています。行ってみたいお店、すきな言葉、おいしそうなレシピ。
切りぬきはいろいろですが、後で見てもはじめて見た時の気持ちや、お店に行 った時の楽しい思い出がうかんできます。
一まいの紙が、いんさつというまほうをかけられて、たくさんの人の心に思い出や、新しい出会いを作ります。聞いただけではわすれてしまうこともあるけれど、いんさつされた紙はずっとのこります。そして、紙だけでなく、みんなの心の中にものこります。
この作文がいんさつされたら、どんな人が書いたのかなぁ?とそうぞうしてくれる人がいるかもしれません。
そうぞうしてくれたあなた、その気持ちがいんさつのまほうです。
「印刷と私」 松本 陽菜 (小学六年生)
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私は、幼稚園時代から本や雑誌を読み始めました。今の時代は、スマホやタブレットでデジタルの文面を読むことが多いですが、私は印刷された雑誌が一番好きです。紙に印刷されている付録も楽しみです。手元においていつでも読み返せるところがまた良いです。
印刷物は、リサイクルもします。資源を無駄にしません。私が楽しんでやっているのは、リメイクです。きれいな色や柄で印刷された新聞紙でお花のコサージュを作ったり、カラー印刷された広告や包装紙でペーパービーズを作ってアクセサリーにしたり、新聞紙でバッグを作ったりすることがとても楽しいです。
デジタル化が進んだ現在、ペーパーレスにすることで資源の無駄遣いを減らすことができますが、印刷されたものを大切に扱う事もよいことだと思います。私は、印刷物が大好きです。
佳作「笑顔をありがとう」 石川 友梨 (小学六年生)
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印刷物。それは、人々の幸せの源。人々を笑顔にさせるものだと、私は思う。
五年生の二学期、国語の授業で私が書いた物語が、「文集うつのみや」に掲載された。その物語は、私の祖父の家を題材とした内容で、風景や登場する動物なども、普段の様子をそのまま描写したものだった。それを見た祖父はとても喜び、ニコニコと満面の笑みを浮かべ、何度も読み返していた。今も物語のコピーを財布に入れ、色々な人に見せながらお守りのように大切にしているのだそうだ。
私はそのときの祖父の笑顔と、心にじんわりと広がった優しい温もりを、今もはっきりと覚えている。そして、以前は意識していなかった「印刷」の力の大きさを改めて実感した。これからも、私や祖父に幸せを与えてくれた「印刷」に感謝しつつ、「印刷」に力を借りて、私のまわりの大切な人たちを笑顔にしたい。
「思い出の記録」 大久保 果澄 (小学五年生)
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紙資源の節約、環境保護という理由で最近は印刷物がへってきている。確かに大事なことだ思う。
でも、印刷されているから思い出として心に残るものもあると思う。私は、旅行に行くと入場券やパンフレット、食事したお店の箸袋とかを持ち帰る。かわいい印刷だったりしたらなおさらだ。なんでもかんでも持って帰ろうとするので母からは不評だが、小さいころからの習慣みたいになっている。家に帰ってからそれらを見るとその時のことが思い出される。小さすぎて行ったことを忘れていても行 った証拠として残っている。
人間の記憶は完ぺきではないから、全てペーパーレスにされてしまうと、思い出が忘れられてしまう。
思い出の記録として、これからも印刷物が残っていってほしい。
「むかしのいんさつ」 内藤 沙羅 (小学二年生)
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「上手だね」と、ママが言ってくれました。わたしは、とてもうれしかったです。
夏休みに、うきよ絵の多色ずりを体けんしました。朝顔とスイカとユリの絵をすりました。三つだけでも大へんでした。のりとえのぐをまぜて、色を作って、一ばんうすい色からはじめて、四回ずつすって一つの絵がかんせいします。しみがあったり、むきをまちがえて、しっぱいもしました。どういう風に出来上がるのかなと、きんちょうしました。
今から、百年くらい前は本やざっしの絵に、多色ずり木はんがのぎじゅつが用いられていたそうです。今はいっぱいコピーすればいいけど、むかしはそれがむりでした。今のほうがべんりになったと思います。でも、むかしのいんさつも、よいと思いました。かんせいした絵は、みんな一しょだけど、みんなちがいました。とてもすてきでした。
「幸せのお手伝い」 牧原 雅華 (小学六年生)
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私は、本が大好きです。本は、同じ本の場合、どの書店でも全く同じ本になっています。それが常識になっているけど、印刷機がなかったら出来ません。
また、私の学校には絵の上手な先生がいます。私は友達と、その先生によく、「絵を描いて」と頼みます。先生が、頼んだ絵をくれる時に、「おまけ」と言 って可愛い絵を一枚くれました。私達は二人ともその絵が欲しくてどっちがもらうのか困りました。人には全く同じ絵を描くことは難しいです。その時先生が、「印刷出来るよ。する?」と言って、印刷してくれました。帰り道、友達と同じ絵を持って、その絵の事で会話も弾みました。印刷した絵を通して人と人との絆が深まり、幸せな時間を過ごせるんだと思いました。今では印刷は当たり前になっているけどとてもすごい事だと思います。だけど当たり前になっているので、誰もが気付いていない、日常の中できっとみんなの幸せのお手伝いを印刷はしています。
―第1回「印刷と私」コンテストの受賞作品―はこちら
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印刷ってなに?-コンテストに応募するためのヒント
私たちの周りは印刷物で溢れています。幼い時は絵本を読み、カードを集め、シールやめんこで遊び、教科書で勉強し、物語・伝記を読み始め、小説に没頭しました。大人になって、コミック本や週刊誌、そして毎朝、新聞を読んでいます。これらはすべて印刷物です。

・あなたの人生に影響を与えた大切な本はありませんか?
・本屋さんに行くと、本の背表紙が語りかけてくることありますよね?
・大好きなファッションの通販カタログ、わくわくしませんか?
・街で見かけた今でも印象に残っているポスターはありませんか?
・インスタントラーメンの袋の写真、美味しそうに印刷されてますよね?

・いつまでも心に残っている童話やお話はありませんか?
・こどもの頃に遊んだめんこやシールの思い出はありませんか?
・アニメのキャラクターカードを集めるのは楽しいですよね?
・お菓子のおまけのカードを集めた思い出はありますか?
・受験勉強で使った教科書や参考書、頑張っていたころを思い出しませんか?
・初めてもらった給料袋、印字された支給額覚えていますか?

・趣味で集めた切手や紙幣にまつわる思い出はありませんか?
・レコードやCDのジャケットを見て青春の頃を思い出しませんか?
・映画やコンサートのパンフレットを見てエピソードを思い出しませんか?
・初めて手にした英語のグラビア雑誌、海外の文化の香りがしませんでしたか?

・自分の俳句や短歌を句集・歌集にしたときの感動はありませんか?
・ご家族の大切な作品を本にしたことはありませんか?
・仕事でのパンフレット制作や印刷の苦労、喜びを教えてもらえませんか?
・プロとしての執筆、デザイン、企画などのエピソードはありませんか?

ひとつの印刷物の思い出、印刷物をきっかけにしたエピソード、 印刷への大切な
思いそして苦労など、あなたの物語を綴ってください。
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